セルフライナーノーツ「ダウザー」編

・この曲の話をします。

・楽曲そのもののテーマは探究心。そしてその対象は「科学」と「オカルト」の2軸に絞っている。

浪漫が無いと 僕ら
浪漫が無いと息が続かないの
決まりきった世界の穴を裂いて
浪漫が無いと 僕ら
浪漫が無いと意味がないから
春を待つ暇もないね
ほら、あることもないことも暴いてみる?
ダウザー

サビ、「あることも〜」の部分で一気に片付ける


・探究心って別に一方向のベクトルではなくて、特に自分は何でも興味をもってしまえる人間なのであえて対象を限定した。科学もオカルトもどっちも面白いし、相反するロマンティックを抱えているな〜と思いながらサビを書いた記憶がある。

・普段から作詞と作曲をいっぺんにやったり思いついたところから書き始めたりとめちゃくちゃな工程なんだけど、今回は一番最後に「ダウザー」というタイトルを決めた。そしてこれにマジ丸一日かかった。

・なので、かなり気に入っている。ダウザーってのは当然ダウジングをする人で、これは昔からオカルトなんだか科学なんだかわかんねぇと言われている技術の一つだ。地脈だのオーラだのを感じ取ってダウジングロッドが動くみたいなのは流石にオカルトパワーだけど、人間が五感で感じていて自覚できない要素を無意識から引き出して検知する技術と言われれば、そうなのかも…となってくる。

・別にどっちでもよくて、というかどっちも面白いからそれでよくて、そういう部分を表現したかった。とにかく得体の知れないものを、自分が制御するより得体の知れない力で解き明かすって面白い。

・そんな感じの世間離れした耽美的な感性をそのまんま音楽にしました。

流線形を目指していた彼らはやがて機械に
きっと神になりたかっただろうに
ありきたりなストーリーに収束し
ここから先はとうに立入禁止
しっしっ 僕たちのお通り
街は騒めき 心は踊り
不可思議しか愛せないから
裏道から抜け出しちゃってグラビティ 

ここ文章のつながりの綺麗さと、押韻のバランスが気持ちよくまとまった

・もう少し深掘りすると、ダウジングに限らず最先端の科学技術や歴史あるオカルトってのは誰もが扱えるものではないと思っている。ある種の能力者だ。ギフテッドというか、それに没頭する為の才能というものが明らかに存在していて、それはIQだったりカリスマだったり、あるいはまだ名前がついていないものかもしれない。

・そういう人間って、調子に乗ってた方が可愛いと思う。ちょっと生意気で、世間を斜めにみていることで僅かに世間との繋がりを獲得できる。本当は普通から除外されてしまう存在でも、視界にちょっとでも俗世間が写っている。それくらいの救いがあってもいいと思う。

・言い方はやや攻撃だけど、能力者である我々は普通の人にはできないことができる。それをちょっとは誇りに思いながら、それがピッタリハマる世界を探してどうしようもない世界を蹴っていく。それもまたある種のダウジングだ。

・…みたいな精神性を、歌詞だけでなく譜割りやオケにも散りばめています。感覚的な話が長すぎた。

別に管理されてるつもりはないのだけど
結果 重力に肖ってるね
アイオライト、統制された街の歩き方を示して
当たり前を彩る科学を愛さないと!
水晶体までの信頼できる密室
でもきっとそこにはない真実
意味深でも信じる
認証キーが無くたって乾杯(cheers)できるから実質

珍しく長めの脚韻。


・もともと早口だったり複雑な曲を作ることが多かったけど、今回は特に何もセーブすることなくブチ込もうと思った。結果としてすごいことになってしまったね。

・一応自分で歌いながら作ってるので、人間にできることをやっているつもり。ピアノソロを含む楽器編制とかも踏まえて、全体的にすごく宮守文学らしい曲になっていると思う。

・あと、動画もすげー頑張ったからもっと褒めてくれ。

・曲も動画も色んな人に相談しつつ進めた。みんな「ちょっとこれはやりすぎでは…?」とか言わないの優しい。

スパイスは正体不明
されど境界に触れ
僕ら道連れを楽しむくらいにはバグってるから

・ここの歌詞が一番気に入ってるかな。一番最初に、ちょっと異常な人間の探究心のヤバさをさくっと提示した。あとは好き放題やらせてもらうね。

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