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【二次小説・超重要】文章量あってるかな問題

今回は評価・閲覧数を伸ばす上でキモの話をします。
タイトルにある通り「文章の量」の話です。
おそらく、ここがお金を貰って書くプロと趣味の執筆との最大の違いだと思います。

私はこのnoteを普通に仕事として始めたので、正直今回は有料で……!というつもりでしたが、ここで勿体ぶって小説書きたい人を増やせなかったら意味がないと思ったので無料で出しちゃいます。
吉と出るか凶と出るかわからないですが、まあいいや。

比率を意識する

さて本題、今回言う文章量とは比率のことです。
簡単に言うと、小説全体を幾つかのブロックに分けた時、この部分が長くてこの部分が短いと良い。逆だと良くない。という話をします。

前回使った例文プロットを元に解説していきます。

少し険悪な関係のA君とBちゃんは、夏祭りに一緒に行くことになり、お互いを見直し、恋愛対象として意識し始める。

これを……

(①の理由で)少し険悪な関係のA君とBちゃんは、(②の理由で)夏祭りに一緒に行くことになり、(③の理由で)お互いを見直し、恋愛対象として意識し始める。

こうじゃ!

内容は変わっていません。何をしたかと言うと、肉付けポイントを明記ました。基本の作文講座みたいになってきましたね。
「プロットを小説にする=この番号の部分を書き加えていく」ですが、その加える分量の見極めについてやっていきます。

①について

二次創作のめちゃくちゃ強い所は、この例文の中の「①の理由」が既にほとんど用意されている所です。理由は公式にあるから作らなくていい。楽ー!強い!
※場合によっては少しは作ることもある。完全に捏造なネタをやりたいとか(この辺は二次創作をされている皆様の方が詳しいかもしれないので、これ以上説明しません。万が一、どういうこと?解説してよ!というご要望があればいつかやります)

ということで文章量・比率で言うと①は、とても少なくて良い・または書かなくて良いです。
例えば「○話の事件後、やや険悪になったAとBが夏祭り行く話です」と小説説明に書けば本文では触れなくていいし、本文に書く場合も一行程度で良いかもしれない。


②について

②というのは話(表テーマ)の発生地点です。
テーマ内容は何でも、お好みで心ときめく題材を選んでいただければ良いと思いますが、注意点もあります。

・長過ぎると読んでもらえない恐れがある
・無理があると共感できない/白ける(ギャグは場合による)

これらを意識して設定する必要があります。
しかし②は、大切だけど話のメインではない部分なので、ここも初心者さんほど数行でサラッとやった方がよいかと思います。
起承転結で言うと②まで=「起」で、文章全体の1割以下でも構わない部分です。話の総量によっては500文字とか1000文字とか費やしてはいけません。
(業務で1000~2000文字くらい書く場合もありますが、それは1~2万文字の話に対しての「起」というボリューム感です。またこの「起」の後にタコ足状に5つ6つに話が分岐するケースもありますので利用率も違います。ソシャゲをやる方は、イベント開始時に強制的に読まされるプロローグをイメージしていただけるとわかりやすいかも)

つまり、短く説明できない②のアイデアは却下が無難、となります。

①と②をまとめて実践してみます。
さっきの例文プロットでやるなら、②から始めて①にちょっと触れつつ③に行くのが楽かな?と思ったのでやってみました(配役は適当な男女ABです)

「えっ、明後日の夏祭りにBと二人で行けって……!?」

上司に言われた瞬間、リアルに胃痛がした。勘弁してくれよと。
俺(A)とBは、家族のことで結構な口論になった先週以来(←①の理由)、やや気まずい関係が続いている。

「カップル向けの体験型イベントあるって告知見た? 取材してきてほしいんだよね。一人で行っても感覚わからないでしょう、Bにも伝えておくから一緒に行ってきて」

上司の中では決定事項のようで、「じゃ、仕事戻ってね」と断る余地もなく
話が終わる。(←②の理由)

「気っまず……」

こちらも気が重いが、向こうも嫌だろう。だが、この零細事務所に代わりの人員などいない。それにしても明後日だなんて。
運が良いのか悪いのか、その後Bとは顔を合わせることもなく夏祭り当日になり――。(ここから③)

はい。
急に作ったので訳わからないかもしれませんが、こんな書き出し例文ができました。

文章量に注目してください。
これは①のシーンが公式にある前提ですが(この例文に公式も何もないが)一言程度で済ませています。
②も、かなりベタですが「仕事の都合・上司命令」という強制力のあるカードで手短にこなしました(軽い日常系二次では、ご都合主義・スピード優先が正解と思います)
一応主人公Aの心情+Bへの印象も軽く加えまして、やや唐突ですが③の頭に突入させておきました。

とにかく話のメインは③なので、なるべく早くそこまで進めた方が、試し読みに来てくれた人を逃しにくいです。


③について

③は話の根幹、一番おいしく濃い味がしてほしい箇所で、書き手も読み手もここが目的のはずです。
個人的には、③が全体の8割を占めるべきだと感じます。
一つの文章例を図にすると、こんな感じ↓

1:書き出し(①~②)
2:お話のメイン(③)
3:③
4:③
5:③
6:③
7:③
8:③
9:③
10:結果(③のあと)

こうなっていないと、多分読んでもらえないんじゃないかなと。

私は例えば、③が「4:」の辺りから始まっていたら、高確率で途中で引き返しています。というのもこれは基本的な事すぎるので、これを理解していない人の文章は面白くないだろうと予感するからです。
好きなキャラが出ていればどんな文章でも読む、という人は読んでくれるかもしれませんが、私はライト層なのでこうなってしまいます。

「8割を③で埋めるってどういうことだよ!内容足りないよ!」と思われた方は、③を「③-1、③-2、③-3」のように増殖させてみてください。
「A君とBちゃんが夏祭りに行く話」だったら

③-1:相手の浴衣姿にドキドキして変なことを口走る
③-2:恋人同士のフリをしなければならず妙に照れる
③-3:子供の頃のお祭りの思い出を話してお互い親近感を覚える

こんな風に、
「お互いを見直し、恋愛対象として意識し始める」
という結果に繋がりそうな出来事を考えてみると良いと思います。ベタな内容で全然いいと思います。二次創作なので、自分が見てみたいと思ったネタを使いましょう。あまり飛躍しない方が(=「夏祭り」のテーマからはみ出さない方が)読者さんを混乱させず失敗しにくいです。
逆に③のネタ量を増やさないのであれば、①~②の文章量を減らすべき、となります。

ちなみに、さっき作った「1:書き出し」は330文字くらいでしたので、このお話の「2~8:内容(③)」は書き出しの8倍=2600文字くらいが適当と仮定することができます。
厳密な数値ではないですが、例えば内容が1000文字だったら少ない、6000文字だったら少し詰め込みすぎかも?と考える目安にはなるかと思います。


まとめ(復習)

・導入(①~②)が長すぎないかチェックする
かなり思い切って削っても惜しまれないというか、逆に喜ばれる可能性が高いので削れるだけ削りましょう。惜しいと思うのは実は書いた本人だけ……というのがよくある箇所です。悲しいけど、大事なのは読者さんの手間を減らす事です。
無論、上質な導入の後に本題(③)が続くと没入感が違いますので、効果的な文章ならあった方がいいんですが、私個人が今まで見た範囲では、無駄に長過ぎる人が大半という印象です(言葉がきつくてすみません)

数字が出ない人、何か工夫したいけどどうしたらいいかわからない初心者です!という人は検討してみてください。

・本題(③)が8割を占めているかチェックする
さっき書いた通り、③が少なかったら①~②が長いということです。
③を水増しする場合も「キャラの感情があまり動かない内容」または「同じような動きが何度も繰り返される内容」を足しても退屈になるだけなので、書きたいことが特に無い場合は、③に合わせて①②を削る方が無難な気がします。

・オチはついているか
一応これも。
コツなどは今回やりませんが、最後の結論が無いと読み手に評価アクションをするエネルギーが残らないので「いいね」は付かないし、もう一度読みたくならないからブクマも付かないです。
お話がちゃんとオチてるかどうかチェックしてみましょう。個人的には、読んだ後に「で?」って思う話=オチてない話 と考えています。
これは作品を客観視できないとわからないので、結構難しいかもしれないです。私にも普通に難しいです。精神力が求められますが、ズバズバ言ってくれる友人・親族などがいると効率爆上がりです。

今回は理論ガチガチの「話を作る方法」を解説しましたが、この通りに書き始めるというよりは、まずは書いたものをこの記事と照らし合わせて各ブロックの分量チェックをするのが良いんじゃないかと思います。

・わかっていた人は自分を褒めてほしい
これらを既に理解していた方はぜひ「自分センスあるわ……」「知らないうちに勉強してたっぽいな」などの言葉を自分に掛けてモチベーションを上げましょう。
面倒くさいことを指摘して書き手さんが減っては辛いのでこういうことを書きました。何卒ご容赦ください。でも本当、既に出来ている事も振り返っていちいち褒めた方が良いです絶対。数字を追う旅に出る場合、視野が狭くなって数字以外で心満たされなくなる、とかありがちですが、心折れたら作品書けないので余計に結果出ません(普通の話)。褒めていこう。

では今回はここまで。また次回!



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