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社寺建築のきほんのき 原寸図

今日は社寺建築の基本、原寸図について。
原寸図は名前のとおり1/1 リアルスケールで図面を起こします。

神社やお寺の屋根のように軒が反ったり、屋根が弛んだりといった曲線を決定し製作するために原寸図が必要になります。

現在動いている仕事では連載している鳥居も原寸図を起こしていますし、お神輿の原型と言われる鳳輦の屋根や神社の屋根についても、原寸図を起こしてから部材を削り出しています。

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鳥居の原寸図。
大きすぎてわかりにくいですが、このようにベニヤを並べて書くのが一般的です。

なぜ原寸図が必要か

まずひとつには鳥居の笠木のような曲線形状の部材を製作するにあたり、曲線の検討、決定、曲線の型板を作るために必要です。

次の目的としては屋根のように軒が反ることと屋根面が弛むことで屋根面はねじれを持った曲面になります。この曲面を製作するために規矩図が必要になります。この規矩図を原寸で書くことで各部の高さを実測することができます。
なかなか言葉では伝えづらいですね。

この原寸図を正確に書くために規矩術という技術が用いられます。 規矩術について書き出すと大変複雑になるので、いつかの機会にしたいと思いますが 簡単には和算です。
数学で言う、sin,cos,tanを和風に表現した勾弧弦がベースとなります。

原寸図はこのほかにも、斗組や彫刻、瓦などいろいろ書く場合があります。
とっつきにくい話ばかりになって来たので、深入りせずに終わります。

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