水中運動について
1.水中運動の特徴
水温、浮力、抵抗、揚力の影響を受けながら行う運動
①抵抗の大きさ
・移動速度の2乗に比例して大きくなる。
・身体の大きさ、水中姿勢で変化する。
②揚力
・移動速度の2乗に比例して大きくなる。
・足が沈んで身体が立つと揚力も増加する。
③推進力
・水の抵抗に打ち勝つ移動方向に平行な力
④熱伝導率
・空気の20倍以上大きい。
⑤水圧
・水面上では1気圧、水深10mでは2気圧とのこと。
⑥密度
・空気と比べて800倍以上大きい。
⑦比重
・脂肪は1より小さい。骨、筋肉、内臓は1より大きい。
2.水中運動での生理反応
①体温
・体温より低い温度の水に入ると空気よりはるかに急速に体温が奪われる。
・水から上がった際、表面が濡れた状態でいると身体から熱が奪われる。
②呼吸
・水圧のために胸郭を広げて呼吸をするためには陸上より余分な呼吸筋の活動が必要である。
・多くの水中運動で呼吸が制限されるため、運動強度に伴って呼吸数を増やすことができない。
③静脈還流
・泳ぐ際の水平な姿勢では下肢と心臓の高さが等しくなるため、下肢からの静脈還流が増加する。
・水中歩行の立位姿勢では、水深の深い床面に近い部分では水圧の影響で静脈還流が増加する。
・静脈還流が増加すると、心臓の1回あたりの拍出量も増加する。
④心拍数
・多くの水中運動では静脈還流増加による1回拍出量増加によって、同じ強度の運動で陸上に比べて少ない心拍数となる。
3.水中歩行プログラムでの要点
①浮力の影響で重力(体重)による関節への負担を軽減できる。
②重力の負荷ではなく、水平に働く水の抵抗が負荷となる。
水中歩行のお勧めポイントとしてどのような効果、特徴を伝えることができるかを自身の中できちんとまとめておく。
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