第三回 庶民の景気感について
最近一週間ほど久しぶりに上海に滞在したので、数回に分けて中国の現状について、庶民生活視点で簡単にまとめてみる。第二回目の今回は中国特に上海の庶民の景気感について。
日本のや諸外国の報道をみていると連日中国の景気悪化に関するニュースが沢山流れている。不動産企業の破綻、EVの売れ残り、モールのゴーストタウン化等、ありとあらゆるネガティブな情報が日々発信されるので、中国の景気は一体どれほど悪いのか?と考えてしまうところだが、今回上海に久しぶりに一週間ほど滞在して、いわゆる政府高官や経済評論家、専門家ではなく、日々普通の生活を送るいわゆる庶民の人々の景気感を知ることができた。
それによれば、庶民の感覚からしても、確かに景気が良いとは思わないというのが皆一応に返ってくる答えだ。不動産の値段も下がっているし、給料も以前のようには上がらなくなりむしろ下がることもある。子供の就職も簡単にはみつからなくなっている。たまにみかけるで自動車ディーラーもいつも値下げセールをやっているが売れているようにはみえない等、そこかしこに以前のような経済の明るさはみえないというのが庶民の景気感だといえる。
とはいえ、いきなり会社をクビになったりや、突然生活にも困るような状況の悪化、商売ができなくなるほどの不景気、明日の生活が不安になるほど経済が悪化しているか?というと、少なくとも庶民レベルではそこまで切迫した状況ではないようだ。たまの外食にも行くし、連休になれば旅行にも行く、前回も話したように病院にいけば輸入性の高い薬も買う、友人の子供が結婚するとなればそれ相応の紅包も出す。
景気が悪くなっているそれは確かに感じる、ただ自分の生活が大きく変わるほどなにか不景気の影響を受けているかと言われるとそれほどではない、せいぜいニュースで景気が悪いと聞くので、日々多少節約しようなかとは思うものの、それでもそれなりに使うときはお金を使う毎日というのが上海の庶民の一般的な感覚ではないかと思う。
もちろん、景気悪化の庶民への影響は遅れてやってくるものなのでこれからどうなるかはまだわからないので、今は嵐の前の静けさなのかもしれないが、現在のところ日本のニュースで報じられるほど悲壮感があるわけではないことは、今回の上海滞在で強く感じた。
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