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【警察顔負け!】張り込み&カーチェイス!消費者金融時代の債権回収その3

こんにちは、みやもと けんいちです。

消費者金融時代の債権回収の3回目。
なかなか一筋縄ではいかない債務者から債権を回収するのは至難の業でした。


訪問時の注意点

債務者宅に訪問する場合、上の画像のように、横に並んで2人が並んで債権回収をするのは、債務者に「威圧感」を与えるので、よろしくないとか。
これも、前回、回収者が刺されたことを「はなむけの言葉」として贈ってくれた先輩社員の忠告でした。もっとも、2人で回収に行くことはありませんでしたが。

電気のメーター

債務者が自宅にいるかどうかを確認するために、電気のメーターをチェックしていました。元気よく、「円盤」が回っていれば、自宅にいる証拠。45回転ぐらいレコード盤が回っているイメージ。しかし呼鈴をならすと、途端に4.5回転に。これでは、いくら呼んでも出てきません。

「また来やがったか」とでも思っているのでしょうか・・・
2回目以降の訪問からは、こちらも手法を変えます。「張り込み」です。

車中のあんパン

「張り込み」は、画像のように債務者宅が確認できるところで車を止め、出入りがないかを監視します。時には2、3時間いることもありました。

張り込みの刑事よろしく、あんパン食べながらってことも。特に長期延滞している債務者の債権回収にこの手法を使っていました。

長期延滞は、主に3ヶ月以上延滞している債務者で、1年経過すれば、償却債権にしなければなりません。これを阻止するため、本来は中期延滞の債務者宅を訪問しているのですが、本部から依頼されることもありました。償却債権間際の債務者宅を訪問していました。

前述のように、電気のメーターが勢いよく回っていることを確認すると、車内から動向を。

2時間後、債務者が家から出てきました。
「○○さんですね、▲▲カードです。」
向こうは一応驚くも「何でしょうか?」とたわけたことを。
「集金にあがりました」どこまでも低姿勢。
「少しでも入金できないでしょうか?」
こちらも償却債権阻止なので、少額でも入金できればOKなので、気が楽。
「これだけでいい」と1,000円を差し出す。
「大丈夫ですよ」と。
本当は全額回収といきたいところですが、あったら払ってるでしょうし。

取り立てでけへん時間帯がわかったらええんや

貸金業法を裏読みする債務者

以前にも、貸金業法を逆手に取って文句を言ってきた債務者を記しましたが、ここでも、そんな債務者の話を。
今回は、「訪問先」でなく、「時間帯」についてです。

貸金業法では、取り立てができる時間帯を定めています。

(取立て行為の規制)
第二十一条第一項
正当な理由がないのに、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯として内閣府令で定める時間帯に、債務者等に電話をかけ、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の居宅を訪問すること。

出典:貸金業法

「どこに具体的な時間帯がかかれているの?」
「社会通念に照らし不適当と認められる時間帯って何時なの?」

貸金業法施行規則には、内閣府令で定める具体的な時間帯が示されています。

(取立て行為の規制)
第十九条 法第二十一条第一項第一号(法第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項、第二十四条の五第二項及び第二十四条の六において準用する場合を含む。)に規定する内閣府令で定める時間帯は、午後九時から午前八時までの間とする。

出典:貸金業法施行規則

つまり、午後9時から午前8時までの間は、貸金業者は債務者宅を訪問して取り立て行為を行ってはいけないこととなっています。言い換えると、貸金業者が取り立てができる時間帯は、午前8時から午後9時の間といえます。

そのため、取り立てにあわないためには、債務者は午後9時以降に帰宅し、午前8時までに家を出ればいいのです。

電話には出ない、督促状を出しても連絡はない、午後九時以降に帰宅し、午前八時まで家を出れば取り立てにも遭わない、と債務者にやりたい放題やられるわけにはいきません。
ここで、私が実行した策は「カーチェイス」でした。

カーチェイス、しかし・・・

逃げ得を許さない私がとった行動が「カーチェイス」、車での「ストーカー行為」でした。
取り立てに遭わないために、債務者は午前8時前には家を出るので、こちらはそれまでに張り込んでおく必要があります。
午前7時前、自宅を出た債務者のあとを追っかけていきます。

追っかける目的、それは、直接取り立てではありません。
勤務先の特定です。

直接取り立ては貸金業法に抵触するのでできません。
(以前やってましたがW)
勤務先が特定できれば、給与の差押えが可能です。

ゆっくり走りだす債務者が運転する車の後を、わからないように進みます。
30分すると、後ろからついてきていることを察した債務者は、急にスピードをあげ、振り切ろうとします。ちょうど信号が赤になってしまったのでまかれてしまうことに。
見失ってしまいました。あ~、残念(T-T)

やっぱり、正直に!

3回に分けて、消費者金融時代の債権回収について書かせていただきました。

カードローン契約当初は、延滞しないで、きちんと払おう、と債務者も思っていたはず。(中には自己破産手続資金にして、はなから返済する気のない者もいるそうですが)

諸事情により、払えないこともあるでしょう。そんな時こそ、連絡してほしいです。放置しても、先には進みませんし。
明るい将来に向けて、まずは正直にご連絡をお願いします。



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