ポジティブな空気をまとう、ということの正体。
私のところには、日々キャリアに悩む様々な方が相談に訪れては、モヤモヤした想いを打ち明けてくれます。
今回紹介するケースは2018年の秋頃から始まった、とある20代女性とのエピソード。先日、ご本人より嬉しい知らせが届いたので、ご本人承諾の上でみなさまにもお伝えいたします。
■「私、超絶ツイていないんです」
転職相談にいらしたはずのその女性は、自らの不幸話を延々と語り続けていました。
・幼少期から妹ばかり可愛がられ、損ばかりしていた。
・前職は同僚に恵まれず、嫌な仕事ばかり押し付けられて残業続きだった。
・現職では上司から執拗に食事に誘われて、嫌な思いをしている。
・転職活動の面接で、セクハラのような質問をされた上、落とされた。
・今日も面談に来る最中の電車で、気分が悪くなったので優先席に腰かけたところ、見ず知らずのおじさんに舌打ちされた。
そう話す姿はまるで、この世の不幸という不幸が彼女を襲っているかのよう。
理不尽とも言える境遇に同情する一方で、僕の中にひとつの確信が芽生えました。もちろん全てとは言わない。全てとは言わないものの、間違いなくこの方は、自ら負の空気を引き寄せている。
僕は彼女に対し、ひとつの約束を提案しました。それは、一日最低ひとつは「嬉しかったこと」を見つけて、それを周囲の人に話して聞かせるということ。家族でも友人でも上司でも、話す相手が誰もいなければ僕でも構いません。とにかく一日も休むことなく、必ずそれを繰り返すように伝えたのです。
その日以来、転職成功に向けたメールのやり取りが始まりましたが、
彼女のメールの最後には、その日の「嬉しかったこと」が添えられるようになりました。
・タクシーの運転手さんの話が面白く、親切だった。
・帰り道にコンビニで買ったスイーツがおいしかった。
・電車の座席を譲ったら、感謝された。
そんな彼女は半年ほどの時間をかけて、ご自身にとって納得のできる転職先を見つけることができました。
■光を見るか、影を見るかで世界は変わる。
日々のポジティブな気づきを、身近な人にそっと伝えること。これは本当にお勧めです。大袈裟に考える必要はなく、さりげない会話の中に盛り込むだけで十分です。
「身近な人に」という目的があれば、どうにかしてポジティブなネタを探そうと意識するようになりますし、その発信を受け取った相手にも、良い影響をお裾分けできるかもしれません。しかもたまに得られるフィードバックは、これはもう嬉しすぎること。この循環こそが自分にツキを引き寄せるための最も有効な方法であり、「ポジティブな空気をまとう」ことの正体なのだと思っています。
さて、後日談。依頼人だったその女性から、久しぶりにメールが届きました。その文章は、面談時からは想像もできないほど、前向きな言葉に溢れたものでした。どうやら長らく付き合っていた彼氏と結婚をされたとのこと。
「なんだ、悩んでいた当時から、あなたの魅力を理解してくれている方がいたんじゃないか」
そう思いながら進めた彼女とのやりとりは、素敵な言葉で締めくくられていました。
「私の事例がポジティブなニュースなら、ぜひ三宅さんからみなさんに発信してください」
そんなわけで、noteはじめます。カメラのこと、キャリアのこと。時には毒も吐くかもしれません。人々のモヤモヤがイキイキに変わるきっかけになればと思います。
ではまた。
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