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ちょっと待って。本当に区分変更申請しますか?

特別養護老人ホーム(特養)に入所している家族の方で、介護認定が更新されて、以前の要介護度より軽くなると、区分変更申請をする人がいます。要介護度が軽くなると退所しなければならないと思うようです。
要介護度3以上ならば退所しなくても大丈夫です。
区分変更申請はどんなときにするのでしょうか。
おさらいしたいと思います。

特養ってどんなところ?

「特別養護老人ホーム」は、一般的に「特養」と呼ばれています。
また「終の棲家(ついのすみか)」とも呼ばれ、ターミナル期(終末期)を、迎えても最後まで過ごすことができます。

都道府県知事の許可を受けた、介護保険を使って入所できる施設です。
とても人気が高く、順番待ちを覚悟しなければなりません。

居室の形態も、多床室(大部屋)、個室、ユニット型個室など様々で、料金も違ってきます。

入所要件

入所するには要件があります。
入所できる要介護度は、要介護3以上になります。
平成27年4月の改正で変更になりました。
ただし、やむを得ない事情がある場合はこの限りではありません。

※やむを得ない事情とは
・知的障害、精神障害で日常生活に支障をきたす
・家族の虐待の疑いがある
・認知症で日常生活に支障をきたす行動がある
など

区分変更申請が必要なとき

区分変更申請は、本人の状態が現状の要介護度に適していない場合に提出するのが一般的です。
入院で状態が変わったときも提出するタイミングとしては多いと思います。

介護保険証の更新で、要介護度が軽くなると慌てて区分変更申請をだすと言い出す家族がいます。

でも、要介護度3以上であれば退所させられることはありません。
それどころか、料金が安くなります。

要介護認定は、重いほど料金が高くなります。
それだけサービスの利用が必要だからです。
これまでと同じに入所できて、料金が安くなります。

      特別養護老人ホームの料金表(入所定員30名以上の施設の場合)               公表されている情報をもとに作成・入所定員により料金はかわります。

まとめ

区分変更申請は、本人の状態と要介護度が合っていない場合に提出します。
要介護度が軽く出た場合の例を出しましたが、もちろん重く出る場合もあります。
区分変更申請を提出すると調査からやり直すため、さらに時間がかかります。
調査をした上で、出た結果なので、慌てずによく考えてからでもよいのではないでしょうか。
判定理由を聞くこともできますので、問い合わせてみてください。
普段の様子を知っている、施設のスタッフや相談員の意見も聞いてみることをおすすめします。

おまけ

再申請には「不服申し立て」もあります。
市区町村の介護保険審査会に再審査の請求をします。
結果がでるまでに、3か月くらい要します。
審査中は、一度決定された要介護度になります。