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霧島が世界に誇れるものとは...?
6月19日(金)、鹿児島県立国分高校にジオパークの話をしに行ってきました。いただいたお題は「世界に誇る霧島学」という大きなテーマ。何を話すべきかずいぶん悩みましたが、おおよそ次のようなことを「わけし(若い衆)」に全力で問いかけてきました。
活火山やカルデラが密集するところに暮らしている私たちは火山のことを世界の誰よりもよく知っているはず。それは噴火だけじゃなくて、火山の麓で暮らしてきた先人たちが育んできた文化や歴史も含めて。そういった火山地域で災害に向き合いながら豊かに生きていく知恵や生き様を国内外の人たちに伝えることができること。それこそが私たちが誇るべきことなのではないでしょうか?これは私の意見ですが、みなさんはどう考えますか?
後になって振り返ってみるとちょっと大言壮語すぎるし、どこか無理をしているようにさえ思えます。しかしながら、ここまで意気込んだ理由を考えると、それは間違いなく新型コロナウイルスの影響だったと思います。コロナが私たちに教えてくれたのは、突き詰めて言えば、地球上の人間社会というものが実はとても脆弱であるということなのではないでしょうか。天然資源の枯渇、環境汚染、気候変動、自然災害、そして感染症…。人間社会の持続を脅かすものは、人間自身が引き起こしている(加速させている)ものも含めて様々であり、それらは互いに複雑に関係し合っています。そういった要素をひとつひとつ丁寧に確認し、正面から向き合っていくことがこの先の社会を持続可能なものにしていくとっかかりになると私は考えます。その中において、「火山」も地域の持続を脅かす要素のひとつとしてとらえれば、「火山地域だからこそできることは何なのか」という問いがそこに生まれます。
世界中を見渡してみると火山がある地域はかなり限られています。それゆえ、世界でも火山のことをよく知っているという人はそんなに多くないのではないでしょうか。そういった人たちに火山のいろんな側面や火山地域固有の文化を伝えていくことによって、地球という惑星に対する人間社会の理解がさらに深まります。また、世界中の火山地域(とくに火山災害で困っている地域)にとっても、霧島を含む南九州において人が火山とどのように向き合って生きてきたかは地域を持続させていく上できっと重要な情報になるはずです。
このように、単純な地域自慢にとどまるのではなくて、外の世界に対して自分たちがどのように役に立つことができるのか(全体の中でどのような立ち位置にあるのか)という発想に立つことによって、外の世界への扉が自然と開かれ、そしてそれを実践することこそが真に誇るべきことではないかと考えたのですが、いかがでしょうか。まあ、こんなことを大っぴらに宣言してしまったのですから、まずは大人がお手本を示していかないといけません。簡単なことではありませんが、とてもやりがいのある挑戦です。
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