年を取っても勝手に創れる若々しさ~日本講演新聞
トキメキと学びを世界中に~ニュースを載せない日本講演新聞がお届けします。
随分前の小欄に放送作家・永六輔さんのことを書いたことがある。
永さんは子ども時代にいじめられていた。
自分をいじめた連中に会いたくないので、成人してから同窓会には一度も出席したことがなかった。
還暦の年、同世代の人が健康を害したり、病気で亡くなっていくのを見て、昔の友人のことが気になり、同窓会に初めて顔を出した。
気になったのはいじめられていた時にかばってくれた級友のことだった。
「そいつにだけはお礼を言っておこう」と思った。
その男は会場にやってきた。
しかし名前が出てこない。
とりあえず「やぁ、久しぶり」と声を掛けた。
そしてこう言った。
「お前に会いたかったよ。お前にどれだけ世話になったことか。お前がいてくれたお陰で俺は不登校にならずに済んだ。本当にお前には感謝してる」と。
彼は奇妙な顔をした。
もしかしたら自分のことを忘れたのかもしれない。
「お前、俺を忘れたのか?」と聞いた。
すると彼は言った。
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