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【「さ?」と「か?」の使い分け!〜疑問形3選〜】 宮古島の方言その4

 皆さんこんにちは!前回は【接尾辞3選】をご紹介しましたが、Facebookのコメント欄で「〜わけさ。」と早速使ってくださった方がいらっしゃって、とても嬉しくなりました😭皆様のコメントやシェアにより宮古方言が少しずつでも広がっているのを感じ、やる気とモチベーションに繋がっております!本当にありがとうございます✨
 さて、前回に引き続き今回も【接尾辞3選】をご紹介します!ただ、今回の接尾辞は「疑問の意を示す接尾辞」についてご紹介しますので、実用性の高い内容になっているのではないかと思います!
 ※接尾辞が何か知りたい方は前回の記事で軽く説明しておりますので、「0. 接尾辞(せつびじ)とは」をご覧ください。

1. 〜さ?=〜なの?/〜の?

 宮古方言の疑問形といえばこれ!と言っても過言ではないほど、相手に何かを聞きたい時によく使われる表現です。標準語でいうところの「〜なの?」「〜?」に当てはまります。この部分を「さ?」に変えればいいだけなので、さほど難しくはありません!それではさっそく例文を見ていきましょう。

使用例①
標準語   :昨日パーントゥ行った
宮古方言:昨日パーントゥ行った
 ※パーントゥ=宮古島で毎年行われている厄払いの伝統行事で、重要無形文化財にも指定されています

使用例②
標準語 :明日仕事休みなの
宮古方言:明日仕事休み

 以上のように、「〜なの?「〜の?」の部分をそのまま「〜さ?」に変えるだけで疑問形の完成です!コメントなどで質問をする際にぜひ使ってみてください✨

 ※ただし、沖縄本島で「〜さ?」と言う表現は、少々異なる意味を持っています。微妙なニュアンスの違いで混乱を招きかねないので、これについてはいずれ記事にしようと思います!

2. 〜か?=5W1Hの疑問詞

 まさか宮古方言講座で5W1Hが登場するとは思いもしなかったことでしょう。私自信、これまで「〜さ?」と「〜か?」の使い分けについて考えたことなど当然なく、どうやって言語化しよう…と頭を悩ませたところ、この法則に気がつきました!!
 そもそも5W1Hとは何か忘れている方もいらっしゃると思いますので、その解説をしていきます!英語文法で出てくる用語で、「5個のWと1個のH」の事を指します。

●5個のW
when(いつ), who(誰が), where(どこで), what(何を), why(なぜ)
●1個のH
how(どのように←宮古方言でいうと「どんなに」)

 この5W1Hの事を「疑問詞(ぎもんし)」と呼びますが、宮古方言では疑問詞を用いて質問をする際に語尾に「〜か?」がつきます。標準語と宮古方言を見比べてみましょう。

※標準語→宮古方言
いつ食べた?→いつ食べた
誰が食べた?→誰が食べた
どこで食べた?→どこで食べた
何を食べた?→食べた
なんで食べた?→なんで食べた
どのように食べた?→どんなに食べた

 いかがでしょうか?これまで使い分けに苦しんでいた方も、少しは挑戦しやすくなったのではないでしょうか?✨このような事を教わらなくても自然と法則通りに使い分けが出来るようになるってすごいですよね。改めて人間の言語習得能力の凄さを実感しました!

豆知識①:語尾を伸ばすと優しい表現
「〜か?」は言い方によっては相手を責めているようにも聞こえる場合もあるので、「責めてないよ、ただ聞いてるだけだよ」というニュアンスを含みたい場合は「かー?」と語尾を伸ばすと良いです。(特にLINEなど文面の場合)

豆知識②:宮古方言では目的語の「を」は省略
⑷ の例文「何を食べたの?→何食べたか?」について
標準語では「何を」と言っているものの、宮古方言では「を」を省いて「何食べたか?」と表記しました。宮古方言では目的語の「を」を省略する方がより自然なのです。

3. 〜とな?=って事?

 最後にご紹介するのはこちら!「〜とな?」は相手が言った事に対して聞き返したり確認をする表現です。標準語でいう「〜って事?」にあたります。例文を見てみましょう。

使用例①
標準語 :宿題終わったって事
宮古方言:宿題終わったとな
 ※実際に発音する際は「宿題終わった〜とな?」のように、動詞部分を伸ばして発音するとネイティブらしさが出ます

使用例②
標準語 :これやらなくて良いって事
宮古方言:これやらなくていいとな

4. まとめ

●「〜なの?」「〜の?」=「〜さ?」
 標準語 :昨日雨だった
 宮古方言:昨日雨だった

●5W1Hなどの疑問詞を含む場合=「〜か?」
 標準語 :誰と行った
 宮古方言:誰と行ったかー

●相手の言った事を確認する場合=「〜とな?」
 標準語 :明日行かないって事?
 宮古方言:明日行かない〜とな

5. さいごに

 【接尾辞3選〜疑問形〜】いかがでしょうか?私自身、これまでなんとなく話していた方言の法則を発見する機会となり、非常に有意義な時間でした!英語が苦手な宮古島の生徒にはぜひこの法則を利用して英語の疑問詞を克服して頂きたいです(笑)
 さて次回は、方言講座は一旦お休みし、宮古島の文化についての記事を執筆予定です!4回に渡り方言に関するインプットの量が多かったことと思いますので、ぜひノートにまとめたり声に出して読んでみたりと、アウトプットをしてみてください!それではまた明日〜🌼


おことわり
本記事は筆者が実際に話している方言や見聞きした体験に基づいて作成しております。専門家や博識者による監修等は行われておりませんので、学術論文の執筆や学術研究を目的とする本記事の引用、参照等は推奨出来かねます。予めご了承ください。

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