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52日目 中国と喧嘩と作法

先日上海に戻った際、街中で喧嘩をみかけた。

中国の喧嘩は基本的に口喧嘩が作法だ。もちろん暴力沙汰が無いわけでは無いが、日常的に街でみかける喧嘩ではお互いに大声で罵り合う姿をよく目にする。

『理非なき時は鼓を鳴らし攻めて可なり』という言葉があるが、中国は歴史的に武より文を尊しとする国である。

通常の喧嘩では相手を罵ると同時に周りに集まって来る野次馬や聴衆に対して如何に自分の方が正しいかを大声で主張する。

この主張によって相手を論破することが理想の勝利ではあるが、喧嘩の場合最早どちらが正しいかではなく勝ち負けしか頭に無いためお互いに絶対に譲らない。

ならば罵り合いは永遠に続くのかというとそこは良くしたもので聴衆の中から仲介役が現れてお互いの面子を立てて喧嘩を終息に導く。優秀な仲介役だと最後は喧嘩をしていた二人が笑顔で握手したりする。

ただ最近はこうしたお節介を焼く人も減っている。世の中が世知辛くなり物騒な事件が増えているのもこうした有能な仲介役が少なくなっていることも原因の一つだったりするかもしれない。

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