王様戦隊キングオージャー

先日最終回を迎えた2023年度の戦隊ヒーロー、王様戦隊キングオージャーについての感想を書く。
ネタバレも含むかも。

ひょんなことから20年ぐらいぶりに見ることになった戦隊ヒーロー。
CGが多用されていて映像の迫力が強く今どきはこんなんになってんだな〜とおじさんの気持ちで見始めたが、見るにつれてストーリーとか設定のすごさに驚くばかりだった。

特にすごいと感じたのはいわゆる「アカレンジャー」のような変身した姿に対する名称が強調されていないこと。
あくまで変身前の生身の人間がベースになっているので「クワガタオージャー」の名こそあれ変身時の名乗りは「ギラ・ハスティー」と言っているなど。
だから何って言ったらそれまでだが、なんていうのか、私がデジモンとかポケモンとかに感じていた「アグモン」として仲良くしてきたパートナーが進化しただけで急に「グレイモン」に呼称が変わるの主観で見たらめっちゃ変じゃね?みたいな違和感に対応されているような気がして、要はリアルだったのだ。
そういう部分も含めて、あくまで話のベースは人間が暮らす「国」であり、それを解決していくのが(シュゴッドの力を借りた)「人間」であることを徹底している感があって良かった。
でもこんなん小さい子どもからしたらリアルすぎて夢がなくてわけわからんだろと思うが…。これは時代なのかそれとももとより大人向けに作られている作品だからなのか。

もうひとつすごいと感じたのは物語全体を通して合体ロボットの登場頻度が少なく基本的に人間の大きさで戦いが完結していたこと。
これも前述の「国」や「人間」主体の構成につながる話になるが、戦隊ヒーローといえば最終的に敵がデカくなって合体ロボットでとどめを刺す流れがお決まりだと思っていたので、こんなにロボット出てこなくて大丈夫?と思うぐらい出てこなかった印象があった。ロボットおもちゃの売上確保できるのだろうか。その代わりに変身グッズのオージャカリバーが売れるのか。
とはいえさすがに最後の最後はロボットで戦う感じで、それはそれで「宇宙王」を名乗るラスボスの最終手段が「巨大化」なのかよと笑ってしまった。やはりデカさこそ強さなのだな。

あとは普通に2章制+サイドストーリーの映画みたいな構成になっていて、1章で敵だった部隊が仲間になって2章で本当の諸悪の根源と対峙していくようになるとか、ラクレスの伏線回収とか、最終回付近までくると映画まで見てないとちゃんとはわからないだろう設定が説明なしにあるものとして出てくるとか、ラクレスの側近が普通に死ぬ(もとから死んでいた)とか、全然やばい設定が平気であったのもすごかった。30分×50話じゃ足りんぐらいのボリュームの強行。キョウリュウジャーとコラボしてる時間あったらそのへんの説明にもっと時間かけろよ。

以上、総合して非常に良かったです。

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