自分の言葉で

このところ、standFMで毎朝「今日のメッセージ」を配信している。
方法はビブリオマンシー、書物占いだ。

聖書を用いることが多いこの占いは、
本をぱっと開いて、そこのページを読むことで
その時抱えている問題のヒントや気づきを得るもので、
占術的には卜術にあたる。
使用している本は星読みの石井ゆかり氏が書いた
鳥の本シリーズの4冊だ。

「明日はこれ」と決めた本を枕元に置いて眠りにつき、
目覚めてまず、ページを開く。
ところが、昨夜はなぜか決めかねて、そのまま、眠りについた。
ただ一つ、「金色の鳥の本」は違うな、と思った。

そして今朝ひらいたのは「黒い鳥の本」
とても短く胸を突くメッセージだった。

うーん、これではせっかくの土曜日が切ないものになってしまうかもしれない、
それに、こんな短いメッセージで終わらせたら、
配信もツマラナイんじゃないの?
と我欲が出てきた。

そして、フォローのメッセージをもらおうと「青い鳥の本」を開いた。
ざっと目を通すと、ちょうどさきほどのメッセージと対になる部分だった。

でもなぁ。これ、この前も読んだしなぁ。
そう、数日前の収録に使ったページだったのだ。
そこでまたしても我欲があらわれた。
同じものを聴いてもらっても仕方なくない?と。

そして最後、「薔薇色の鳥の本」で締めくくろうとページを開いた。
まとめにふさわしい言葉のページだった。
あぁ、綺麗にまとまった、とホッとして、
3冊からそれぞれを読み、今日のメッセージとした。

そして。
収録を聴きなおしてはっとした。
最後に選んだ「薔薇色の鳥の本」に
「自分の想いを相手に伝えてくれるのは、受け売りではない、自分自身の言葉だけ」
とあるではないか。

我欲で次々と本をひいた自分が恥ずかしかった。
短い言葉でもいい。
放送がつまらなくてもいい。

伝えたいのは、
今日をいきる-あるいはいかす-ためのメッセージなのだ。

迷うこともあれば、
なにもかもを捨てたくなることもある
どうしようもない自分を責めてしまう時だってある。

勇気が出せずにうずくまることもある。
それは
誰にだって起こりうると知っている。

ひとりじゃないよ
越えていける
越えなくてもいいよ。
力がたまるまで待ってもいい。

ちゃんと、歩き出せるから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?