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古くてちいさな町のちいさな蒸留所

こんばんは。本日も特集の時間がやってまいりました。
世間はゴールデンウィーク。今回は遠くに行かれる方も多いのではないでしょうか。雨が降ってしまうと気が滅入ってやる気が起きませんが、そんな夜は雨音でも聴きながらウイスキーのグラスを傾けるのも乙ですね。

本日ご紹介いたしますウイスキーはベンロマック[Benromach]
ベンロマックとはスコットランドの古語ゲール語で「草木の生い茂る山」と言う自然味に溢れている名前。

ベンロマック蒸留所

スコットランドに限らず、ウイスキーの話しをするときに必ず出てくるのが蒸留所の歴史…もとい、【事件】です。

ベンロマック蒸留所の始まりは1898年。F.W.Brickmann(ブリックマン)とJohn Callum(ジョンカラム)の二人の手によってスタートしましたが、その同年、二人に関係の深いブレンダー会社パティソンズ社が倒産。多くのウイスキー蒸留所が大打撃を受けました。

ベンロマックも例外ではなく、それでもなんとか事業を続け2年後の1900年に蒸留をスタート。しかし同年に閉鎖を余儀なくされます。

1911年にベンロマックはハーベイマクネア&カンパニーに買収され生産を再開。しかし、不幸にも第一次世界大戦で大麦が不足したためにほとんどの蒸留所が閉鎖されるのと同様に1914年に生産を再び停止しました。

その後も蒸留所の所有者が幾度と代わり、大手DCLの傘下になったのが1953年のこと。

このように蒸留所の歴史には【事件】が盛りだくさん。
まだまだ続きます。

蒸留所の重要なお二人

DCL社の買収により、生産が安定したベンロマックでしたが戦後のウイスキー需要に備え生産を拡大。しかし、ここで起きた一つの事件、ウイスキーロッホ(ウイスキーの過剰在庫)に直面することとなります。

需要と供給のバランスが崩れ、ウイスキーの過剰在庫となってしまいDCL傘下の過剰在庫整理の為に1983年に閉鎖。

近くにあったダラスデュー蒸留所はその設備をうまく活用し旧蒸留所をビジターセンターに改装。1988年には博物館としてオープンし歴史的建造物となりました。

一方、ベンロマックはディアジオ社(旧DCL社)によって解体。どんどんと寂れていく蒸留所は廃れていく一方でした。しかし、歴史とは不思議なもので1993年にG&M社に買収され再会の道を歩むこととなったのです。

駅から歩いて5分のベンロマック蒸留所

ベンロマック蒸留所の大きな特徴は"職人魂"。まさにクラフトマンである。
蒸留のカットも、貯蔵庫に樽を持っていくのも一つ一つ転がしながら保管していく。樽の管理も昨今ではバーコードに変わっていき、スキャンすれば情報が出るようになっているがここでは樽の一つ一つにペイントをし記録しています。
「こういう作業を近代化してしまうと僕らの魂がなくなってしまう気がしてる。」
そう蒸留所で働く人たちは言います。

ベンロマック蒸留所の温かみに触れたところできっとお酒の事が知りたくなってきたと思います。
今回ご紹介いたしますはこちら。

ベンロマックカスクストレングス2010


<公式コメント>
より濃厚で厚みあるベンロマックが堪能できる樽出しバージョン。
1stフィルシェリーホグスヘッド熟成の芳醇な味わいをぜひ!

スペイサイドにおいて近年熱い注目を浴びる蒸留所「ベンロマック」。
新パッケージとなり、各種ラインナップを発売しておりますが、すべて入荷即完売となる人気ぶりです。

そして今回も期待の1本が登場となりました。
前ビンテージも大好評だったカスクバージョンの新ビンテージ、ファーストバッチがついにお披露目です。
ファーストフィルシェリー樽熟成による濃厚かつパワフルなベンロマック。
より力強い味わいが好みの方には絶対に見逃せない1本でしょう。
旧パッケージ時代からカスクバージョンは熱烈なファンが多いので、今回も完売となる前にぜひとも確保ください。

香り:芳醇なシェリー、スパイスに続いてオレンジピール、ダークチョコを感じる。
味わい:煮込んだフルーツと濃厚なはちみつが焼きリンゴに変化する。甘いレッドベリーがわずかな粗挽き胡椒を伴って現れる。
フィニッシュ:柔らかいスモークと甘いフルーツを感じる長くフルボディなフィニッシュ。

ベンロマックの紆余曲折の歴史と共に味わってみてはいかがしょうか。



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