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2月6日 生配信 Make Noise Wogglebug 【Flute with Modular】

⬆︎こちらのリンクで2月6日 20:00より配信します

ランダム電圧や、オーディオを生成する不確定要素モジュール。キーボードやシーケンサーから出力されるコントロール電圧を追従し、シンセサイザーと一体となるボイスを与える事を目的に開発された。

ワグワグする虫!?

Wogglebug を何で買おうと思ったのか、今となってはよくわからないのですが、"なんかすごい事が出来そう!"という直観だと思います。手にしたものの、いざ使おうと思って、真剣に向き合うと、まずこの名前、ワグのバグ(虫)ってどういう事?と疑問が次々に湧いてきます。

名前はどこかで聞いた事あるな、と思って調べてみると、オズの魔法使いのキャラクターだという事がわかりました。MakeNoiseのサイトにもざっくり説明が書いてあるのですが、虫の部分に関しては斜に構えていて、(そこが好きなのですが)、一向に要領を得ません。(何しろ、Mathsの間違った使用例として、買い物メモ、と説明しているメーカーです😊)

はっきりわかったのは、よく見るとパネルにも書いてあるようにWogglebugの正式名称は、RICHTER Wogglebug。Wiard Synthesizerのグラント・リヒターによってデザインされたランダム電圧生成機であるという事。このライセンスを取得してMakenoise社がEurorack 対応のものを作っているのですね。

オリジナルWogglebug 

Wiard Synthesizer

1999年に誕生したアメリカのシンセサイザーメーカーで、パネルは全て上記写真のような美しいブルーに神秘的な紋様が描かれています。そのWiard のサイトにこんな絵を発見しました。

Wiard 社のWooglebug ロゴ

やっぱりオズのワグバグ先生だ!という事で、オズのWooglebugについて少し掘り下げてみました。

オズと虹の国

オズと虹の国によると、ウォグルバグ(ウォグルムシ)は元々はグリーンピース一粒ぐらいの大きさだった。ウォグルムシは一般的な虫として暮らしていたが、ある日、田舎の学校の校舎に忍び込んで、著名なNowitall博士(モノシーリィ教授)の授業を聞いた事から虫生が一変する。3年間、誰にも気が付かれずに聴講を続けるがが、ある日教授に見つかって、ウォグルムシの即席授業の題材にされる。モノシーリィ教授は、ウォグルムシを顕微鏡にかけ、先進技術を使って拡大したイメージをスクリーンに投影した。ウォグルムシは自分の大きさを誇りに思い、皆にお辞儀をを披露した所、窓際にいた女の子が驚いてひっくり返って窓から落ちてしまった。みんなが慌てて様子を見に行っている間に、ウォグルムシはスクリーンを抜け、
逃げ出した。それ以来、身体の大きさはそのままである。

ある出来事で仕立て屋の命を助けたきっかけで、その仕立て屋に最初の洋服を作ってもらう。後に、エメラルドシティからそう離れていないマンチキン国に王立芸術大学と王立運動科学大学を設立する。

性格はチャーミングで風変わり。エキセントリックな一面も持つ。本名はMr. Highly Magnified Woggle-Bug, Thoroughly Educated (ヒキノバシ・ウォグル・ムシノスケ・ガクシャ)。大袈裟な言い回しや、ラテン語のフレーズや哲学の引用、そして一緒にいる人をうんざりさせるような駄洒落を好む。

Woggle-Bug Wikipedia

この奇想天外なキャラクターがWogglebug モジュールのインスピレーションなのでしょうか。真相は分からない方が面白いですが、想像力が膨らむ設定ですね。Wogglebugというのは、英語圏だとある程度共通認識としてキャラがイメージできるものなのか、興味深い所ですが、日本で言えば、なんだろう?100年以上前のキャラだから「座敷童」?  「目玉オヤジ」?そんな所でしょうか。

今の流行りのキャラ(しかも、メインからちょっと外したサブキャラ)が後のサウンドソースのモチーフになると思うと、面白いですね。変化のスピードは早まっていますから、10年後にはチェーンソーマンがモチーフのモジュールが想像もつかないようなサウンドを生み出す事もあるかもしれません。

横道にそれましたが、いよいよ本題、Wogglebugでどんな事が出来るか、見ていきましょう。

Wogglebugで何ができるか

It can not make keyboard sounds and can not be controlled by a keyboard. Hooray! キーボードのサウンドを生み出す事も、キーボードでコントロールする事も出来ません。万歳!

Wiard  サイト

Wogglebugは私のシンセサイザーを支配する怪物となり得るのでしょうか?Wogglebugには気をつけるべきなのでしょうか?

-----おそらくそうでしょう。

Make Noise Wogglebug マニュアルより

出発点:Source of Uncertainty 不確定要素モジュール

最も音楽的なランダム電圧生成機として名高いBuchlaのSource of Uncertainty というモジュールがあります。

Wogglebugのデザインをそれ(Source of Uncertainty)をさらに拡げ、他のモジュールを必要としない独立した一つのシステムとしての不確定要素モジュールに仕上がりました。

Make Noise Wogglebug マニュアル

Make NoiseのWogglebug

Makenoise Wogglebugはグラント・リヒターの魂が籠ったモジュールです。Makenoise Wogglebugは単なるクローンではありません。リヒターによるオリジナルWogglebugへのトリビュートであり、その理念を進化させたものです。

Make Noise Wogglebug マニュアル

このように、オリジナルに敬意を払いつつ、理念や機能が進化しながら増殖するというのがモジュラーの面白い所。機体はもちろん、そこにさらに演奏家の解釈が加わる事で、そのエッセンスは無限に拡大し続けます。

Makenoiseの解説動画

寄生虫か怪物か

Wogglebugはサーキットの中で様々な値と相互作用しつつ、対話的な不確定要素を生み出します。モジュラーが一つの生命体だとしたら、Wooglebugは寄生虫かも知れないし、それこそ、説明書にあるように全体を支配する怪物になる可能性すらあります。

高名な博士で、駄洒落好きなワグバク先生は、モジュール全体の中でも、相当面白いキャラクター。どんな物語が展開するか、予測不可能でワクワクしています。


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