狙いたい距離が打てるアイアンを選ぶ

EPIC FORGED STARのLフレックス7番(ロフト29度)で8割ショットをしてきました。シャフトをしならせすぎないようにしつつも、そこそこのヘッドスピードで振ってみたところ、キャリーは170~180ヤードといったところ。N.S.PRO 950GH neo(Sフレックス)が刺さった7番(ロフト26度)が180~190ヤードぐらいなので、シャフトの違いはあまり関係なくキャリーの差はロフトの差といった感じ。

軽すぎるのでラウンドで使うことはないものの、ヘッド性能の高さは魅力。40m/s以下ぐらいで振ってみても150ヤード前後のキャリーは出ていた。7番のロフト29度はメンズモデルの8番相当。ただ、レディースモデルはシャフトが短く振りやすいから芯を食いやすいのかも。

ノーマルロフトの6番アイアンと同等のロフトなのに8番アイアンの優しさで扱うことが出来るレディースモデルの7番アイアン。なんだか、訳がわからないことになっているが、激飛び系アイアンはヘッドスピード35m/s以下のゴルファーにとってはセミストロングロフトのアイアンを使う人達と同じキャリーを同じ番手(もちろんロフトは違うのだが)で打てることになり、ある種の劣等感から解放されることになりそう。

ゴルフの練習を始めたばかりの頃に激飛び系アイアンと出会っていたらと思わなくも無いが、そうしたら様々なギアの工夫をしようとは思わなかっただろうし、スイング理論と向き合うことも無かったかも。

激飛び系アイアンの進化にプロも注目

PGAやLPGAのプロたちの中で、ミドルアイアンやロングアイアンにヘッドが大きく重心距離が長い中空などのヘッドをコンボで使う人達が増えているらしい。

ここ数年、PGAでは飛距離アップが著しい。それはボールの性能が進化しスピン量が減っただけでなく、クラブもスピン量を減らしつつ上がらなくなる分はリアルロフトを増やして高さを出すという進化により飛距離性能が高まっている。スピン量を減らすためにはできるだけ広いクラブフェースが有効で、加えて反発係数や慣性モーメントを規定ギリギリに設定するなど各社工夫しているが、そのためにウッド系とヘッドが大きく出来ないアイアンではスイングを変えないとならなくなってきている。

しかも、スピン量が減ったことでプロでも従来のロングアイアンで球を上げるのは至難の業となっている。数年前までなら男子はアイアン型ユーティリティ、女子はウッドやウッド型のユーティリティを代わりに入れている姿を見たが、当時のアイアン型ユーティリティはフルキャビティや中空タイプでフルキャビティは打感はいいもののグースがきつくさほど優しさはアイアンよりは優しい程度。中空タイプは優しさはあったものの打感は悪かった。飛距離に関してはロフトなりだが、上がりやすさはロングアイアンとウッド型ユーティリティの中間。ウッド型ユーティリティですら19度はヘッドスピードが45m/s以上ないと上がらないからアマチュアはフェアウェイウッドの方がいいといわれていた。

それでもPGAでユーティリティが広まらず、ロングアイアンが重宝されたのはスイングをアイアンと変えなくても良いところと、風に強い低い弾道を必要としていたからといわれている。そんなPGAで激飛び系アイアンをロングアインとしてセッティングするようになった理由は、大型化したドライバーとスイングを変えずに使えるほどにヘッドが大型化し慣性モーメントが大きくなったから。ドライバーのスイング同様のスイングで使える激飛び系のアイアンはPGAツアーを戦うプロにとってメリットが大きいのでしょう。しかも、高さが出せることでスピンは少なくとも高さでグリーンに止めることが出来る激飛び系アイアンは早いグリーンを攻略する武器になるという判断なのでしょう。

おそらく、風が強いコースではロングアイアンをセッティングし、グリーンが柔らかければウッドやユーティリティをセッティングするのでしょうが、選択肢の中にアベレージゴルファーや低ヘッドスピーダーのための激飛び系アイアンをセッティングするプロの柔軟性は参考にしたいところ。

選択肢が増える中どのアイアンを選べばいいのか

アイアンは狙った場所へ球を運ぶための道具だといわれるが、どの番手で何ヤード飛んで欲しいのかは人それぞれ。

個人的には、150ヤードなら150ヤードへ球を楽に運べればそれが何番であろうがあれば番手は気にしていない。自分の中で、何ヤードまでアイアンを使いたいのかを明確にすることがアイアン選びのポイントになるのではないかと思っている。

その上で、例えばアイアンの守備範囲を130ヤードまでとしたら、130ヤードを何番で狙いたいのかを設定し、それが7番であれば7番で、5番であれば5番でその距離を狙えるモデルを選びたい。

クラブセッティングはコース攻略を考えて行うものだが、クラブアナリストのマーク金井氏によれば、最低限必要なクラブは200ヤード、150ヤード、100ヤードを打てるクラブとウェッジ、パターだという。ドライバーの飛距離が150ヤードの人にとっては、200ヤードと言われてもねぇと思うかもしれないが、そういう場合は200ヤードを無視して考えればいいと思うのだが、150ヤードがドライバーだとして100ヤードを打てるクラブに何をチョイスするのか、ドライバーが200ヤードであれば150ヤードと100ヤードが打てるクラブはそれぞれ何なのか。例えばドライバーが200ヤードなら150ヤードはフェアウェイウッド、100ヤードはアイアンになるのでしょうが、それぞれが何番が該当するのか。それを見つけることがクラブセッティングの第一歩。

100切りを目指すなら、100ヤードはグリーンを確実に捉えなければならない距離、90を切るにはグリーンを狙うのは150ヤード以内といわれている。

つまり100切りを目指すなら、まずはグリーンまで100ヤード以内へ球を運ぶためのクラブと100ヤード以内からグリーンを狙うクラブにわけてセッティングを考えることになる。

もちろん、グリーンまで100ヤード以内に球を近づけるために使用するクラブで最低限必要となるクラブはヘッドスピードによって違ってくるとは思うが、芝の上から150ヤードは厳しいのであれば130ヤードや120ヤードということになってくる。ただ、どのようなヘッドスピードであっても100ヤードの精度が高ければ、400ヤードのホールも4打でグリーンオンが可能になる。パー4ならダブルボギーオン。もちろん、芝の上から150ヤードは厳しいというヘッドスピードの人だとレディースティーやシニアティーから打つことになるでしょうから、そうであればボギーオンもしくはパーオンも可能。

ちなみに、ダブルボギーオンを2パットで確実にホールアウトできれば、18ホールを終えて108打。

何ヤードを何番アイアンで打ちたいかを考え、その番手で狙った距離を打てるクラブを選ぶのもクラブ選びの一つの方法なのかなと思う今日この頃。


ところが、残念ながら単品アイアンの販売は限られた番手だけというメーカーが多く、どの番手でも単品で買えるのは知る限り大手メーカーではPINGだけ。もちろん、在庫がある限りセットで購入したクラブの紛失や破損に対して購入できるような対応は各メーカーで行っているらしいが、最初からバラで買えると、ゴルフを始める際のクラブ選びに幅が出てくるし、始めやすくなると思うのだが。

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