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20歳のときに知っておきたかったこと

なぜ20歳に限定されたようなタイトルがつけられているのか。
この本は、著者の息子が20歳になったときに、20歳になった息子に向けて言いたいことをまとめた本であるからだ。
その為、本書を読むとタイトルに惑わされずどの年代にも通じる話であることがわかる。
本書の中で「あなたの思い込みは、世界を見る窓そのもの。汚れを落とさないと光が入ってこない。」というフレーズがあった。私はこの言葉に魅力を感じた。「汚れ」つまり、固定概念の事であると解釈する。
「失敗してはいけない」「人と同じことをしなければならない」
長く生きていると自分の中の固定概念が育つのは必然である。ただ、日常でその固定概念を疑うことはしない。自分の思い込みであることを、常識であると「思い込んで」しまう。自分の固定概念で、見れる世界が狭まってしまうのはもったいない。
私は、本書の「20歳のときに知っておきたかったこと」を言い換えると「チャンスを逃さないために知っておきたかったこと」であると思った。
著者自身、女性であることで興味のあった脳科学の道を反対された経験がある。後ろ指を刺されたり、相手にされなかったり、自分の興味のある分野に対して、周りの「女性」という概念から学ぶ機会を与えられなかったのだ。しかし、著者は諦めず、チャンスが巡ってくるまで、その分野を学ぶことから離れなかった。そして、著者は巡ってきたチャンスを手に入れたのだ。
女性が勉強する学問ではないと周りの固定概念に左右されることなく、「誰かは自分の考えに賛同してくれる人がいるだろう」とそのチャンス(機会)を逃さないために、行動することをやめなかったのだ。
本書は、そんなチャンスを逃さない為に、リスクをとってたくさん挑戦することを勧めている。リスクなんて取りたくないと安定思考になる人もいるかもしれないが、著者はそんな「従来の思考法に閉じこもり他の可能性を排除すること」を恐ろしく「楽」な行動あると言っている。リスクを取らないことが安定につながると思っている人は、この言葉を聞いて楽な方に逃げているだけだと考え直した方がいい。
本書を読むと、チャンスを逃さなかった人の思考や行動を著者や著者の周りの人を例に挙げ、取り上げている。また、著者がスタンフォード大学で取り組んだ授業で学生の行動からどんな観点で物事を見たのか、それがどう結果に影響したのかも書かれていて、気づきや学びをチャンスに繋げる考え方も読み取ることができる。
今、自分が取り組んでいることが何かのチャンスに繋がるように、繋げられるように、本書からヒントを貰うことができるだろう。


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