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ジブリ童貞スピンオフ/ハイジを観せる育児(4)

第七話「樅の木の音」

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あらすじ
アルムの山も秋めいてきて、すっかり山の子になったハイジ。山羊飼いのスキルも向上し、誰も気に留めなかった樅(もみ)の木のざわめきに耳を傾け、おんじに「ほう…」と唸らせるなど、「アルプスの少女」としての才能を開花させていくハイジ。しかし風が強くなったこともあり、ペーターと山へ行くことをおんじは一旦ストップさせる。おんじストップは聞いておいた方がいい。
子山羊のユキちゃんにうしろ髪を引かれ、山に行けないハイジは落ち込むが、代わりにおんじからチーズ作りを教えてもらうことになり、テンションは再び上がる。火にかけたチーズを焦げ付かないようにかきまわし続けることを任されたのだが、ハイジの背中と煙を見ているともう嫌な予感しかしない。山火事、もしくは大火傷フラグ。…案の定、途中でユキちゃんが山から降りて来てしまい、ハイジはチーズの鍋を火にかけたままユキちゃんを追いかけてしまう。戻ってきたハイジを待っていたのは、鍋のチーズ焦げをコリコリしているおんじだった。おんじは「ハイジに任せたワシが悪いんだよ」と、叱ることをしなかった。それがハイジの自尊心を深く傷つけることに。目に涙を溜めるハイジを慰めるのは、他でもない、樅の木のざわめきの音(若干ハイジの幻聴気味)だったー

父の感想
ここぐらいから子供の頃に見ていた記憶がうっすら蘇ってきた。特に今回のこのチーズを焦がす話は印象に残っていて、記憶にむちゃくちゃこびりついている(焦げたチーズだけに)。あと、パンを腐らす回もよく覚えていて、食べ物をダメにしてしまう話の切なさがどうも俺は好きみたいだ。
樅の木の音が最後、失敗したハイジに「次から気をつければいいんだよ」と言ってるように聞こえたというナレーションで、ハイジのメンタルの強さにちょっと笑ってしまいそうになったが、冒頭、樅の木の音から始まり、樅の木の音で終わる構成の素晴らしさに思わず唸った。今回も神回。ハイジを語る時、「樅の木の音の回が好きですね」と言っておけば、通(つう)ぶれるんじゃないだろうか。

娘の反応
ハイジの面白いところを聞くと「ハイジがとにかく可愛い!」と言うわりに、ハイジがミスしたり暴走するたびにハイジ叩きをするのが目につくようになった。ネット民か!とツッコみたくなる。視聴中に叩いたのに、ひどい時は翌朝朝食を食べてる時にも「あれはダメだよね」と蒸し返すようにハイジ叩きをするので、最近は「人の悪いところばかり見るんじゃなくて、そこから学ぼうぜ」と家族三人で朝飯を食べながらハイジについて語る時間ができた。娘がハイジに厳しくなってしまうのは、我々が娘のしつけに厳しくし過ぎたせいなのかもしれない。そんなことも含め、娘に話すようにした。


第八話「ピッチーよどこへ」

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あらすじ
毎朝ハイジを起こしに来ていたピッチーが突然来なくなった。むしろ毎朝来ていたことが凄くね?とも思ったが、我が子のようにピッチーを育てているハイジにとっては一大事。森の中を探し回るハイジの前で、仲間の鳥たちとともに飛び去ってしまうピッチー。ペーターは「ハイジを毎朝起こすのが面倒になったんじゃないか?」と余計なことを言い、二人の仲はまた険悪ムードに。
そんなハイジに、おんじは「これからアルムは冬になる。鳥は暖かいところへ引っ越すんだ、春になればまた帰ってくるよ」と、完璧な回答をし、ハイジを励ますためにペーター抜きで栗拾い&山ぶどう狩りに行くことに。山ぶどうにかぶりついて真っ赤に染まったおんじの髭を見て、ハイジは元気を取り戻す。
一人後味の悪い思いをしているペーターは、ピッチーの代わりになる鳥を捕まえるため奔走するが上手くいかない。なんとかニセピッチーを捕まえ、栗拾いから帰ってきたハイジに渡すが、鳥の生態を学習したハイジはニセピッチーを空に逃すことに。誰も何も言わなかったが、ニセピッチーの目つきはあまりにもニセピッチーなのであったー

父の感想
こうして八話まで観たが、よくもまぁこんなに同じような場面が続くのにこちらを飽きさせず毎回面白く見せてくれるなぁと驚く。構成の見事さなんだろうけど、とにかく凄いシリーズアニメだ。ビンゴの景品とかでBlu-rayボックスとか当たったら嬉しいな。
今回は学習アニメとしても非常によくできていて、ステイホーム中の娘に鳥の生態や季節の移り変わりを教えてくれる、質の高い野外学習にもなっていて非常に助かった。ピッチーとの別れもとても清々しく調理してくれて(ピッチーを食べたわけではない)、そこもありがたかった。
ペーターがハイジのために捕まえてきたニセピッチーの目つきが本当に面白かった。なんで誰も何も言わないんだ、相当面白いんだけど…。

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この目つき…実写化するなら俳優の新井浩文かモデルで女優のりょうしか考えられない。

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ペーターが押さえつけてるからこの目つきなのか?…あ、実写化は冨永愛さんでもいいかも。

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ちなみにピッチーはこんな感じ。すみっこぐらしが登場する何十年も前にもかかわらずこの可愛さ。俺がヨーゼフ(犬)だったらこのまま食ってると思う、可愛いすぎて。

娘の反応
サブタイトルからもうすでにピッチーとの別れを心配している様子。別れに対してものすごく過敏だ。最後にハイジは成長してピッチーのとの別れを受け入れたが、娘はどうだったんだろうか。そこは特に何も言わないし、あんまり聞きすぎても考えを押し付けることになりかねないのでそっとしておいたが、早く続きが見たい!と、数話先のサムネイル画像に雪景色の場面があるのを見ている様子を見ると、彼女の中で何かしらの生き物哲学がインストールされたような気はする。ハイジの成長速度についていけてると父としては少し嬉しいかもしれない。

第九話につづく…

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