見出し画像

資格のお話~産業カウンセラー資格

産業カウンセラーは、一般社団法日本カウンセラー協会が認定する民間資格です。2001年までは労働省が認定する公的資格でしたが、その後民間資格となったとのことです。公的資格だったということは私は恥ずかしながら知りませんでした。

産業カウンセラーは、心理学的手法を用いて働く人たちが抱える問題を自らの力で解決できるよう援助する心理職資格である。「メンタルヘルス対策への援助」「人間関係開発への援助」「キャリア開発への援助」の3つを活動領域とする。日本では、心理職の国家資格である公認心理師のみならず、民間の心理学関連資格は多数存在するが、その中で産業カウンセラー資格は知名度の高いものの一つである。

Wikipediaより

「産業カウンセラー養成講座」を受講すれば受験資格が得られます。

養成講座以外の受験資格はこちらになります。

日本産業カウンセラー協会の養成講座は通学コースと通信コースがあります。私は通信コースでしたが指定日数のスクーリングが必要でした。調べてみたら現在はコロナのためかzoom授業のみのコースもあるようです。

スクーリングでは徹底的にカウンセリングロールプレイの繰り返しでした。
ひたすらロールプレイ。
私はもともと看護師なので、受講するまでは問診のように相談者の方から情報を引きだそうと質問攻めにしていたのですが、このロールプレイで『傾聴』、そして3原則を徹底的に身につけることができたと思います。
お話を傾聴することで、相談者の方が深く話をしてくださるということを学ぶことができました。

産業カウンセラーはカール・ロジャーズの3原則に基づいたカウンセリングを行います。

カール・ロジャーズ(1902年1月8日 - 1987年2月4日)は、アメリカ合衆国の臨床心理学者。来談者中心療法(Client-Centered Therapy)を創始した。

Wikipediaより

カール・ロジャーズの3原則
1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。
2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)=受容的態度
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。
3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。

こころの耳より

来談者中心療法とは、共感的理解・受容的態度・自己一致の3原則に基づいたカウンセリングで、人間が持っている潜在能力や自己成長能力としての実現傾向を発揮できるように援助する、という心理療法になります。


試験は学科試験、実技試験からなります。
実技試験は養成講座で認定されると免除となります。

学科試験
学科試験毎年1月に全国各地の試験会場で実施される。内容は、カウンセリングに関する基礎的な学識を問う五者択一によるマークシート方式が40題程度、カウンセリングの基本的な事例への対応能力、及び傾聴の技法の対話分析能力を問う5者択一によるマークシート方式が20題程度出題される。前者の出題範囲は「産業カウンセリング概論」「カウンセリングの原理及び技法」「パーソナリティ理論」「職場のメンタルヘルス」からなり、カウンセリングや心理学、及びその関連分野に関する広範かつ総合的な知識が求められる。後者は、逐語記録からカウンセラー及びクライエントの状態を正確に把握し、傾聴の基本である受容・共感の態度をもって適切な対応が行えるかという、カウンセリングの現場に即した実践的な知識・技能の理解が求められる。※今は年2回のようです。

Wikipediaより抜粋

実技試験
実技試験学科試験実施後の毎年1月下旬~2月上旬に全国各地の試験会場で実施される。内容は受験者相互によるロールプレイ(ミニカウンセリング)及び口述試験からなり、時間は20分程度である。※こちらも今は年2回のようです。

Wikipediaより抜粋

私と同じ講座の人たちは全員が仕事をしながら資格取得を目指していました。
60%と合格率は高いですが(私の時はもっと高かったです)、内容は本当に濃い試験でした。

資格に合格しても、産業カウンセラー協会に入会、登録しないと「産業カウンセラー」と名乗ることができません。そして5年更新ありです。

産業カウンセラー資格は『カウンセリングスキルを学んだ証明』という意味合いが強い資格かと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?