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弟の言いまつがい

母からケーキの写真が送られてきた。

ケーキが5つ。母と、祖母と、叔母と、祖父、そして弟の分らしい。
弟が母の日にとケーキを買ってきたそうだ。

私はその成長ぶりに感動した。
弟は現在中学3年生、8つ離れているから、わたしにとってはまだまだガキンチョで、なんならまだ小学生のままで時が止まっている。

そんな弟が、どうやら母の日に、母だけではなく近所にいる祖母たちにもケーキを買ってきたらしい。
私がまだ高校生の頃、少ないおこづかいをもって「面倒くさい」という弟を家から連れ出し、一緒に母の日のケーキを買いに行っていたことを思い出す。なつかしい、あれを弟は引き継いでいるのか。

我が家は母の日と言えばお花ではなくケーキだ。
母の日、母の誕生日に何も用意していないと毎回ブチギレる母が
「ママはケーキが好きなんや!ケーキを買ってくれればそれでいいんや!」
と言ったので単純で面倒くさがりな私がとりあえず毎回近所のケーキ屋へ行くようになったのである。
それで母の機嫌が保たれるなら、たやすいもんだ。
そんな私の適当な、贈り物が弟に受け継がれていることがなんとも恥ずかしく、ほほえましく思った。

そんなこんなで弟が少し恋しくなった時、
ツイッターの下書きにためていた弟のひどい言い間違え集を見つけたので、
ここで消化しようと思う。


公務員になった従兄弟が、父に高級ブランドの財布をプレゼントしたという話を聞いて。
弟「涼にいちゃん(従兄弟)、腹デカいなぁ」
私「それ太っ腹やろ」


何の脈絡だったかは忘れたがおそらく何か分からないことがあったとき。
弟「ウィキウィキペディアで調べたら?」
私「…ウィキペディア…?」


年末、テレビで流れる紅白歌合戦を家族で観ていたとき。
弟「あ!桑田真澄や!」
私「それ、桑田佳祐」


共通のアニメの話になり、中学校では流行っているけど私は知らないだろうとなめた弟が放った一言。
弟「え、これ知ってんの?ミーハやな」
私「ミーハーな」


ふとしたとき
弟「工藤ふみかがさ~」
私「だれ?」
弟「木村拓哉の奥さん」
私「工藤静香な」


急に口ずさみはじめたとき
弟「嵐の少年ヒカリの~♬」
私「ガラスの少年時代の~♬な?」


最近の学校での様子を聞いていたとき
弟「最近かわいい先輩彼氏と別れたらしい~!チャンス?」
私「せめて寝ぐせ直してからいいなさい」
弟「ヘアオイルでやって~」
私「ヘアオイルで…?」
弟「あのあったかいやつ」
私「あったかいの…?ヘアアイロン?」


あまりにも弟の言い間違いがひどいのでクイズ形式にしたとき。
私「ドーハの?」
弟「ドーハの歓喜!」
私「奇跡やろ」
私・弟「…え?」
インターネット「ドーハの悲劇」



これ、全部昨年の年末に帰省した一週間での弟の言い間違い。
なんともあほらしいけど、くすっと笑えてなんだか弟が恋しくなってきた。
私の誕生日にも「ケーキ買ってあげるから帰っておいで~」だって。
なんと。愛おしいやつめ。

我が家の日常の、言いまつがい集でした。


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