マガジンのカバー画像

みやまnoしずく

37
ことば書きの練習。 現代川柳・現代短歌を書き連ねています。(短歌多め)
運営しているクリエイター

2016年11月の記事一覧

現代川柳練習03

「紙おむつ」言葉の汚物包みけり

箪笥から祖母の葛藤汚れた下着

血が詰まり叫び届かず祖母は死に

我こそは母祖母かつて殺せしや

新聞紙千切りてひとり介護せん

いちにちを祖母はひとりで繰り返し

狐見た老女呟きまこと呼び

介護蓑真夜に未遂の祖母殺し

ケアマネは金貰う側理想吐き

情けをばかけられ塀を厚くする

後悔を飲み込むための五七五

---------------8<  切り取り線 

もっとみる

現代川柳練習02

「おはよう」と同じ調子で「大丈夫」

美化しすぎ写真色褪せ君遠く

風呂上り手の皺我を苛める

たらればの無責任こそいとおしい

アリバイを作れぬままに年かさね

ふるさとや息継ぎ知らず埋もれ行く

くるぶしを飲み込む汽水またいつか

点々を除き飲み干す花の名よ(既出短歌の手直し)

人生の切り取り線を無視してる

今日寝れば明日迎えず済みますか

路地裏で空っぽの蝉眺めたり

粉糠雨たくわん齧る

もっとみる

現代川柳練習01

死ぬことに理由をつける不自由さ

深夜にはわたしの皮が踊り出す

さびしさの細胞壁を壊したい

「頑張って」その後続く(死んでくれ)

体内のインフラ止める勇気ない

くじ引きで当てたうつ病おめでとう

逃げ水に亡き母の声吸い込まれ

優しさを手放すためにデパス飲む

面影を求めて鏡叩き割る

死んだのは「わたし」のことを捨てたくて

四度目の自殺未遂は母の日に

アホやなと言ったわたしが屋上へ

もっとみる

現代短歌練習12

電話越しおまんのことを睨んでるホンマに嫌いホンマに嫌い

人混みに飲まれた我は消化されやがて排泄され還りゆく

墓石に潰されり我が母の声怨嗟を糧に我は紡がれ

守りたいもの増えるたび「好き」と「大事」の違い自問す

マンモスも避けて通ったわたくしの永久凍土立ち入り禁止

雪溶けて居場所なくしたふきのとう花咲く前に咀嚼しようか

結構溜め込んだなあ。

「おまん」は方言で「あなた」です。ここには載っ

もっとみる