見出し画像

日本文化をまとって、お出かけした話

こんばんは。昨夜のオリンピックゴルフ、松山選手の銅メダルの活躍観てました?

我が家には週末を全てゴルフに捧げる少年がいるので、もちろん一緒に観戦させていただきました。本当におめでとうございました。

が、最近23時前には力尽きてしまうので、最終の数ホールはベッドの中で音声だけ楽しみました。でもなぜか寝付けず、結局普段ほどよく眠れないまま朝を迎えた1日でした。

終日あくびが止まらんかった。

***

さて、わたしは着物の着付けを習って、はや4ヶ月ほどになるんですが、

\今日、自分で着付けた夏着物で初めてお出かけしてきました/

浴衣はすでに2回着た。でもやっぱ着物と浴衣では準備する工程が全然違うんです。着てる布の数も着物の方が多い。

仕事も個人PJも溜まり散らかしてるこんなタイミングですが、着物教室の生徒さん仲間がなんとプロのオペラ歌手!主役を務める舞台があるとか!どんな貴重な機会やねん!

そんなん時間を見つけて、観にいくしかないですよね。

というわけで、前回の着物教室で先生にも「XXさんの舞台、着物で行ってきます!」と宣言し、着々と準備を進めてまいりました。

今回は、過去noteに書いた親戚のおばちゃんのものと思われる素敵な薄い水色の絽のお着物をチョイス。

ちなみに着付けを習い始めて知ったのだけど、着物にはちゃんとどの時期にどんな素材を着るか、が決まっているんです。すごい〜〜〜

絽、紗とは夏の着物や僧侶の衣として用いられている織物の種類の名前です。

絽(ろ)、紗(しゃ)と読みます。紗は「さ」ではありません。

着物では、薄物、夏物などともいい、主に7月8月の盛夏を中心に、6月から9月ごろまで着るものとされています。

「絽とは?紗とは?」より

夏は見ている相手にも涼しいように、なるべく透けている素材のものを着るんだとか。

真夏は透け透けが基本です。
7月・8月は、軽やかに涼しく。白っぽい方がより涼感を感じさせます。

意外に大切なのが、他人の感じ方なのです。
回りの方に涼しそう!と思わせることがキモです。

着物の師匠のお言葉

・・・奥深すぎます、着物の世界。
でも、自分らしく着れることを目指しつつも、こういう日本の伝統文化は大切にしてまいりたいものです。

とまあ、前置きは置いておいて。

今日の簡単な流れを思い出として記しておこう。

着物は早め早め、の行動あるのみ。

まだまだ自分で着付けをするのに慣れないわたしは、下記のような着物を着てからは動きにくいと想定されるものをすべて着付け前に済ませます。

・持っていくアイテムをカバンに入れてセット
・先に化粧を済ませる
・着物の着付けに必要なアイテムをソファに並べる
・トイレに行く
・今日履く草履を玄関に出す

昨日の夜、夏物の袋帯(芯が入っていない柔らかい涼しげなもの)を結ぶ練習はしたのだけど、不安が尽きない。

なんせ今日は、まあまあ遠い会場の最寄り駅で予約していたお花を受け取って会場に行き、13時のオペラ開演までに涼やかな顔で着席するというミッションがあるのだ。

とは言いながらも、余裕を持って家を出る1時間前から着付けを始めたのに、やっぱり昨日は上手くいったはずのお太鼓結びがなんだかしっくりこない。。。一度だけやり直してちょっとマシになったけど、納得いくまで結び直している時間は全然ない。帯締め、帯揚げも整えなくてはならない。

とりあえず往復2時間を加味した合計4−5時間の外出に耐えられるだけの強度であることを確認し、慌てて家を飛び出した(着物着てるのに、やっぱ所作はいきなり美しくできない、反省)

そしたらバッタリお隣さんと家の前でお会いした。

「あら素敵!とても上手に着付けできていますね」

「本当ですか〜〜初めての外出でドキドキなんです」

「夏物、涼やかで良いですね。昔、ホテルで着付けの仕事をしていたのですごく懐かしいです」

(ひえっと思いつつ)「そうなんですね!かっこいい・・・!」

お隣さんとのささやかな会話

外出後3秒で褒めてもらえるとは。そして、着物を着ていなかったら普段通り会釈をするだけだったはずなのに、優しい隣人さんと会話が生まれた!すでに着物で外出してよかった。

そのあとは電車を2回乗り継ぎ、1時間かけて会場のある駅へ。
(初めての着物お出かけデビューなのに、この気温でハードな行程すぎる)

普段は電車で席が空いてたら爆速で座っちゃうんですが、今日は着崩れが怖くて座れず。ただ、意外と草履を履いていると電車の中で立っているのがなぜかしんどくなかった。なんでだろう。誰か教えて。

会場の最寄り駅まで乗り換えを間違えることなく、無事に降り立ち、予約していた花束を受け取る。「ロミオとジュリエットの、ジュリエット役の方向けに贈りたいんです」と個性的なオーダーをしたのに、すごく素敵に仕上げてくださってありがとうございました。

そしてなんとか無事にお席へ・・・!右手側の上手(かみて)が良いと教えていただいていたので、かなり前の方の席に座れて安堵・・・

涼やかな顔、ではなく直前までカツカツと歩いてきたので汗が吹き出していたが、お着物をまとったLADYなので、どこ吹く風といった表情で、さりげなくハンカチで汗を拭い開演を待つ。(実際は着物の中を汗が流れていた)

待ちに待った開演!もう素晴らしすぎて大感動のオペラでした。

着付け教室の時は、すごく穏やかで優しい方なのに、舞台の上ではめちゃくちゃ力強い歌唱力で完璧に主役を演じていらっしゃいました・・・!圧巻。

こんなすごい方と知り合えただけでも、着付け習っててほんとよかったのかもしれない。

大興奮のまま終演を迎え、さっきまで美しい歌声を響かせていた主役が、表に出てきてくれたので、感動した気持ちをお伝えできた。


記念撮影!ほんと麗しいお姿だった・・・

とても素晴らしい経験だった。
誘ってくださり、本当にありがとうございました!

***

着付けを習い始めた理由は、「なんとなくカッコ良いし、友人が何名も着ていて憧れたから」という実にシンプルなものだったけど、今日はじめて自分の着付けで外出してみて思った。

着物って、やっぱり素敵な日本文化だ・・・!

色も柄も素材も、まだまだ知らないことの方が多いけれど、着物を着る楽しみだけじゃなくて、一つ一つの模様に込められた願いとか意味とか、そういう文化を味わうには最高の趣味である。

街を歩く人の99%が洋服をまとう現在、着物を着ているだけで周囲の視線をすごく感じた。

「歩道はランウェイよ」

頑張って自分で着付けをして出かけたわたしに、LINEで先生がお褒めの言葉と共にこんな言葉を贈ってくれた。

1枚の反物から仕上げられ、その直線的なフォルムが印象的な日本の着物。着ているだけで本当に背筋が伸びる。ふにゃふにゃの猫背は着物に相応しくない。

「この着物をカッコよく美しく上品に着こなしたい、ではどうすれば?」

着物はまだまだわたしにとって非日常のコンテンツである。古着の洋服だって好きだし、さすがに明日から毎日お着物を着れそうにはない。

でもいいのだ。こうやって今は「非日常」を楽しみつつ、「日常」からできる所作や振る舞い、知識などを少しずつ身につけて、ちょっとずつ自分らしく着こなせるように変身していくんだ。

次のお出かけはまだ決まっていないけど、早くも楽しみ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?