等持院の紅葉を観に行った話
今年も夏が暑くて紅葉は遅めだったが、今日は丁度いい頃合いに来たようだ。
色づきが日当たりによって変わる、その様もまた美しい。一際真っ赤に色づいた紅葉を、ちらついては止む雨と共に空に透かす。赤、深めの赤、空の白、水色、灰色、そして黄金色。色が飛び込んでくる。
水面に目をやる。濁りがかった緑色に赤、松の緑、木々の灰色、また赤…もいいけど色づきかけの橙色も好きだ。小さな橋を渡って小島へ。
橋の脇の紅葉を見てふと思う、「私はこのもみじの葉の一つ一つをどのくらい見れているだろうか」と。葉の先っぽまで生を表現している様子を受け止めきれているのかと。一つ眺める。もう一つ眺める。橋の先の高めの位置の紅葉を空と共に眺める。「あれは私の葉かもしれない」と1人思う。
いつぞやの誰かと見た紅葉、去年見た紅葉、がこの場所に重なっていく。来年見る等持院の紅葉もまたここに重なるのだろう。