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これからの公共施設経営2024を実施して

NPO自治経営FMアライアンスでは、1月9日から毎週火曜日19時から「6週連続オンライン講座 どうする?これからの公共施設経営2024」という講座を実施しました。

全国の自治体で取り組まれている公共施設マネジメント

公共施設群の老朽化と施設を更新する財源不足をきっかけに、全国の自治体が「公共施設等総合管理計画」の作成に取り組み、ほぼ全ての自治体で作成完了(R5)しておりますが、机上の計画保全と維持保全費用の平準化で留まっていて、実際の公共施設の更新やメンテナンスに結びついた「公共施設等総合管理個別計画」を作成するものの、その計画の実践については、苦慮されている自治体がほとんどというのが現状です。

こういった状況を改善するために、自治体財政にも公共施設マネジメントにも経営の視点を持つことが求められていること、また、2050カーボンニュートラル実現に向けた、脱炭素化の動きも急加速しており、今後の健全な自治体運営においては公共施設経営における「施設保全×FM×PPP×断熱」といった様々な手法の掛け合わせることが重要な財政戦略となると我々は考えています。

オンライン講座の内容

上記のような問題意識を持ち、財政にコミットした公共施設経営にチャレンジしている倉敷市、焼津市、津山市、仙台市、北九州市の事例を元に、これからの公共施設経営を学ぶ6週連続オンライン講座を開講しました。講座では、実際に実務を担ってきたNPO法人自治経営のメンバーが講師となっているので、実践してきた内容の解説と、自治体の規模や事情に応じた進め方について深掘りしたやり取りを行ってきました。

【講義内容】
第1回 講師:三宅香織(元倉敷市)公共FMの基本と組織マネジメント
第2回 講師:菊川岳浩(焼津市) FM実践実例 〜導入編〜
第3回 講師:川口義洋(津山市) FM実践実例 〜応用編〜
第4回 講師:梅木亮(北九州市 ) 脱炭素推進事例 〜北九州市事例〜
第5回 講師:須藤達哉(仙台市) 脱炭素推進事例 〜仙台市事例〜
第6回 (座談会)講師対談〜これからの公共施設経営とは〜

講義は、ZOOMで実施し、冒頭30分の講義をした後、参加者からの質問や相談などを元に、ディスカッションを行うのですが、これが毎回結構リアルなご相談を持ち込んでいただいたりするので、盛り上がって時間内に終わらない(笑) そして、見逃した場合も、1週間ほどの見逃し配信も対応しておりました。

FMは社会情勢や時代によって対応が変化する

FMオンライン講座は、今回が3回目でして、毎年1月に実施しています。毎年、メンバーの間で前回の講義内容に加えて、「いま」の課題を踏まえた対応を議論に盛り込もうとしています。
今年、盛り込む視点として強調したかったのは、次の2点でした。
・「公共施設の脱炭素化」に具体的にどう取り組むか
・FM推進、脱炭素化推進、どちらも行政内部の組織マネジメントが鍵である

人手不足から来る建設費の上昇、行政職員の確保が難しい問題、カーボンニュートラルの取り組み推進、電気代や物価上昇による施設の維持管理費が上昇、などなど目の前の公共施設をどうするのかについては、課題が山積している状況なのは、どこの自治体も同じだと思います。

こういった複数の複雑な課題を解決していくには、まずは基本的な考え方を学んだ上で、俯瞰して行政の組織、財政、まちの課題を捉えて打つべき手を考える姿勢が大事なのですが、組織の中での力学やいろんな立場の意見に振り回されて頭を抱えている自治体職員が多くいるのも確かなのです。
毎回のオンライン講座では、そういった組織内でどうやって調整を進めて行くのか、そのノウハウや意識の持ち方など、まさに問題に直面している参加者に寄り添うための情報共有なども積極的に行いました。このあたりは、本当に毎年いろんな議論があって、企画している我々も学ぶところが多いのが正直なところです。

これからの企画について

現場の自治体職員として仕事をしている、建築技師と設備技師が本気で脱炭素を進めて行くために、必要なスキルとは何か?財政が厳しい状況だからこそ、お金に向き合いながら、何を優先して進めて行くべきなのか?
ここに本気で向き合って、これからの公共施設経営を考えていく必要があると考えて、今後、「脱炭素セミナー」「オンラインサロンのメンバーシップの立ち上げ」などなどを企画して行こうと調整中です。

今回の6週連続オンライン講座の講義部分を5本セットで3月には販売も考えています。最新の公共施設マネジメントの情報が盛り込まれている、基本中の基本を学ぶなら、このセットは本当に自信を持ってオススメする内容となっています。
準備が整い次第、自治経営のHPやnoteでお知らせいたしますので、ご活用ください。

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