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ハイジ (ユハンナ・シュピリ)

子供の頃、まあ所謂<少年少女名作全集>とかいう類のものはほとんど読んだと思うのですが、大人になった今でもたまに昔の<古典童話>といわれる類のものを読み返したくなる時があります。

・・・で、先日、図書館で借りてきたのが「ハイジ」。
「ハイジ」と言うとアニメの「アルプスの少女ハイジ」のイメージが強いのですが原作はアニメ版とはちょっと違います。

一番大きな違いは、原作では「信仰の大切さ」が最大のテーマとなっているのに対してアニメでは宗教色を極力排除しているという点。
外国の古典童話ではよくこの<信仰の大切さ>というものがテーマにあったりするわけですが、
初詣には神社に行き、お葬式は仏式で行い、クリスマスにはお祝いをする・・・という大方の日本人の感覚では<信仰>がテーマだとイマイチ違和感を覚えるのかもしれません。
もしもアニメの「アルプスの少女ハイジ」が原作通り信仰の大切さを前面に描いていたとしても面白さに変わりはなかったかもしれないし、このアニメを見た子供たちが無意識のうちに信仰の大切さと言ったものを心の奥底に持つようになっていた・・・という可能性もゼロではないかもしれませんね。

原作のペーターはアニメ版よりもちょっと性格が悪いような気がします。
例えばクララに嫉妬するあまり、ペーターが彼女の車椅子を崖に落として壊してしまうのだけど、
アニメではこのエピソードは、クララが誤って車椅子を坂に落としてしまったというストーリーに変更されています。
原作ではペーターのした行いについて、クララのおばあさまが神様のお話をして諭すシーンがあるのだけれど、そういう信仰に関するエピソードは省くという方針?だから、車椅子はクララが誤って落としたという風に変えざるを得なかったということなのでしょうか。

アニメもアルプスの自然が素晴らしく表現されていてよかったのですが、原作もアルプスの自然を語る部分が非常に素晴らしいし、この福音館版の挿絵もステキです。
・・・で、思わずハイジのいるアルムの山に行ってみたくなるのですが・・・私には山登りは無理だなあって思うんですよね~。
でも、一度ハイジの舞台になったマイエンフェルトに行ってみたいですね。

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