「報告書で伝えたいのは結論(調査結果)ではないかもしれない…」な話。

報告書が読みにくい

仕事をしていると、想定されないトラブルは普通に起こり得ます。
その度にトラブルを分析し、原因調査、改善策、再発防止などをレポートを書いたり読んだりする場面が発生することがあります。
ただ、そのレポートが読み難かったり、何を伝えたいのかがわからなかったりすることに直面したりすることはありませんか?
今回はそんな場面に直面した時に考えたことを話せたらと考えています。

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なぜ?読みにくいのか?…想いが先行して受け手を置いていくパターン

・行き先が見えない
なぜ読みにくいのか?それは報告書の流れが明確ではないからだと思います。この話のゴールはどこにあるのか?どこを目指しているのか?…つまりは行き先です。
事前情報もなく、ただ自分の伝えたいこと、実施したことを時系列に並べてしまい、最初から最後まで通して読まないと言いたいことが何なのかがわからないケースに遭遇することがあります。
報告・プレゼンテーションの基本としてよく挙げられる「結論から先に伝えよう」に通じることですが、主張したいことや考えをまず明示し、それを補強する形で実施結果を列挙していく方法が構成としてはすっきりします。
そして、全体の流れだけではなく、小項目や個別のスライドや図表についてもそれぞれ注目して欲しいポイントや視線の流れがあるハズです。
書き手(発表者)にとっては当たり前のことでも、読み手はすぐに気づけるとは限りません。「え?それってドコ?」と思っている間に次のスライドが表示されてしまう…。非常に勿体ないことです。
注目して欲しい所や視線の動線を枠で囲ってみたり、矢印やアニメーションで示したりするような工夫があると分かりやすいのではないかと私は考えています。

・突然話が変わる
報告資料を読み進めていくと、発表内容の粒度や切り口、観点の角度が大きく変わる資料を時々見かけることがあります。
結論ありきの報告をする場合にその傾向がありがちなのですが、自分の主張(結論)を通したいあまり、突然話題を転換したり、あまり関連性のない検証が並べたられたりするケースや、緻密な検証と大雑把な検証が同じレベルで並べらていて違和感を感じるケースでこのような印象を感じます。
よくプレゼンテーションの研修で教えられる「”理由は3つあります”と言い切ると説得力が増す」という教えに囚われすぎるあまり「2つまではあるけど…」という状況で強引にねじ込んだのが原因にあるような気がします。
あまりに強引、あまりに無茶が目立つと「言ってることは正しいんだけど、なんか怪しいな…」という印象を与えがちです。
このような場合、主張に対する反論への反証(カウンター)という視点からアプローチしてみるという方法もあると思います。
また、いっそのこと3つに拘らないという考えもあります。2つに絞ってみるとか一段検証のレベルを細かく砕いてしまい、同じような粒度で4つ5つにしてしまうことも良いのではないかと思います。

・情報量が多すぎる
調査した結果を網羅したい気持ちは分かります。しかし、全てを詰め込むことは難しいです。似たようなデータや図表が続くと見る気を減衰させてしまいます。
そして、詰め込みすぎることにより主題のインパクトが弱まってしまう可能性があります。
この場合は思い切ってメインの資料とサブ(全体データ、背景などの補足情報)資料を分けてしまってもいいのではないかと考えます。
プレゼンテーションや発表を伴う場合は、サブの資料を想定問答集として、報告はメインシナリオだけに絞った資料でシンプルに説明していうのが良いのではないでしょうか?
当然、質疑応答で横槍が来ると思います。そんな時に「来ると思ったよ」と余裕を持った気持ちで手元のサブ資料をベースにその場で答えたり、サブ資料そのものを配布展開したりする方が良いのではないかと私は考えます。

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「結論(伝えたいこと)から書こう」「ピラミッドストラクチャーを活用しよう」とは言うけれど…

ビジネススキル研修などで上のようなことをよく聞くと思います。
でも、たまに報告書を作成していながら少し疑問を感じたりするのです。
「報告資料で伝えたいことって報告結果なんだっけ?」と。
私は「多分そうではなくて、その結果から次のアクションやその先に目指すべきゴールがどこにあるのかを示したいのではないか?」と考えていたりします。
聞き手も「なるほど、現状はわかった。それで、これからどの解決していくの?」の提示を期待しているのではないでしょうか?
だから、報告資料で結果淡々と報告したところで「で、それで?」となってしまう…。

「報告書が読みにくい」のは「報告したいことは何か?が明確でない」だけではなく「報告の後につなげる何かが見つからない」だと私は思うのです。
それまでの道順も現在地は明確に示されているのだけれど、思っていた行き先はもう一歩先だった…というケースです。

ですから報告といえど「以上が報告結果です。以上の結果から私はこう考えます…」と進むべきじゃないのかな?と考えるわけです。
「それを冒頭で伝えるべき結論なのでは?」というのも理解は出来ます。ただそれをやってしまうと、その資料は報告書ではなく提案書となってしまいます。
報告書の結論は検証した結果であり、提案するものではありません。
一方で報告書は過去の振り返りでしかありません。つまり過去のものです。
業務である限り先…つまりゴールを見据えたものでなければならないと私は思います。だからこそ、その先に繋がる次のアクションについて論じるべきなのじゃないかな?と私は考えています。
ゆえに報告書という体裁を整えつつ、その先の議論を加速させる提案が一言付け加えられると良いのではないか?と私は考えています。

ただ、そうは思わない上司やお客様がいるのもまた真実なので、上司やお客様のスタンスを見て資料を作り分けられるのが良いですね。顔色を窺いつつ「加えて…」とか「それでですね…」のような形で添えらてもいいのではないか?と私は思っています。

そんなことを資料を見ながら思った…という話でした。
ただ少し前に「こう作った方が良くないか?」て話をして「そうですね。その方向で作成します」って言ってたと思ったんだけどな…。
うーん…🤔


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