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安心と信頼

私が最も信頼する人物、伊坂幸太郎。
フワちゃんの「伊坂作品は、価値観のジュエリーボックス」という対談記事を読んで、伊坂作品が好きだ!という言葉を本人に直接届けられることがうらやましくて、わたしは細々とここで叫ばせてもらう。

何度でもいう。安心と信頼の伊坂幸太郎。
もうこれは私の中での常套句だ。

何か本が読みたい、だけどのめりこめるか不安だ、
何を読めば作品に没頭できるのか、
それらを考えたとき、迷わず手に取るのが伊坂作品。
伊坂作品を読めば、間違いなくその世界に夢中になれる。
この本を読んでよかったと思える。
そんな、安心と信頼なのだ。

一番初めに読んだのは「アイネクライネナハトムジーク」
見事な伏線回収に感嘆し、読み終わった後に「これはすごい…」とつぶやいたのを覚えている。
その次が「チルドレン」「サブマリン」
これらは私が伊坂作品に、のめりこむようにしてはまっていったきっかけとなる本だ。
とにかくこの作品にでてくる陣内がわたしは大好きだ。
現実にいたら本当に頭のおかしい、振り回されること間違いなしの人物。
なのにわたしはこの陣内という男に魅了され、
挙句の果てに本気で家庭裁判所調査官になりたいと思っている。
これが伊坂作品の怖いところだ。
なにせ一つの作品に一人は必ず、どうしようもないほど惹かれる人物がでてくる。
陣内の次にわたしが惹かれたのは、もはやシリーズ化している黒澤だ。
愛すべき空き巣泥棒、そう、あの黒澤だ。
危ないところだった。もしわたしが初めにフィッシュストーリーを読んでいれば、間違いなく空き巣泥棒になっていた。
そのくらい、伊坂作品の登場人物は光っているのだ。
あとは「砂漠」の西嶋、彼はセリフのひとつひとつがメモをしたくなるくらい、彼が宗教を開けば間違いなくわたしは入信してしまうだろう。
そして「マリアビートル」の殺し屋コンビ蜜柑と檸檬。
もうこいつらの噛み合っているようで噛み合っていない会話で何度笑いをこらえたことか。フワちゃんも言っているけど、このコンビがラジオパーソナリティーをやっていたら絶対に聴く。

本当に、伊坂作品の登場人物は変なのに愛おしい。
本を閉じるとき、毎度笑顔になっている自分がいる。暗殺、謀略、どんな暗そうな作品でもだ。
ああ、今回も愛おしい人物を発見してしまった、
伊坂幸太郎、今回もやりよったな…
そう思わずにはいられないのだ。
伊坂幸太郎作品を何作読んでも、毎回毎回違うところから仕掛けてくる。
ここがこうつながるのか!なんて奴だ!
毎回衝撃を与えられる。

伊坂幸太郎は天才だ。
一風変わった陣内に何年もあこがれ続けている、どうしてくれるんだ。

私はこれからも、伊坂のしっぽをつかんでやる!と意気込みながら彼の作品を読み、それを嘲笑されながら伊坂作品に、彼の作品の登場人物に振り回され、今回もやりよったな伊坂幸太郎と思いながらにこやかに本を閉じるのだ。

悪いことは言わない、全人類とりあえず伊坂作品を読め。
読まないなんて、どうかしてるぞ。

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