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《ひと》 みやっこベースOG 菊池 眞悠子

こんにちは!みやっこベース広報チームの八島です。

みやっこベースに携わる方々をご紹介する連載企画《ひと》。
第15回となる今回ご紹介するのは、みやっこベースOG 菊池 眞悠子さんです。この4月から宮古にUターン就職したとのことで、インタビューを実施しました!

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プロフィール
2000年生まれ、宮古市出身。高校1年生の冬にみやっこベースに出会い、世代間交流をテーマに活動。日本最大級の探究学習の発表の場「全国マイプロジェクトアワード」では優秀賞を受賞。高校卒業後は岩手県立大学に進学し、NPO法人いわてGINGA-NETの学生理事を務めるなど、精力的にボランティア等の活動を行う。2022年4月には宮古市にUターン就職し、宮古市社会福祉協議会に所属する。

みやっこベースとの出会い

ーー高校時代から精力的に活動していたイメージがありますが、みやっこベースの活動に参加したきっかけを教えてください。

私がみやっこベースに出会ったのは、高校1年生の冬でした。みやっこベース理事長の早川さん、高校の先輩の吉浜さんが授業に来て、高校生団体SYMの立ち上げについて話をしてくれました。

それを聞いた私は、率直に「やりたいことはこれだ!」と思ったんです。というのも、これまで漠然と「何かやりたい」という気持ちがあったものの、具体的に何をやりたいのか言語化したことがなくて。ボランティアではない、自発的な活動に魅力を感じ、吉浜さんにDM(ダイレクトメッセージ)を送ったんです。そこから、一人でみやっこベースに行ったのですが、最初はどぎまぎしていましたね。当時1年生だった私にとっては先輩ばかりで、「本当にここにいていいんだろうか」と緊張していました。

ーー一人で飛び込んでいくなんて、素晴らしい勇気ですね!どんな活動が印象に残っていますか?

初めて参加した活動は、県内沿岸の高校生が集まる交流会。大槌町に泊まりがけで行きました。交流会では、大槌町で地域活動をする高校生のお話を聞いたのですが、中でも高齢者向けのお茶っこサロンを主催する高校生の話を聞き、興味を持ちました。

私自身、おじいちゃんおばあちゃんと話すのが好きだったこともあり、「私にもできるんじゃないか。やってみたい!」と思いました。そして、高校の先輩と一緒に宮古市内の災害公営住宅で高齢者向けお茶っこサロン「あべ笑っとがん」の活動をはじめました。

当然、高校生の私たちだけでは活動できないので、宮古市社会福祉協議会の職員さんにもサポートいただきました。住民の方の話を笑顔で聞いて、信頼関係を築いてその人の暮らしが良くなるように支援に繋げる。こういった仕事は楽しそうだなと思いました。それまでは幼稚園の先生になりたかった私でしたが、お茶っこサロンの活動を通して社会福祉の道に進みたいと思うようになりました。

あべ笑っとがん
「あべ笑っとがん」での活動の様子

ーーなるほど、活動を通して進みたい道が決まったわけですね!大会の受賞歴もあると聞きましたが。

そうなんです。高校2年生の時、先輩と二人で日本最大級の探究学習の発表の場「全国マイプロジェクトアワード」に出場しました。ありがたいことに、地域予選を勝ち抜き、全国大会に出場することができました。

大会では「世代間交流」をテーマに、「あべ笑っとがん」の活動について発表しました。活動を通じて感じた高齢者の居場所づくりの必要性やお茶っこサロンの活動について発表したところ、なんと「優秀賞」をいただきました。全国の高校生が、積極的に活動している話を聞くと、自分もより一層頑張りたいと思うようになりました。その時は最優秀賞を取れず、悔しくて泣いてしまいましたが、良い経験になりました。

充実の大学時代

ーー福祉が学べる大学に進学していましたよね。どんなことに力を入れていましたか?

「あべ笑っとがん」の活動をサポートしてくださった社会福祉協議会の職員さんに推薦状を書いていただき、AO入試で岩手県立大学の社会福祉学部に入学しました。

大学4年間でもっとも力を入れて活動していたのは、「NPO法人いわてGINGA-NET」の活動。この団体は、震災を契機に発足しました。被災地域の現地支援から始まり、県内外の学生と地域を繋ぐ活動をしています。

例えば、ボランティアしたい学生と被災地の漁師さんをマッチングさせ、漁業の手伝いを行うなどの活動をしていました。震災から時が経つにつれ、外からの支援が徐々に不要になりましたが、今度は震災当時のお話を聞かせてもらったり、農業や漁業等の体験をさせてもらったりと、継続して地域と繋がり活動してきました。

最初は面白そうだと思って参加者として参加していたのですが、いつの間にか運営側になっていました。震災10年目である昨年、団体は解散しましたが、最終的には学生の立場で理事も経験しました。

そのほかにも、福祉サークルでお茶っこサロン「あべ笑っとがん」を実施したり、減災・災害支援・地域貢献活動を目的とした学生団体「風土熱人R」で大雨や台風などの被災地への支援に行ったりしました。また、実践型インターンシップで釜石市のカフェで来客数を増やす取り組みをしたり、全国の学生が集まる大会「県立大の公立大学協会(LINKtopos)」でも代表を務めたりしました。

今振り返ってみると、長期休みもこういった活動の予定を入れていたので日々忙しく、休みがなかったですね。もっと大学生らしい遊びも満喫すればよかったなと思うこともあります(笑)

岩手県社会福祉大会で「風土熱人R」の活動が表彰された様子

ーーす、すごい!かなり充実した大学生活ですね。活動の中で、どんな学びがありましたか?

高校時代は大人のサポートを受けて活動していましたが、大学生になってからは全部自分たちの力で活動を行いました。例えばイベントがあったとして、運営する側になって初めて分かったことは、「たった一つのイベントを開催するために、こんなに労力がかかるのか」ということ。チラシ作成や書類作成など、最初は訳も分からずやっていたので、怒られて落ち込むこともありました。イベント参加者として参加しているだけの時は楽しいのですが、運営側の苦労を知ってからは、一つ一つのイベントの運営者をリスペクトするようになりましたね。

また、印象的だった活動もあります。2018年に起きた西日本豪雨や2019年の台風19号でボランティアとして現地に向かいました。泥かきから災害ボランティアセンターの運営まで様々なことを経験しましたが、支援する側として出来ることへの限界を感じ、歯痒さを感じました。一方で、ありがとうと喜んでもらえることが嬉しく、できる限り現地に通ったり、募金を募ったりとできることをやろうという気持ちにつながりました。

被災地でのボランティアに励む様子

地元へUターン就職

ーーたくさんの学びや経験があった大学生活でしたね。この春大学を卒業して宮古にUターンしましたが、やはり地元への想いがあったんですか?

そうですね。一度よその地域に出て就職した方がいいのかなと迷ったこともありますが、やっぱり「Uターンしたい」という想いが勝りました。

大学で地元を離れましたが、宮古ではゲストハウスができたり、みやっこベースで活動した同世代の仲間たちがいたりと、楽しそうだなと思っていました。コロナ禍でもあったので、もし緊急事態宣言などが出たらすぐには帰れないだろうし、だったら宮古に居たいなと思ったんです。

「地域福祉」の分野で働きたいと思い、宮古市社会福祉協議会を受けました。ありがたいことに採用いただき、今は大学の勉強を生かして地域福祉の推進のため活動しています。

ーー最後に、今後の展望を聞かせてください!

今は仕事を覚えることが優先なのであまり余裕はないのですが、高校時代のように宮古でみんなで何かをやりたいなという欲があります。特に、当時みやっこベースが私たちに居場所をつくってくれていたように、私も子どもたちの居場所づくりができたらいいなと思います。仕事としてできることももちろんありますが、個人だからこそできることもあるんじゃないかなと思っています。仕事に慣れてきたら、ぜひ挑戦してみたいです。

みやっこハウスでインタビューを行いました。いい笑顔!

おわりに

高校時代にみやっこベースで活動し、地域福祉に関心を持ってUターン就職した菊池さん。社会福祉協議会職員ということで、コロナに感染しないよう気の抜けない生活を送っているとのことでした。

今は自由に動くことは難しいかもしれませんが、いずれ社会人になったOBOGたちでまた何かできるといいですね!宮古の若者たちが地域で活躍できるよう、みやっこベースでもサポートしていきたいと思います!