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輪入道

別名「かたわぐるま」とも言われ、(たぶん漢字にすると<片輪車>一つだけの車輪
という意味だと思う。)
牛車の車輪に禿頭の男の頭がはまった姿をしていて、
夜の街を炎を上げながら走り回る。
その姿を見たものは魂を抜かれるとも、八つ裂きにされてしまうとも言われる。
また、熱病になるという説もある。

この姿を見たものは魂を抜かれるか八つ裂きなんだから<見る=死ぬ>訳で姿形が分かるはずがない。
だから、熱病になりながらもあやうく命をとりとめた者の証言からこの姿がわかったのだろうか?
・・・などと、また下らない思いに耽る私です。(笑)

昔、まだ小さい子どもだった頃この妖怪の存在を漫画雑誌かなにかで見てかなり怖い思いをしたことを覚えています。
車輪の中に禿頭の男の頭がはまっている・・・って考えただけでもかなり怖い!!
その上見てしまったら八つ裂き!!!!
1966年から週間少年サンデーに連載された水木しげる氏が書いていた「ふしぎなふしぎなふしぎな話」という妖怪話を読んだのかもしれない。

輪入道を見たい女がそっと戸を開けて見ようとしたら輪入道が
「この女め、俺の顔を見るより、自分の子供を見ろ!!」
・・・と叫び、子どもを見ると子どもは足を引きちぎられていた。・・・という話。

要するに、夜中に外で物音がしてもむやみに出て行ってそれが何かを確かめようとしない方が安全だよ・・・っていう事なのかな?

最近は、マンションの隣の部屋で大きな物音がしても誰も見に行こうとしない場合が多いようだ。
何か事件が起こってTVのインタビューに対して近所に住む人たちは
「そういえば大きな音がしてました」
なんて、よく答えてるよね。

こういうのも現代の<輪入道>なのかもしれない。


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