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「振り子時計」

振り子が一定に動く長細い形
日焼けした茶色い色に
ボーンボーンという音
時間の数だけ鳴る
繰り返し繰り返して
回り続け

ふと目が覚めた夜中も
音で時間を教えてくれた
思い出の音

変わらぬ佇まい
流れているけれど
あの時のまま
ふと戻りたくなり
その度
戻れないと気づく

時計の様に
狂いなく刻む
到底成せず

不器用にひとつひとつ
過去でも未来でもなく
目の前に全力を尽くす

ずっと続く気がしても
終わりは音もなく
やってくるから

古き良き振り子時計
祖父と祖母の面影を重ね
いつまでも慈しむ
たとえ止まったとしても


実家にある時計は昔ながらの振り子時計でした。

数年前に故障して両親は直そうかと考えたみたいですが結局処分することに。なんだか寂しく思ったものです。

離れて暮らす祖父と祖母の雰囲気になんとなく似ていると思っていて実家で目にするたびに自然と笑顔になれました。

その時計も新しくなり、最近祖父も入院。
寿命を間近で感じます。
時計を引き取って修理したらよかったと思うほど古いものっていいなと改めて思う私です。
職人さんの技術継承にも繋がるのかもしれません。それってとても大事なことだなと。

古い物の温かみのある雰囲気は特別なものです。そんな所が長年培われたといった意味あいで祖父母を連想させたのだと思います。

今さら後悔しても遅いのでせめて繰り返さないよう今あるものは大事にしていきたいです。

そして2人があの時計のように元気にいたことを絶対忘れないという気持ち。

日々忙しいですがそんな事を胸に過ごしていけたらと思います。

祖父母と時計の詩でした。






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