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「尻込みしない子」の子育て法

『みやざき中央新聞』は全国の価値あるセミナーを取材した中から、
感動した~!おもしろかった~!為になった~!という心が揺るがされた話だけを掲載している全国紙です。
読んでくれた方の人生がより豊かなものになることを願って創り続け全国へ発信しています。
上田情報ビジネス専門学校が開校70周年を迎えました。今回のお話は、ここの校長・副校長を務め、「日本一受けたいココロの授業」でお馴染みの比田井美恵さん・和孝さんご夫妻の子育て・教育方針についてです。

授かりものではなく預かりもの

 長野県上田市で小学6年生のカンタと出会ったのは昨年11月のことだった。

 おもしろい子だった。大人と話をすることに全く尻込みしない。普通、大人と子どもの会話というと、大人から一方的に質問することが多い。

 「いま何歳?」「12歳です」

 「学校は楽しい?」「はい」、こんな感じ。

 そもそも子どもは知らない大人と言葉を交わすことに慣れていない。

 でも、カンタは言う。「水谷さんは何をしているときが一番楽しいですか?」 

 (すごいなぁ、この子)と思った。

 カンタは誰にでも話しかけることができるという。なぜそんな子になったのか。

 両親の比田井和孝さんと美恵さんの共著『私が一番受けたいココロの授業~子育て編』を読んで、それが分かった。親が意識的にそのように育てたのだ。 

 たとえば、乳幼児の頃からカンタを近所の人が集まるところに連れていき、いろんな人に面倒を見てもらった

 もう少し大きくなると一人旅をさせた

 最初は5歳のときだった。近くの駅に連れていき、「何かあったらこれを駅員さんに見せてここに電話してもらうんだぞ」と、和孝さんは自分の携帯番号を書いたメモを渡し、電車に乗せた。降りるのは二つ先の駅だ。その駅に先回りしてカンタを待った。胸がドキドキした。

 カンタが改札を出てきたときは胸をなでおろした。「おまえ、すごいなぁ」と褒めると、「ドキドキして心臓が口から出るかと思った」とカンタ。二駅といっても5歳の子には大冒険だった。

 9歳のときはおにぎりを持って往復7時間の旅に出た。途中で乗り換えもあった。帰りの乗り換え駅で切符がないことに気付いた。人生最大のピンチ。しかし、自分で何とかするしかない。「逮捕されるかもしれない」と覚悟して、駅員さんに「切符をなくしました」と正直に話した。駅員さんは「次から気を付けるんだよ」と言って通してくれた。

 和孝さんは言う。「子どもって何度も失敗を重ねるうちに成長していくんです」

 小学3年生のとき、校庭の木の実を取ろうとして下から石を投げていたら、その石が友だちの頭に当たった。学校で起きたことなので、担任はその子の家に謝罪の連絡を入れた。

 母親の美恵さんはそのことを連絡ノートで知った。すぐカンタを連れて先方の家に謝りに行った。子どもが何かやらかしたら親が頭を下げて謝るその「姿」を息子に見せなければならないと思った。

 そのとき、「あんなことをしたからお母さんが謝らなきゃいけないでしょ!」と子どもに言ってはいけない。親が言うべきは「大切なことを学んだね」だけでいい。

 美恵さんが謝りに行ったとき、先方の親が言ったのは「この傷、どうしてくれるんですか?」ではなく、「お互いさまですよ。うちの子だっていつ同じことをするか分からないですから」だった。その言葉がありがたくて涙が出た。

 その話を聞いた和孝さん、「もし逆の立場で相手の親が謝りに来たら、私も『お互いさまです』と言おう」と心に決めた。

 カンタが生まれたのは結婚してから7年後、もう子どもを諦めていた頃だった。

 妊娠が分かってから、2人は「世の中には理不尽なことがたくさんある。ならば家庭でも理不尽なルールをたくさん作ろう」と決めた。たとえば、おもちゃは絶対買わないとか、テレビが観れるのは土日に1時間だけにしよう、とか。 

 子どもは天からの「授かりもの」ではなく、「預かりもの」であるという。

 「預かった子どもは社会にお返しする。そのとき、たくさんの人のお役に立てる人間に育て上げることが親の役割であり、たくさんの人から『君が必要だ』と言われることが子どもにとって一番幸せなことです」と和孝さん。

 この家庭の教育方針は、2人が校長・副校長を務める上田情報ビジネス専門学校の教育方針にもなっている。

 幸せな子どもを育てる。家庭と学校と社会は、この一点で繋がってほしい。
  (みやざき中央新聞 魂の編集長 水谷もりひと 2016/03/07号社説より)

最後までお読みくださいましてありがとうございます♪
子どもは「授かりもの」ではなく「預かりもの」なんですね。
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