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ジブリ童貞スピンオフ/娘にハイジを観せる育児(vol.1)

自粛生活が続き、娘は2ヶ月以上も幼稚園に行けていない。毎週楽しみにしていた「ヒーリンぐっどプリキュア」と「ポケモン」も、今は一話目から再放送せざるを得ない状況だ。行きつけの公園の遊具は、殺人事件でも起きたかのように黄色いテープでグルグル巻きにされていて、エンタメがどんどん奪われていく。父としてだんだん娘が不憫に思えてきた。

そこで「アルプスの少女ハイジ」を解禁してみることにした。これは昨年「高畑勲展」に取材に行った時から密かに考えていたことだった。ジブリ童貞だった俺でも、子供の頃は夕方学校から帰ってからよくハイジを観ていたものだ。なぜならば、ハイジしかやってなかったからだ。給食の牛乳と同じで、冷えた飲み物が牛乳しかないから「牛乳を美味い」と思い込んで飲む感じ。あの感覚でハイジを観ていた気がする。
その結果、「妖怪人間ベム」と全く雰囲気が違うのに妖怪人間と同じぐらい記憶の根っこの部分に浸透しているアニメ、それがアルプスの少女ハイジだった。
そんなハイジを我が娘にも観せて何をか感じてもらいたいと、ずっと考えていた。観せるなら超絶暇な今だ、今しかない。

早速dアニメストアに加入することにした。これでAmazonプライムビデオ、Netflix、Apple Musicと合わせて合計4つもサブスク契約していることになる。たぶんどれもフルで活用できてない、情報が多すぎてちょっと溺れ気味だ。ちなみに俺が死んだらこれらのサブスクってどうなるんだろう…?永遠に使用料が吸い取られるのだろうか。そんなことを少し不安に思いながら「30日間お試し」のボタンをクリックした。
観ても1日1ハイジにしようと思うので、30日は余裕で超えるだろう。それでもdアニメストアにお金を払い続けたくなるぐらい、ハイジは名作のはずだ。細かいところは覚えていないし一話目から観たことないけど、あの高畑勲が演出をしているのだから間違いない。ジブリ童貞を卒業し、高畑勲展で4時間以上会場をうろついていた俺にはわかる。

というわけで、せっかくだし娘とハイジを観た記録を「ジブリ童貞のジブリレビュー・スピンオフレビュー」としてここに残していこうと思う。完全に趣味なので大した推敲もせず駄文もそのまま出しますが、ハイジやうちの娘のような5歳ぐらいの女の子を育ててる人たちのお役に立てれば。


第一話「アルムの山へ」

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あらすじ
5歳のハイジはデーテおばさんに連れられ、アルムおんじのところに預けられることになった。大人の都合でたらい回しにされるハイジだったが、冒頭の低いテンションから一転、アルプスの山々を臨む新しい環境で息を吹き返したように持ち前の明るさを発揮し始める。
荷物を減らすために鬼のように重ね着させられていた衣類を全て脱ぎ捨て、山で出会ったペーターやヤギ達と、まるでフェスの若者のように踊り狂うハイジたち(特にヤギ)。ペーターも最初ちょっとコミュ障っぽかったがすぐに打ち解ける。
デーテおばさんとアルムおんじが罵倒し合い、おばさんが山を降りていくが、ハイジはわりとケロッとしていたのだったー。

父の感想
流れるような展開、するすると入ってくる情報、ラストの「…さて、どうするかな」というおんじのセリフで締める超クールな引き。「アルムおんじは人殺し」というワードも飛び出してドキッとしたが娘は聞き取れておらず、あえて説明もしなかったが…油断ならないアニメだ。
荷物を減らすために無理やり厚着させられていた服を、まるでしがらみから解き放たれたかのように脱ぎ捨て草原を飛び回る五歳児の姿に、少し涙が出た。大袈裟に「号泣した」とか言う人っているけど、本当に少し出た。
重ね着しているマトリョーシカみたいなハイジが可愛いので、かわいいかわいい言ってたら、同い年のハイジに対抗意識を持っていたのか、娘は急に「かわいい」と言わなくなった。なんだか悪いことをしてしまった…。

娘の感想
あれ?くるま椅子の女の子は?まだ?絵本で読んだことあるの(絵本で読んだことあったんかい…)。あの子好きなの。
終わりの歌のペーターとハイジがソリに乗ってるのかわいい。もうひとつ観たい!あ、でもおじいさんはちょっと怖いかも…。

視聴後の父と娘の会話から
4年も一緒にいたデーテおばさんとさよならしたり、パパやママがいなくて寂しい境遇なのに、明るいハイジに救われるよね…って話をしたが、娘はあのハイジの明るさに何のひっかかりもなかったようだった。確かにうちの娘もずっとあんな感じで、目の前の楽しげなことだけに興味を向け続けている。五歳児の共感がどんなものなのか、今後も注目していきたい。


第二話「おじいさんの山小屋」

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あらすじ
めちゃくちゃマイペースなハイジは、気難しいおんじに物怖じすることなく、ガンガン新しい生活に馴染んでいく。おんじもおんじで、時折世捨て人のような含蓄のある独り言を漏らしつつも、二話目にして早くもハイジに心を許し、干し草のベッドやハイジ用の長椅子、めちゃめちゃ美味そうなトロトロのチーズパンを作ってやるなど、あと50話以上あるのに大丈夫か?と心配になるほど、ハイジにアルプスのフルコースを振る舞う。
1日アルプスの生活を満喫したハイジ。夜は風が強く、うなされているかもと心配しハイジが眠る屋根裏部屋を覗くおんじだったが、ハイジは問題なくスヤスヤ眠っていた。おんじはナイトキャップをかぶっていて、それがそこそこ似合っていたのだったー。

父の感想
二話目にして娘がハイジを求めるようになったのは嬉しい。それにしてもハイジは、娘といろいろとダブるところがあって可愛い。ハイジってこんなに可愛かったっけ…あ、これはおんじ目線で観てるんだな、と途中で気づく。俺はどんどんおじいさんになっている。買う服もおじいさん色の物が増えてきたように思う、気をつけよう。

娘の感想
1日2個観たい、1個じゃ寂しい!ハイジ面白い!椅子を作ってもらった時のハイジの顔が面白い!ゲラゲラゲラ!終わりの歌がかわいい〜。始まりの歌のブランコは怖そう、危ないから気をつけた方がいいよね?お父さんもそう思う?

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ハイジってこんな顔するんだ…確かに面白い顔だね

視聴後の父と娘の会話から
おんじにハイジを預けたデーテおばさんが、「私だって可哀想なんだ」と泣いていたけど、なんで泣いているのかがわからないと言うので、やっぱりおばさんも罪悪感があったんじゃないかな?と話したら、「ざいあく…かん?」と首を傾げていたので、時間を割いてデーテおばさんの気持ちを説明した。デーテおばさんの気持ちを勝手に代弁したが、俺の解釈は正しかっただろうか。
また、今回は犬のヨーゼフが特に意味もなく部屋に入ってきてそのまま出ていったり、干し草を担いだハイジのビジュアルが滑稽だったり、笑えるシーンが多くてほっこりした。ほぼ娘と同じタイミングで笑っていて、あぁ、DNAって怖いなと思ったりした。
視聴後、一緒にお風呂に入った時に共通の話題としてハイジの話をしたが、娘はそれほどノってこなかった。観たい観たい言うわりになんだよ…。なかなか娘とハイジの距離を詰めるのは難しい…が、まだ二話目だ、焦ってはいけない。


…と、こんな感じでゆるく続けていけたらと思う。今後はイラストとか入れていけるともっと楽しくなるだろうか。コメントでご意見ご感想等をお聞かせいただけたら助かります。

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