ドラマ アンサング・シンデレラ 第10話 解説とツッコミ

こんばんわ。ついにこの記事も残すところあと2回です。(もしかしたらあと1回やるかも)

存在を認め、支援する皆さん



治験について


治験担当医師の畑中先生に感謝。
治験に関しては、医師がメインであるそうです(治験には詳しくない)
畑中先生も、治験の医学に対する貢献という視点から支援されています。

治験担当の七尾副部長。自分の感情を出さずに、治療の選択肢を与える、という意味で文献を調べ、みどりに提案しています。治験が正当に行われることを第一に考えた行動です。(治験の正当性、治験が正当な手順で行われることを守ることが最終的に全世界の人の利益になります。)

みどりに「治験の正当な手順」「それに責任を持つこと」を端的に説明する七尾副部長。責任を持つことの重さを伝えられる口調トーン非言語的表現もつけて。



 ここで、今まで悪役扱いされかけていた七尾副部長のイメージが大きく変わりました。実は、本人はスタンスを一切変えていません。

 治験に適合する患者がいれば、治療の選択肢として治験を提案する。
 その治験の結果次第では、新しい治療法が生まれ、確立する。
 まっとうな治験を経て得た治療法は、自分が知らない世界の誰かを助けることができる。

治験の目的、目指すものと地検の正当性を客観的に説明しました。それが説得力があったのは、七尾副部長の今までの院内での態度が客観的であったからこそです。ストーリー全体で一切感情的なところを出さないことが院内での信頼を集めたと考えられます。(現時点でも感情的なところには一切触れない。それが、自分の業務である治験のためだと信じているのではないでしょうか。)

10年前に瀬野副部長の母親に行った治験がうまくいかなかったことに対する悔いはあるとは思いますが、そのことに対する自身の感情を出すことはないんですよね。悔しいから出さないのか、治験業務に対する信頼性を維持するため出さないのかも表現されていませんし、池田鉄洋さんの演技からもそういう部分は全く出てきません。感情を悟らせない芝居ができるいい役者さんです。(難しい演技です)

薬剤師が患者になって

 瀬野副部長ががん患者になって、患者としての気持ちをストレートに出していました。医療従事者としてわかったつもりになっていたが、実際は「ただ単につらい。生きて治療が続く苦しさがある。」と。


瀬野副部長のベッドに丸岡さんのサイン色紙がありました。丸岡さんが漫画家として、人としてできることですね!

生活に合わせた処方提案

 心筋梗塞などで搬送された丸岡はじめさん、奥さんが出したのは紙のお薬手帳でした。紙のお薬手帳をどこにおいてあるか家族に知らせる、本人が常に持ち歩くことによって、意識がなくても服用している薬と処方した医療機関と調剤した薬局がわかるようになっています。アプリだと電源の問題とパスワードの問題が出てきます。

丸岡さんの「薬代が高い」という問題について、
1.まずはジェネリックにできるか
2.同じ成分の合剤はあるか(安くなる方向で:合剤にして高くなるケースも有る)
と医師の処方計画を崩さない範囲での処方提案を行います。
この場合は、患者の生活における問題を医師に伝えた上で、変更できる薬はあるかどうか医師に確認します。(どうしても先発品でないとダメ(適応の問題で)というものがあるかもしれません)
 そのうえで、患者さんのジェネリック変更に対する意向を確認します。
 患者さんの生活リズムを考慮した処方設計の提案が行われることもあります。(2交代制で働いている、外国に行くことが多いなど:外国に持ち込むことができない薬もあります)


相原さんの「薬剤師なので薬のことでしか役に立てない」は業務の本質を理解した発言です。患者の様子が変わったことも薬が影響していないかどうかの可能性を探すのみです。

先発品と後発品では添加物が違うので効果が異なるという言説はよく見られますが、内服薬の吸収は服用する人の体質も絡んでいて複雑です。また、「後発品は効かない」という思い込みから効果が出なかったり、効果を認識できないこともあります。
 なによりも、先発品であっても途中で添加物が変わったり添加物の入手先が変わってくることがあります。その場合は届け出が必要です。
 最近でも、ヒアレイン点眼液の防腐剤が「ベンザルコニウム塩化物」からクロルヘキシジングルコン酸塩に変更になっています。

10年前にはすでに病棟に薬剤師は出ていました。入院している患者さんのところに行き、状況を聞き、患者さんの様子を見て薬剤師の視点から薬を使う上での課題を見つけていました。
 瀬野副部長の母親は、当時から「患者の家族は第二の家族」と認識していて、みどりに接していたと思われます。(特に小児の疾患では、親が病気の子の方に意識が向かいがちで兄弟のことを気にかける余裕がなくなるため)
このあたりの接し方は看護師がメインになることが多いですが、小さい子を持つ母親であったため、気づいた部分もあるのでしょうう。
 人として「気づく」ことはどの職種も共通です。


その他色々

 今回は、第一話で完全に「待てない患者」というクレーマーだった辰川さんが他の「待てない患者」のクレームを解消していました。なぜ辰川さんが病院に行っていたのでしょうか。もともとの疾患の治療の続きでしょうか。出前をとったスタッフがいたからでしょうか。

病院に復帰した荒神さん、手品だけでなく調剤も非常に手早い方でした。要所要所で手品を披露し、楽しませています。


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