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「冬の始まり」

白く色づく
木の枝の先端の冷たさ
自分の手先に重ねつつ眺め

遅い夜明けのまだ暗い朝は
前の夜の続きみたい
同じようで違う暗さの中で
夜が明けゆく

日差しの暖かさで
霜が溶け
道路はキラキラと輝き
目を細めた後
ふうと吐く息は白く

火をともしたストーブの上
やかんの先からもれる蒸気越し
部屋の向こう側はゆらゆら揺れて
シューという音が
響きわたる

色や音
景色が教えてくれる
無事に迎えた年末の折に
安堵の思い
変わらない冬の始まり


すっかり寒くなりましたが体調など崩していないですか。
朝は冷え込んで手や足先の冷えが辛い時期ですよね。

庭の木の枝や枯れた草木の先端も霜で白くなると冬を感じますがこの天然オブジェのような景色がとても綺麗で冬の朝の密かな楽しみだったりします。

また我が家のストーブはカチャっと上げて着火するというひと手間かかるものなのですがその上にヤカンを置いてそこからシューという音が漏れて部屋に響いているのが毎年の冬の音です。

ああ今年も終わりなんだなと実感します。

昔は流行っている物にも興味があったのですがそういったことにはだんだん興味が薄れ、最近は毎年繰り返される季節の移り変わりにほっとするようになりました。

去年と同じように感じられることは当たり前じゃない。
今年も無事迎えられてよかったなあと心から思います。

冬が始まったと思う瞬間を切り取ってみた詩でした。

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