自治体首長に直接提案したいスタートアップよ集まれ!実際に浜松市に移転したスタートアップが徹底解説
この記事を読んでほしいスタートアップはこちら!
社会課題解決型のドメインを持っている
自社のサービス・プロダクトを検証したい
自社のサービス・プロダクトを首長に直接提案したい
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2023/6/1に静岡県浜松市が
・浜松市実証実験サポート事業
・スタートアップ・パブリックピッチ2023in遠州
募集受付を開始しました!
公募開始では CIC@虎ノ門で行われた公開イベントに登壇させて頂きました。
過去には、プロダクトの検証や地方への事業拡大に向けて大きくスケールした事例があります。
事例①サグリ株式会社
「衛星データを用いた農地利用状況調査」の課題に対し、衛星データとAI(機械学習)を用いて、耕作放棄地を見える化するアプリケーションサービス「ACTABA(アクタバ)」を提案し、検証後は各自治体に拡大されています。
事例②カイテク株式会社
「慢性的な人材不足が危惧される介護・福祉業界の人材確保」の課題に対し、自社サービス介護ワークシェアリングサービス「カイスケ」を地方都市初となる浜松市内で運用。その後は各自治体で導入拡大されています。
両社とも、実証実験の結果を経て、
他地域への拡大、VCからの資金調達、浜松市の目玉施策である「ファンドサポート事業」にも採択されています。
サグリ社は、その後J-Startupにも選定されております。
自治体と聞くと、印象としては遅そう、面倒そうといったネガティブなイメージがありますが、初めの一歩を乗り越えると大きな事業拡大に繋がる可能性を秘めております。
本記事では、今回公募開始された浜松市の2つの支援策の紹介だけでなく、自治体施策の活用法などについても解説していきたいと思います。
ぜひ読んで頂いた上で、支援策の申込&弊社サービスにも登録頂けると幸いです(文末に浜松市が公開する実証実験/パブリックピッチの申込を検討される方向けに特典用意しております)
まずは会社紹介
そもそも解説するあなたは何者?と思われると思うので、簡単に会社紹介です。
弊社は、スタートアップと地方自治体のパートナーシップを創るをコンセプトに「47pass(よんななパス)」というプラットフォームを運営しております。
全国の自治体が公開しているスタートアップ向けの施策を一元集約して47pass登録企業に配信したり、47pass登録企業が持つ自社サービスを自治体向けに提案できる仕組みを提供しております。
弊社は、常日頃スタートアップ向けの支援策を見つめていたり自治体とお話しをする機会が多い事から、この記事ではスタートアップ視点で「地方自治体の支援策ってぶっちゃけどうなのか?」についてお伝えします。
その上で、今回の浜松市の実証実験&パブリックピッチはどうなのか?という点についてもお伝えしていきたいと思います。
なぜ、いまスタートアップ支援策が熱いのか?その理由は?
もう耳にタコができるぐらい聞いていると思いますが、政府は2022年より「スタートアップ令和元年」と称して、国内でのスタートアップ支援策を色々と生み出しています。
実は故・安倍首相の代から東京だけでなく、新たなグローバル拠点都市(スタートアップ・エコシステム拠点都市)を、政令指定都市を中心とした全国各地に創っていこうという動きが目立ってきました。
いま、全国各地にスタートアップ向けの施設や支援策が増えてきているのは、この政策が関係しているからです。
一般的に自治体が提供しているスタートアップ支援策は以下の通りです。
実証実験
パブリックピッチ
アクセラレーター
その他(補助金支援やファンドサポートなど)
自分たちに合うスタートアップの支援策とは?
前述したスタートアップ支援策は、事業フェーズやプロダクトの状態に応じて適正があるので、必ず確認が必要です。
プロダクトが検証中・β版(0→1フェーズ)
実証実験は、創業期のプレシード 〜 シード期 にオススメな支援策です。
自治体で最も多い支援策はこの「実証実験」です。
特徴としては、地域フィールドを活用した検証や地場企業との連係などを軸にした支援策です。
フィールドを活用したサービスのプロダクト検証だけでなく、これから地方進出する前ステップとして地域内でフィットするかどうかの検証を行うことにも活用できます。
特にスタートアップにとってメリットは、地場企業とのネットワーク構築支援やサービス構築に自治体職員が伴走してくれることです。
通常、地域内にサービスを広げようとする場合、地域外の企業はよそ者扱いで接点が作れないため提案自体が難しい。
しかし、この実証実験では 自治体職員が間に入ってくれることで"自治体からのお墨付き" が付いた状態で検証ができるのでウッテツケです。
プロダクトがある状態(1→10フェーズ)
パブリックピッチは、プレA〜シリーズA~Bにオススメです。
コチラは各市町村の首長に対して、直接プレゼンできる機会です。
この支援策自体はポツポツと数が出てきましたが、まだ新しい取り組みです。
各首長に対して直接プレゼンできるので、何より意思決定が早い!
通常は以下のようにボトムアップで進むため、大半は首長に届かず日の目を浴びません。
添付のように、通常の場合はボトムアップで上がっていきますが、担当者の工数が合計200時間程度かかる上に、仮に申請が通ったとしても来年度に予算化され導入は次年度と非常に遅いです。
課内、部内の承認もありますがやはり財政課を意識して、早い段階で棄却するケースがあるので、サービスを提案するのなら初めから財政課を意識した提案が重要です。
現状のどの予算を活用するのか?それとも新たな予算項目を作るのか(←難しい)など、財政科目もチェックする必要があります。
しかし、パブリックピッチにて審査を通過すると首長に直接アプローチできます。そうなると添付のようにトップダウンで物事が決まっていく、導入までで一番早いステップになります。
既にプロダクトがあるスタートアップには非常にオススメです!
自治体と相性が良いスタートアップ
自治体は地域内にスタートアップを増やすことで、地域内のスタートアップ・エコシステムを一層豊かにしようとしています。
しかしながら、自治体にとってスタートアップの定義は未だクリアでなく、その曖昧さが否めません。
自治体と相性がいいスタートアップその1
地域課題に関する事業ドメインをもつスタートアップ。
特に介護や福祉などのヘルスケアは全国的に共通の課題であり、人口減少に対する地域活性化の取り組みも相性が良いです。
自治体と相性がいいスタートアップその2
業界特化型のDXに関するスタートアップ。
アナログな運用や人材不足による問題が成長を妨げている業界では、ITサービスを前提としたスタートアップが該当することが多いです。
この2つは共通する所もあり、社会課題解決を掲げるスタートアップも多いことから大半が該当するのではないでしょうか。
自治体と相性が悪いスタートアップ
一方、スタートアップにとって相性が悪いのは、以下の3つです。
地域に関わらないゲーム業界などのエンタメ領域スタートアップ
新しい仕組みを創るWeb3系スタートアップ
採用系・営業系のスタートアップ
ゲームなら地域を盛り上げる謎解きゲームやポケモンGOのような、地域活性に繋がるサービスを提供しているなら相性が良いかもしれませんが、地域活性化に関する類似サービスも多いため、自治体に刺さるかは微妙な所です。
Web3に関しては、まだ新しい技術であり、慎重な自治体が多く、提案は先になりそうです。
採用・営業系のスタートアップは、同様のサービスを提供する地場企業も多く、地場企業に依頼せず、地域外の企業に依頼する理由がないため相性が悪いです。
ただし採用に関しては、自治体が抱える福祉などの課題に直結する解決手段や、業界の人材不足問題に特化した提案は可能性があります。
なぜ、自治体のスタートアップ支援策の活用を勧めるのか?期待できる効果は?
もし、このnoteを読んでいる読者が地方への拡大を考えているのなら、地場企業ないしローカルの金融機関やメディアとの繋がりがある地方自治体は、地方進出のハブとなる存在です。
そのため、自治体との取り組み(サービス提案・協業・連係など)は、地方へのサービス拡大に向けての足がかりが作れることです。
しかし従来より、自治体との取り組みは通常の企業への提案と違い、特にスタートアップにとって非常にハードルが高いです。
他自治体での実績を重要視するため、先人を切ってスタートアップのサービスを活用してくれる自治体が見つけられない
企業としての信用が重要。つまり信頼がある大企業、もしくは市内に拠点を持つ地場企業が優先。他地域かつ基盤として不安定なスタートアップは眼中にない
大企業と同じく承認までのプロセスの時間がかかる(部内までの決議)
そこで、このハードルを超える手段が先に紹介した実証実験/パブリックピッチ等のスタートアップ支援策を活用することです。
自治体への提案は他自治体での実績が重要ですが、裏を返せば実績があれば横展開はしやすいため、これらの支援策を活用して一つでも自治体の実績を作れば一気に地方拡大は早める事ができるのです!
まとめると、こういったスタートアップ支援策による期待できる効果は、以下のとおりです。
地方へサービス拡大する前の1自治体目として実績を作りやすい
自治体の協力が得られれば地場企業とのコネクションも得られやすい
2自治体目以降のハードルが一気に下がり他地域への横展開がしやすい
自治体に響く提案のコツとは?
自治体の目的は、地域内の住民や企業の課題が解決され豊かにすることです。
自治体内部の効率化や課題解決に関する提案は、刺さりません。
自治体職員にヒアリングしてよく聞くのは、この視点がズレているとのことです。
そういう意味でも、自治体に「サービスを売り込む」という視点より、「自治体と共に地場企業や住民を巻き込んで新たな取組を行いたい」という視点の方が自然です。
いま、自治体はスタートアップ支援策など活発ですが、その視点がズレているが故に、申請自体断念したり申請書類でうまく伝えられず審査落ちになるケースが多いです。
だからこそ、まだ自治体との取り組みが一般的でない、今がチャンスなのです。ぜひ申請には共創を意識して作って頂ければと思います。
申請にかかる実際の作業工数は?
弊社の基準では、以下のような工数で見積もりしております。
自治体の提案を初めてやる場合、地域のリサーチなども含めて以下のような工数がかかると考えられます。
また、スタートアップの多くはピッチ資料や投資家向けの事業説明資料を持っており、使い回せないかを考えている方が多いと思います。
VC向けの資料では、自治体が重要視するポイントは異なるため、丸っと使い回せないという点に注意が必要です。
他にも各自治体・各支援策毎に新規性を求めるもの、課題テーマにマッチしているものなど、審査基準がそれぞれ設けられているので確認が必要です。
1週間程度の工数をもとに、地方への事業拡大が見込めるという点を考えた場合、御社にとってコレは時間帯効果が良いか、良くないかを検討する判断材料になるかと思います。
浜松市の実証実験/パブリックピッチって結局どうなの?実際に活用したスタートアップが解説!
今回紹介する浜松市の実証実験/パブリックピッチについて、スタートアップ視点で解説します。
実は、弊社は過去に浜松市の実証実験に採択されました。
実証実験後、実はピボットしましたがその後も浜松市とは色々とサービスのヒアリングなど協力頂いています。
更には、実証実験など市内で公募しているスタートアップ支援策で採択された実績があると、浜松市の大目玉支援策である「ファンドサポート」支援策にも繋げやすくなるので非常に効果的です!
過去に弊社も採択頂きました!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000038375.html
いま、浜松市を含む浜松近郊エリア(遠州地域)は、大河ドラマ「どうする家康」で注目も浴びているので、課題ではありませんが注力領域として観光サービスの提案可能性はあると考えています!
メリット①浜松市近郊の9自治体(8市1町)の首長にアプローチ
コチラは何よりのメリットではないでしょうか。
前述しましたが、通常は自治体職員への提案からのステップで非常に時間がかかりますが、首長に直接提案できる機会がもらえます。
1自治体でも首長に直接提案することは難しいですが、これを一気に9自治体の首長にアプローチできるという事は、またとないチャンスではないでしょうか。
首長に直接アプローチできるのはパブリックピッチのみですが、実証実験も同様で実績が出たら他自治体にも間接的に伝わるので話がスムーズに進んで通りやすくなり魅力的です!
メリット②「次なる一手」に効果的な広域連係
皮肉なコメントになりますが、自治体は右にならえ的なスタンスを持っています。
「向こうが導入しているなら私達も!」という習性があるため、実績は重要です。
ただ、1自治体だけの導入では実績として乏しく、最低3〜4自治体の実績があると良いです。
そんな中、浜松市の今回公開された支援策は近郊エリア9市町と連係しています。
複数自治体との連係を広域連係と呼びますが、これにより一気に複数自治体に対して提案・実績を創ることができるのです。
この浜松市を主とした広域連係は、来年以降になると他地域でも同様な取り組みが増えていくことでしょう。
今まで、各自治体への広がりは1自治体で実績を作ったら2自治体目、2自治体の実績があれば4自治体拡げられ、次は4自治体の実績で8自治体…と倍々に増えていく事業拡大の流れがありました。
しかし、広域連携の仕組みがあれば一気に数自治体にアプローチできるので、初回で3自治体に実績が取れたら、別地域での広域連係にアプローチと今までよりも効率的な展開が可能になります。
そのため、来年以降を見据えて考えると、いまこのタイミングで広域連携を前提とした取り組みをしている浜松市での実績は非常に効果的と言えます!
メリット③実証実験は1年間とガッツリ検証可能!
浜松市実証実験の実施期間は、年度を跨いだ1年間です。
他自治体と比べて期間が長いため、ガッツリと自社サービスの検証ができます。
また期間中、自治体職員が地場企業とのネットワーク構築などを支援してくれます。自治体職員が間に入ることで、地場企業の信頼感も違うため、スムーズにネットワークの構築をすることができます。
【注意】スタートアップが陥りガチな「施策あるあるの失敗例」
実証実験では「PoC死(ポックシ)」と呼ばれる、実証実験だけで終わりその後に続かない事を指す揶揄された言葉があります。
実証実験の期間を時間と費用面を使って、結局何も得られなかったという事にならないためにも、失敗ケースは是非とも抑えてほしいです。
失敗ケース① 提案内容が「絵に書いた餅」
実証実験やパブリックピッチなどの支援策を申し込むには、審査があります。
その審査に採択されるために、事業計画を盛って提案する場合があります。
実施するからには良い結果を出す必要がありますが、盛った計画が採択されると自分の首を締めてしまい、結果を出すことだけにフォーカスしてしまい、実証実験後に次のステップに進むことができないケースがあります。
実証実験のゴールが必ずしも事業の成長に繋がるとは限りません。
実証実験はあくまで事業成長の手段の一つです。気がついたら採択されることが目的となった絵に書いた餅にならないように注意が必要です。
失敗ケース② 補助金で資金ショート
補助金は自治体施策の嬉しい特徴の一つですが、なんにでも使えるわけではなく適用されているものが決められています。
例えば、人件費は適用外といったものです。
例えば、スタートアップはエンジニアの人件費に補助金を充てたいと思うかもしれません。しかし地域にお金が落ちるものにしか費用が使えない場合などがあります。
また補助金も成果報告終了後に交付されますので、開始前は自前で持つ必要があります。そのためキャッシュを保有してる必要があるため、キャッシュがない場合は銀行からの借入したりなどが発生します。
最初から補助金をアテにしすぎるとバーンレートが高くなり資金ショートを早める結果になりかねません。補助金はあくまでオマケ程度で考えている方が良いです。
失敗ケース③ ていのいい開発案件に申込んでしまう
自治体が公開している課題テーマの中には、ていのいい開発依頼案件に似たようなものもあり、正直スタートアップに適さない課題もあります。
例えば
「ごみ問題が地域内で深刻化しているので、AIでごみが置かれている場所を分析したい。最終的には〇〇の感じで使いたい。」といった点です。
ごみ問題に対する課題解決手段は、様々な手段が考えられるしAIを活用する必要はありません。
また具体的な解決手段に寄せられると、それこそ普通の受託案件になりかねません。
新規事業をゼロベースから作りたい!という思いがあるなら別ですが、それならスタートアップというより中小企業の新規事業案件の方が適しています。
場合によっては開発工数にお金と時間をかけ製品はできるも、PoC死で続かずハイ終わりというケースになりかねないため、課題テーマと求める要望については注意が必要です。
47passが、浜松市の実証実験/パブリックピッチの申請相談&壁打ち乗ります!
いかがでしたか。
スタートアップにとって、自治体との取り組みは時間もかかるし売上にも直結しづらいというイメージがありますが、見方を変えると地方へのサービス拡大に繋がる良い機会と考えると魅力的ではないでしょうか。
現在、本日紹介した浜松市の実証実験/パブリックピッチの募集が始まっています。
先着順ですが、申請の相談&提案内容の壁打ちなど無償で相談のります!
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どちらの事業に申し込んだら良いかわからない
どの課題に申し込むべきか分からない
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