グッズ厨をやめるまで
JKだが平均月4万円のバイト代をほとんどグッズに使っていた。
グッズ厨と言っても社会人のグッズ厨とは使うお金も桁が違うしその人たちから見たら私はまだ楽しんでいる範囲なのかもしれない。ただ自分が使えるお金のほとんどをグッズに使っていたことはグッズ厨に該当すると思っているのでそう言わせてもらう。
初めてグッズを買った時
グッズを買い始めたのは中学1年生の時だった。 たまたま見たアニメにハマり、それを通じて友人ができた。 毎週アニメの感想を語りあい、原作を読んでいなかった私に友人は単行本を貸してくれ、好きな場面、推しがかっこいいなどと話していた。 そしてある日、友人がアニメイトという存在を教えてくれた。好きなキャラのグッズが売っているという話を聞き行きたくなり、親を連れて始めてアニメイトに足を踏み入れた。その時買ったのは推しの缶バッジとランダムアクキーだった。アクキーは推しが出て嬉しかったことを覚えている。 グッズを買いそのグッズを筆箱につけることで自分の推しをアピールすることができて嬉しかった。 その時買った缶バッジとアクキー(筆箱につけていたら折れてしまったが)今も大切に保管している。
グッズを買うことが楽しかった頃
そのアニメも感動の最終回を迎え、ロスになった後私達は新たなジャンルにハマっていた。 そのアニメも漫画原作のアニメだったが私は外伝の小説→漫画→アニメとハマった為推しの声が自分の思っていた声と違いアニメは見れていなかった。(この話もいつか記事にしたい) だが推しは好きだったので休日友達とアニメイトにいきランダム缶バッジを買い、誰が出たか盛り上がっていた。 私はこの誰か出るかドキドキの瞬間が好きだった。友人には「そのキャラたちの絵を箱に入れて誰が出るか楽しめばいい」などと言われたが私は「グッズだからこそこのワクワクがある」と答えた。 今思えばその感覚がある時が一番幸せにグッズを買える時だったのかもしれない。
バイトを始めた
時がたち私は高校生になった。高校生になっても最初はバイトをしてなかった為缶バッジは1ヶ月に多くても3こ程しか買えなかった。 しかし夏休みからバイトを始めた。初給料1万円は友人が当てた舞台のチケットへと消えていった。が次の月給料は5万円入った。 両親には「バイト代は自由に使っていい、ただちゃんと考えて使いなさい」と言われていた。私は1万円を貯金に回し、あとの4万円で好きなものを買おうと思いアニメイトにいき欲しかったグッズを買った。 その時1万円はいかなかったと思うが、自分が欲しいものを悩まずに買え、”ドキドキの瞬間”をたくさんできることがとにかく嬉しかった。
狂い始めた金銭感覚
私は新しい作品にハマるとついグッズに手が欲しくなり、集めてしまう。それがわかっているため最初はグッズを我慢するのだが店頭で見かけるとつい買ってしまいたくなり、最後は欲に負けて買ってしまうのだ。 バイトを始めてから私はかなりの額を手に入れたが、ほとんどグッズに使ってしまった。しかしなんのグッズに使ったかさえ覚えていない。覚えているのは推しのぱしゃこれを買い漁った1万円と缶バッジ箱買いした分の1万円のみだ。しかし実際は10万円以上はグッズに消えている。またバイトを始めてから取引垢を作り積んでいるたくさんのグッズ厨を目にして「もっと買わなければ」と思って買っていた。
精神安定剤
12月学校がとても忙しく精神の限界がきてグッズを買い漁ることで精神を安定させていた。気づくと月1万円の貯金は危うく、母親も私の部屋に増えていくグッズの山をみてバイト代を管理すると言い出した。私は母親に「なぜ自分で稼いだお金を管理されなければならないのか」と反抗した。 今思うと私の考えは異常だと思う。母親は私の金銭感覚がおかしくなったからちゃんと直そうとしてくれていたのだ。自分でお金が稼げても私は未成年だし親の管理下にあるから管理されることはおかしくない。この時の私は”ドキドキの瞬間”のために買っていたのではなく、ただ精神安定剤としてグッズを買っていたのだと思う。
抜けられない
年があけた頃、精神が安定して来た私はちゃんと月1万円の貯金は守ろうと思い、グッズを買う量を減らすことにした。ただいきなり減らすことはきつく、我慢していても学校やバイトで嫌なこと、失敗したことが会った時ついついアニメイトに寄りグッズを買ってしまっていた。精神安定剤として。それでも買う量は減らせていた。 ただバイトのシフトが削られることが多くなり、月1万円の貯金は達成できていなかった。
グッズ厨から目が覚めた時
4月、緊急事態宣言が出た。2ヶ月近く家に引きこもることとなった。もちろんグッズは買いに行けないのでお金は使わず、毎日ゲーム三昧な日々を過ごしていた。そんなある日部屋の片付けをしようと思い久しぶりにグッズをしまっていた箱を開けた。すると缶バッジはほとんど錆びていた。悲しくなった。中学生の時あんなにハマって買っていた缶バッジがただのゴミに見えてきた。錆びていないものも含めてメルカリで売った。もちろん定価で売れるはずもなく1/2以下の金額だった。買っても楽しいのはあの”ドキドキの瞬間”の時だけ。そのあとは箱にしまったまま次開けるときは錆びたゴミとなる時。嫌になってその時もう回収をやめていたジャンルの缶バッジはほとんど売った。定価との差額は”ドキドキの瞬間”のために払ったんだと納得した。元々1人でいることが好きなので緊急事態宣言中はストレスが貯まることなくずっと精神が安定していたからこそ冷静に自分を見直すことができたんだと思う。コロナのせいで初ライブ×2は潰れてしまったがライブで体験できる楽しさ、感動以上のものを手に入れられた気がする。
良縁
また春休み中貯金の差を埋めるために始めた短期バイトも影響している。元々は春休み期間中の契約だったのだが、「月1回でもいいから来れる時にきな」と契約を延長してくれた。(とても優しい人たちだった)そして緊急事態宣言中も休業補償を毎月振り込んでくれていた。(なんと7月の頭分まで)それもかなりの額で気づいたら貯金が10万円以上になっていた。6桁になったのは初めてのことで嬉しくてこの6桁を維持したいと思い、お金を使うことが嫌になったのだ。 コロナでグッズ厨をやめれたと言っても過言ではない。このバイト先は夏休みいっぱいで閉まってしまうがこの恩を返すべく優先してシフトを入れ働いている。
少しずつ
そして一昨日、遂にまだ好きなジャンルのグッズを手放す決心がついた。早速何点かメルカリに出品した。数が多いため全てを売り切るには時間がかかるが少しずつ自分のペースで出品できたらと思っている。どうしても手放すことができないものも何点があるがそれは無理に手放そうとはせず、本当にいらないと思ったときに手放せば良い。手に入れるのに苦労した缶バッジ15点程を1点手元に残すのを忘れ出品し購入された時は後悔したが梱包し郵便局に持っていってしまえばもうどうしようもない。つい数日前のことなので思い出すとまだ少し悔しいが。
現在
今はバイトの数を減らし、給料は月2万円程で貯金1万円、趣味・雑費1万円で生活している。最近は化粧品など自分磨きにお金を使うことも多くなり、グッズは本当に欲しいと思ったら買うことにしている。がアニメイトに行くことも少なくなりほとんど買っていない。予約品でキャンセルできなかったものはちゃんと支払い購入するがすぐに手放す予定だ。メルカリの売上金も口座に戻したら使ってしまうかもしれないのでそのままにしているがある程度貯まったら戻す予定だ。(垢BANや急にスマホが壊れてアカウントを復活できないという可能性もあるため)今の生活で十分満足しているし毎日楽しい日々を過ごしている。結果的に親にはバイト代を管理されてはいないがグッズ厨を卒業することと貯金の額を伝えた。「最初のうちにお金の使い方学べてよかったんじゃない、貯金もすごいじゃん」と褒められた。とても嬉しかった。 このまま手元からグッズを減らしつつ、予算を守った楽しい生活を送りたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?