2023.07.01 vsサガン鳥栖

ブロック守備と攻撃の改善

前節湘南に圧勝した浦和は今節、サガン鳥栖とアウェーで対戦。
サガン鳥栖は、ACL決勝明けに戦い、ホームで0-2で敗戦している相手です。
その時は、ハイプレスに押され、自分たちのミスで2失点していました。
今節は序盤に先制点を許しましたが前半のうちに逆転し見事リベンジを果たせました。

スタメン

浦和は、前節のゴールで2戦連発となった関根と興梠をベンチスタート、カンテと高橋が入りました。ビルドアップではなく、ロングボールを使って相手を押し込む戦術をとる場合は、この2人の方が成功の可能性が高いので、背の高さが起用の意図でしょう。

持たせる展開

今節浦和がボール保持をする場面はほとんどありませんでした。試合結果データを見ても、鳥栖:70%に対し浦和:30%と、珍しくボールを握れませんでした。と言っても、ボールが握れなかったからゲームプラン的に失敗だったわけではなく、ある程度許容していたのかもしれません。今シーズンの失点数の少なさも自信でしょうし。
鳥栖ボール保持時はGKの朴が最終ラインに入り、3-4(+堀米)-3という布陣になります。基本的にボランチ2枚が中央で待つので、リンセンと安居は鳥栖CBと朴は無視し、ボランチ二人を消すことが第一ミッションです。
SBにボールが出た際は高橋と大久保がプレスに行きますが、その先の長沼や石崎には大畑と酒井が付いているので、思い切ってプレスに行き、最終ラインに戻させる守備が出来ました。
そうなると助けに来るのは堀米で、ほぼフリーマン的に立ち回る彼をどうするのかですが、一緒に釣られて出て行ってしまったら小野にそのスペースを使われるので、敦樹と岩尾は追うのではなく、4-4-2のブロックを組んで待ち受けることを最優先にしました。

ですが実は90分間ブロックを組む守備であったわけではなく、前半と後半の開始直後、そして56分の関根と興梠を投入した直後は、ハイプレスで仕掛けていました。始めのうちに取れちゃうなら取っておこう的な考えだったのかもしれません。
後は、浦和からすれば、小野と堀米めがけてラフにボールを蹴ってもらった方が、ショルツとホイブラーデンがいるので自分たちのボールに出来ると考えたのかもしれません。

そんな中、8分という早い時間帯に先制点を決められました。
右サイドからのクロスを逆サイドで待っている長沼が頭で合わせたシーンですが、手塚のクロスは予想外のアウトサイドキックであったし、ただ大畑が空中戦に負けただけで、組織的に崩されたわけではありません。大畑には個人的に反省してもらって、あとは気にしなくて良いものだと思います。

直後の11分、カンテが取り返しました。
鳥栖陣地でのスローインを岩尾がカットし、大久保へ、内側を走った敦樹が折り返し、カンテのシュート。
試合前と後の会見やインタビューで、前線の崩しのタイミングを合わせたと言っていたように、大久保から敦樹へのパスが合ったからこそ敦樹はクロスを上げれたのだと思います。これは攻撃に関しての改善であると思います。
また、高橋が左SHいると、右サイドからのクロスに対してペナルティエリア内に高さのある選手を配置できます。今節は毎回カンテと高橋が入っているので高さのある選手が二人となるので、クロスからの得点の可能性を上げられます。
高橋カンテコンビでクロスから得点出来れば、今後、攻撃のオプションが増えそうです。

ブロック守備の難しさ

鳥栖のボール保持時、SBに高橋や大久保がついて前進できない状況に黙っているわけでもなく、時間が経つごとに鳥栖は攻略し始めました。
鳥栖左サイドでは、SBの菊池がインナーラップすることで、大久保も内側を走らせ直接岩崎までボールを届けることが出来ました。
その後は堀米も関わり3人で崩すシーンが多くなりました。

鳥栖右サイドでは、左がダメだった際のやり直しの時、黄がカンテと安居よりも高い位置でボールを受け、その場にいるはずの高橋は、福田が外に開いているのでそれにつられ、外にいることが多くなり、プレスに行けず、ライン自体をずるずる押し下げられてしまう展開が続きました。

その問題を後半に入って修正したのは関根でした。
高橋とは違い、黄にボールが出た際、積極的に前にプレスに行きました。
その代わり、外に開いた福田は大畑が、内側を取った長沼には岩尾かホイブラーデンが付くことが明確になりました。
ここはやはり守備時のSHの慣れなのかもしれませんが、関根の方がブロック守備の後続部隊が分かりやすくアクション出来たと思います。

最後に

今節は自分たちでつないでゴールを目指すシーンよりも、守るシーンが多かったのですが、それでもシュート数は鳥栖:10本に対し浦和:15本とゴールに迫れたのは浦和の方でした。カウンターを前線の選手の崩しでシュートまで行けているという証拠ですし、明らかにここ数試合はシュート数が増えています。
夏の中断期間まであと2戦。このまま負けなしを続けましょう。

いいなと思ったら応援しよう!