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コミュニティを始めようとしている方に「ちょっと待った」をかけてみる

本noteは、CS HACK Advent Calendar 2023の12月7日の記事として投稿しています。

はじめまして。コミューン株式会社 カスタマーサクセス部で部長をしている宮川と申します。
これまでこういった発信はしてこなかったのですが、今回のCS HACK Advent Calendar をきっかけに初投稿してみることにしました!

※当社では企業とユーザーが融け合うコミュニティサクセスプラットフォーム「commmune」を提供しています。コミュニティを通じて、LTVの向上、マーケティング効果の創出を実現します。
もしご興味がある方は、以下のサイトをご覧ください。


どんなことやってる人なのか

初めてのnoteになるので、私の経歴も少し記載しておこうと思います。

1社目
株式会社ウエディングパークの新卒3期生で入社し、営業としてキャリアをスタート。
北海道・長野・新潟・大阪・兵庫・和歌山の結婚式場を転々と新規営業と既存の深耕営業。温泉地が多かったせいかこの頃温泉にハマる。

2社目
toC向けビジネススクール(コミュニケーションスクール)にて営業・講師、コミュニティの立ち上げを経験。なんとなく行ってきた「コミュニケーション」を体系的に理解する。

3社目
当時50名程度だったクラウドサインに入社し、カスタマーサクセスを経験。
プロフェッショナルサービスの立ち上げを行った後、サクセスとサポートのマネージャーとしてロータッチ・テックタッチの拡充を経験。カスタマーサクセスという職種に魅力を感じる。

4社目
カスタマーサクセスのカスタマーサクセスを行うという仕事に魅力を感じてコミューンへ入社。
CSMとして、BtoB・BtoC問わず幅広くコミュニティの立ち上げ・運営支援、並びにコミュニティをビジネス成果にどう繋げるかのコンサルティングに従事。
その後、CSMチームマネージャーを経て、カスタマーサクセス部 部長に就任。

趣味
日本酒(利き酒師を取ろうか悩み中)、サバゲー、食べること・料理
目黒・五反田らへんで美味しい日本酒のお店があったらぜひ教えてください!

コミュニティを始める企業、どんどん増えてます

さて、今回はタイトルの通り、カスタマーサクセスの施策の一環として、BtoBコミュニティをこれから始めようという方向けの記事です。

最近、コミュニティを検討されている企業はもちろん、成長の原動力にされている企業もすごく増えてきたと感じています。

BtoCでいうと、当社の最初のお客様であるベースフードさんは、コミュニティを商品やサービス改善の原動力にしていただき、昨年上場されました。
BtoBであればウイングアーク1stさんのような大企業で、カスタマー中心主義に向かうための重要な基盤としてコミュニティを採用するケースも出てきています。

実際、コミュニティは非常に施策として効果的なものです。

「ユーザー同士で課題解決ができる場があったら良いよね」
「コミュニティでユーザー同士で事例を話してくれたら説得力あるよね」
「コミュニティがあれば満足度高まってファンになってくれそうだよね」

これらのように考えたことをきっかけに、コミュニティの検討をはじめた方も多いのではないでしょうか?

はい!そのとおりです!

これらはコミュニティで実現できることであり、コミュニティの立ち上げは(ポジショントークに聞こえるかもしれませんが笑)ぜひ、おすすめしたいことです。

ただ……、「すぐにコミュニティをはじめましょう」にはちょっと待ったをかけたいと思います。

そのコミュニティ、カスタマーサクセスだけで完結させて本当にいいの?

コミュニティ立ち上げを検討されている、皆さんに質問です。

コミュニティの導入、カスタマーサクセスの部署だけで決めていませんか?

実は、海外ではコミュニティをカスタマーサクセスだけでなく、営業・マーケティング・サービス開発の中核に据える、Community-Led-Growthモデルがトレンドになってきています。

Community-Led Growth Model

コミュニティ主導であるということは、単にコミュニティを持つこと以上の意味があります。コミュニティをビジネスの中心に置き、そのコミュニティに頼って今後の道筋を描くことが必要です。コミュニティが正しく行われれば、それは組織全体を貫き、力を与える糸になります。
正しくコミュニティを行うということは、コミュニティが孤立した状態では存在しないということを認識することから始まります。
コミュニティは組織内のすべてのチームに明らかなメリットをもたらしますが、その可能性を真に実現するためには、他の部門のサポートと理解が必要です。

https://www.communityled.com/ のレポートより

なぜコミュニティが事業成長の中核になりうるのか?

プロダクト開発の側面

現在のプロダクトへの満足度や、今後の進化に対する期待は、LTV向上において重要な要素だと納得いただけると思います。

もちろん、カスタマーサクセスがお客様の声を拾い上げ、開発チームに共有することも非常に重要です。

が、それだけで一次情報を収集しきれるでしょうか?
実際にプロダクトを利用するユーザーが、日々どんな業務の中でプロダクトを活用していて、どんなことに悩んでいて、どんな表情で我々のサービスに対する期待や要望を語っているのかを直に感じずに、良いプロダクトが作れるのでしょうか。

コミュニティという、開発チームとお客様が直接コミュニケーションできる場所を作ることで、上記のような一次情報を把握することができるようになり、より良いプロダクト開発に役立ちます。
(また、普段は表に出ない開発チームが「自分が作ったものが誰の課題を解決しているのか」知る機会になり、モチベーションアップにも繋がります。)

かくいう私達も、commmuneをご利用いただいているお客様と弊社社員のコミュニティ「SHIP」の中で、機能要望をいただいたり、開発ロードマップ発表を行ったり、直接コミュニケーションの場を作っています。
直近では「開発機能投票フェス」という取り組みも行い、SHIPのアンケート企画史上、最大の回答数と盛り上がりを見せました。


カスタマーサポートの側面

カスタマーサポートでは、ユーザーに疑問や悩みを自分で解決してもらい、工数削減・効率化を目指す動きの中で、まずはヘルプサイトが整備されると思います。

ただ、ヘルプサイトを整備するときにはまりやすい落とし穴は、企業目線の説明書や、よく"ありそう"な質問になってしまうことです。

ユーザーが本当に欲しているのは、自分と類似した境遇のユーザーの言葉による「よくある質問」と、その回答です。

コミュニティに質疑応答のコーナーを設けることで、ユーザーの言葉で、わからなかったことや悩みが記載され、そこに対して企業として回答することもできますし、ユーザー同士で解決する動きも生まれていきます。
(仮に解決に至らなくても、他の人もわからなかった という安心感にも繋がります。)

ユーザー同士で解決することで、カスタマーサポートチームの工数削減に繋がるのはもちろん、コミュニティ内部に蓄積された質問と回答の中で数が多いものをヘルプサイトのコンテンツにしていけば、本当にユーザー目線に立ったヘルプサイトを作ることができます。


セールス・マーケティングの側面

コミュニティというと、既存向けの施策だと思われがちなのですが、実は新たなお客様に知っていただく・選んでいただくためにも非常に重要です。

例えば、コミュニティで既存のお客様の悩みや属性を知ることで、新規集客のターゲット明確化に繋がります。

また、コミュニティ内で生まれた良質なUGC(※)や、それを深掘りしたインタビューの内容をマーケティングコンテンツや、営業提案時の他社事例として用いることで、説得力の向上が期待できます。
※UGC:User Generated Contentsの略で、サービス提供者ではなくユーザーによって制作・発信されるコンテンツを指します。

もし皆様がプロダクトやサービスを複数持つ企業に属されているようでしたら、コミュニティ上で、ニーズがありそうなお客様に対して今利用中のプロダクトとは別の商材に関するイベントを実施することで、クロスセルの営業機会にもつながるかもしれません。

おわりに(と、次回予告)

ここまで書いてきたように、コミュニティは事業全体へ貢献し得るものですので、カスタマーサクセス部だけで閉じるのは非常にもったいないです。
コミュニティを始めるにあたっては、各部署とも連携して進めることを強くおすすめします。
(もしこのnoteへのスキ・コメントなどの反響が多ければ「他部署連携しないでコミュニティを始めると起きる怖い話」を続編として書きたいと思います笑)

また、今回書ききれなかったのですが、コミュニティを立ち上げる際のKGI/KPI設定についても下書きに眠らせているので、いつか出します。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!お役に立っていたら嬉しいです。

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