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忘れない景色




人って皆、忘れられない景色があると思うんです。


人って匂いが一番記憶に残ると言いますよね。

元カレとか、好きだった人、
仲良かった友だち、‥

私も街中で元カレと同じ匂いの人がいたら
振り返ってしまうし
記憶も鮮明に思い出しちゃうんですよね。

2年も前なのに。



で、今日書きたかったのは匂いじゃなくて
景色の話。


随分前に好きだった人は、大阪に住んでる人で
私は夜のお仕事しながら
大阪に会いに行ってました。



基本、営業終わりに始発で向こうに行って
家に泊まってゆっくり過ごして
次の日の夕方に帰ってきてそのまま出勤。


みたいな。


けど、最後に会った日は
2連休が取れたので、1日目はゆっくり家で過ごして
2日目は大阪で初めてデートをしました。


新世界で食べ歩きして
通天閣に初めて登りました。


展望で座りながら夕日を見て
「明日には帰らなきゃ」と思いながら
一分一秒を噛み締めるように過ごしました。

その時に

彼が昔の話をゆっくり
彼の独特なペースで。

嬉しかったことや、嫌だったことを

話してくれて。


それが例え嘘でも

私に向けてくれる声と視線が愛おしかった。



私はそれを聞きながら

夕日を見つめながら泣きそうになって。


彼の話が一通り終わったところで
軽く涙腺が緩んでいたのがバレないように


どっちが夕日の写真綺麗に撮れるか勝負しようと
持ちかけました



少し涙が浮いてた私には

過去、これまでに見た夕日の中で一番綺麗な夕日でした。




彼は10個以上歳が離れていて、

100歳まで生きると言った私に優しく微笑んでくれる人でした。


そんな彼が大好きでした。


強く、強く生きている彼に

私は釣り合えないような気がした。




二度と忘れない、夕焼けでした。



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