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挑戦 山中伸弥 藤井聡太

年齢は違えど、知名度・地位もある2人の対談を記録した本。

とても良かった。
何が良かったって、インタビューのようなカチッとしたコメントではなく、
2人が普段何を考えているのか、何が趣味なのか、コロナ禍をどう過ごしたのかという、裏話を聞いているような感覚に陥った。

どうメンタルをコントロールするかという話になった時、
藤井氏は、悪手を指したと思ったら、完全に切り替えるのは難しい。対局中に気づいた時は精神的にかなり落ち込むが、それを対局中に考えるのはマイナスにしかならないため、ぱっと切り替えて今の局面における最善手を探す。
と言っていた。いつも最良手を指していたと思っていたが、藤井氏も人間であり、悪手を打つことがある。しかし、功績を残す人はやはりこういった局面に長けている。

山中氏も、IPS細胞という再生医療分野を飛躍させた教授だが、
実際は医学部を卒業し、海外で研修医をしていた時は邪魔者扱いを受けたこともあった。人生がうまくいかず、これからの人生をどうしようかと悩んでいる時、奈良の研究室から採用され、そのままIPS細胞を発見することとなった。
その時の題目は「人生何が良くて何が悪いか分からない」ということだ。

地位を確立している人が「何も挑戦しないのがいちばんの失敗」だと言う。
山中氏は、『仕事は楽しいかね?』(デイル・ドーテン著)に書かれていた大事なことは「試す」ということで、世の中の成功者は誰よりも「試す」を繰り返してきた。だいたいはうまくいかない。それでも、とにかく挑戦しなければ何も始まらない。十回やって九回が失敗でも一回の成功するかもしれない。コツコツ努力を続ければ、十回に九回の失敗が八回に減るかもしれない。失敗しても努力を続けることが大切だ、結果を楽しめ。と言う部分を紹介していた。

すごく為になる部分が多く、藤井氏がAIと将棋を指していたこともあり、
これから人とAIとがどう生きていくのかということも2人で対話している。

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