2023.03.31 VS柏レイソル
弱点の突き合いを制したレッズ(スペースの作り方)
開幕2連敗からの3連勝でチームとしての雰囲気は最高な状態な浦和は、昨年8月から勝利が無い柏と対戦。得点力が心配されていましたが、見事0-3で勝利を収めました。
柏の狙った弱点
柏のシステムは3-5-2。浦和はいつも通りの4-4-2での守備ではなく、4-2-1-3のような布陣で対応しました。このシステムだとほぼマンマークの状態になるので、次のパスコースを考えずに直線的にプレスに行きます。
それを利用した柏は、浦和が付いてきたスペースに次々に顔を出していきました。
前半19分のシーン。柏のCB土屋から田中へ、そこには大久保が。次に三丸へ、それに対し縦にスライドした酒井の背後のスペースに仙頭が入り込みました。それについていったショルツのスペースに小屋松が走りこむ。
結果的にはパスが乱れて浦和ボールになりましたが、しっかり通っていればペナルティエリアに侵入されていました。
このように柏は『相手を動かして出来たスペースを活用』の連続でゴールまで行こうとしましたがなかなかうまくいきませんでした。
浦和の狙った弱点
一方浦和はシステム上の穴を突いてボールを運びました。
浦和のボール保持時、柏の5バックには攻撃的な選手5人をぶつけ、中盤では構造上必ず空く、サヴィオと小屋松の前のスペースを取りに行き、戦術的優位を取ろうとしました。
試合の序盤は4-1-2-3でSBがそのスペースを取りに行きました。
ですが途中から岩尾が最終ラインに入り、3-2-5の形に変更しました。これは試合後の岩尾と小泉のインタビューから理由が読み取れます。
岩尾「少しセンターバックが運んだ後にノッキングしていたので僕が下がることで前の選手にスペースを与えた方がいいかなと思った。」
小泉「僕が中にいるよりも相手の中盤の横を取るのがいいと感じた。」
岩尾が最終ラインに降りることで生まれるのはCB同士の距離です。
これにより、CBが柏2トップの脇に運べるようになりました。
岩尾のスペースには伊藤と小泉は降りてきましたが、これにより小屋松とサヴィオは出るに出れなくなります。なぜなら自分達が出た場合、そのスペースを浦和が使えるからです。
正直、フロートと仙頭が頑張って追えば何とかなるのかもしれませんが、試合中何度も小屋松に出てこいと指示していたので、2列目が出ていくのは決まり事なのでしょう。昨年の9月に対戦した時からそうでしたし。
スペースの活用で取れた3点
そんな柏のスペースを狙い続けついに44分に興梠が得点。エースが帰ってきました。
大久保からショルツ経由でホイブラーデンへボールが行き、狙い通りサヴィオと戸嶋の間にポジションをとった小泉のおかげで明本が高い位置でフリーに。柏の最終ラインがずれていき、関根の頑張りもあり、興梠フィニッシュ。
75分。ショルツがボールを持った際プレスに行った山田の空けたスペースを大久保が活用。得意のドリブルで切り込みリンセンへパス。は通らなかったですがこぼれ球をシャルクが右足を振りぬく。あの体勢から左へ決めるのは素晴らしかったです。
いつもとは違い、大久保が右、関根やシャルクが左だったのは、(モーベルグの不調もあると思いますが)利き足とは違うサイドで使うことでのカットインを狙っていたのでしょう。それが得点に繋がりました。
そして81分。またしてもあの男のジャンピングボレーが炸裂しました。
ですが良かったのは彼だけではなく、しっかり途中交代ながら柏の弱点を狙った安居のボールの受け方と運び方、シャルク、リンセンのラインを押し下げるランがあってこそでした。
最後に
6試合終わって4連勝で3位、シーズン序盤にしてはなかなか良い成績でしょう。
そして今回の試合では試合中に選手自身が考えてシステムを変更しました。
さらに最近の試合では荻原や、安居といった途中交代の選手のパフォーマンスが素晴らしいです。
次節は現在2位の名古屋。勝ちましょう。