Xデザインでの学び - #12 サービスデザインとビジネスデザイン -
Xデザインリーダーコースもついに最終回。今回のお題は 「サービスデザインとビジネスデザイン」でした。Xデザインでは最終回に成果発表というものがあり、私は「過疎復興のデザイン」というテーマで発表したのですが、その話はまた別途。
UXデザインとユーザビリティ/ユニバーサルデザイン
UXデザインとユーザビリティ/ユニバーサルデザインの違いは何か。このあたりは山崎先生の著書である「人間中心設計入門」に書かれているようです。「うれしい体験」と「苦い体験」に対するデザイン的な解決という説明がとても分かりやすいです。これらの概念を狩野モデルを使って図示頂くと更に理解が深まります。
狩野モデルは『顧客満足度に影響を与える製品やサービスの品質要素を分類し、それぞれの特徴を記述したモデル(Wikipediaより抜粋)』という顧客満足度の品質という観点で整理されたマトリックスモデルですが、これに興味をそそられました。
左上の領域が面白いです。不充足なのに魅力的な品質の製品やサービスがあったら、ある意味とっても魅力的だとおもいませんか?
充足することが品質が高いという発想は、このモデルが生まれた1980年代の製品やサービスでは当たり前ですが、最近は充足し過ぎでかえって煩わしいということもありそう。「Less is More」、「知らぬが仏」、説明しないことや見せないことを尊ぶ考え方が左上の領域に該当するのでしょうか。昨今では物理的な充足度が一般化出来るものでなく多様化した個々人に最適化されるもの、とも言えそうですね。説明書を配らない、問い合わせないと分からない、APIでカスタマイズしないと使えないけど実は実装されてる機能も最近はありますよね。当たり前という概念自体も社会通念なので、時代により変化し続けているのでしょう。充足してないけど不快感は伴わない今どきの境界線がどこか。是非探求してみたいテーマです。
UXとEXが融合する
サービスデザインの説明ではサービスドミナントロジック、 製品やサービスを顧客が使用する段階における使用価値に注目すること、という説明が改めて大事だと感じました。ひと、もの、ビジネスの三つの視点を考慮したデザインがやはり大切ですよね。またビジネスデザインは「目的(ビジョン/パーパス)のためにしくみをデザインすること」であり、BTC型(ビジネス、テクノロジー、クリエイティビティ)がイノベーションを生み出す組織の理想型ということでした。
11回の組織デザインとデザイン文化でも書きましたが、EX(Employee Experience) が最近重視されています。サービスデザインでもビジネスデザインでもUXとEXそれぞれのユーザー体験が良くなるデザインというのが目指す一つの方向性というのが講義の最後のメッセージでした。
やはり20世紀型の規模のスケールを目指す分業型組織形態は廃れていくのでしょうね。個人的にはギルドへの揺り戻しが個人の時代での組織形態なのだろうと感じてます。このあたりテクノロジーに人間は振り回されてますね。蒸気機関車や自動車といったモビリティの発明が大規模分業形態を可能とし、インターネット以後のデジタル革命が個人的つながりによる分業を復活させようとしています。
ギルド形態になれば帰属意識といったアイデンティティの側面が強くなっていきそうです。会社という組織がEX(従業員の満足度)を上げるというスタンスから、ギルドメンバー自身が参加するギルドを主体的に選ぶ、魅力的なギルドになるという共創の関係性。アベンジャーズか7人の侍か。この問題意識は21世紀型の人間の在り方にもつながる話なので、もう少し深掘りしてみたいところです。
ということでXデザインリーダーコース完了です。春からはXデザインアドバンスコースを受講する予定ですので、またリフレクションを書きたいと思います。
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