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#54 市全体の再編計画と既存施設の修繕

学校給食調理場を再編する際に、一番悩ましいのは、今使っている古くなった調理場を管理や修繕なんですよね。調理場というのは多くの厨房機器を抱える、ある意味「工場」なので、建物や空調設備の他に多く抱える厨房機器のメンテナンスをちゃんとしないと給食が止まってしまうので、古い調理場では普段の点検や修繕が大切になります。


再編計画とはどんなもの?

①全体の集約していくイメージを作成する

集約化に向けては、市全体の60以上ある調理場を具体的にどうまとめていくのか、まずは叩き台となるイメージを作成しました。各学校での食数、各調理場の劣化状況、配送を考えるための立地場所、などなど学校栄養士、建築技師、設備技師がチームとなって現場を確認しながら、このイメージの精度を上げていくという作業を行います。一つの共同調理場を設置するにも、4〜5年はかかるので、目標を10年で3カ所設置すると設定して、机上シミュレーションを繰り返します。これをやっている間にも、給湯器が壊れた、調理場天井から雨漏りが発生した、水道管が破裂した、などなど日々現場では事件が起きます。劣化が進んだ施設が多いのは、それも織り込み済みなのですが、そういった故障が発生した際も、チームはこの集約イメージに沿って、あと10年もたせるのか、あと数年もたせるのか、で修繕の手法を変えていきます。そして、場合によっては集約する順番も変え、このイメージにも修正を加えていくということを、日々行なっていきます。

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