海の魔法
薄明かりの中、アルスは目を覚ました。木漏れ日が小屋の窓から差し込み、静かな森の朝が広がっていた。彼は身支度を整え、師であるエルフの女性魔術師リゼリアの元へ向かった。リゼリアは幼少の彼を助けてくれた恩人であり、彼が家族を失った戦火の中で涙を流して泣いていた時、彼女が現れて救ってくれたのだ。
リゼリアの元で生活する日々は、最初は母と子のような関係だった。アルスは彼女の魔法を学びながら、彼女の元で平穏な日々を過ごしていた。しかし、歳を重ねるごとに、リゼリアの美しさに気づくようになった。彼女の長い銀髪や、優雅な立ち居振る舞いに心を奪われることが増えていた。
ある日、リゼリアは突然アルスに言った。
「アルス、私は長い間この森で生きてきたけれど、海が見たいの。あなたと一緒に旅に出たいと思うのだけれど、どうかしら?」
アルスは驚いたが、すぐに同意した。
「もちろんです、リゼリア様。一緒に海を見に行きましょう。」
彼らは旅の準備を整え、森を出発した。道中、リゼリアはアルスに様々な魔法や知識を教え続けた。彼女の教えはアルスにとってかけがえのないものであり、彼女と一緒にいる時間は宝物だった。
数日後、二人はようやく海にたどり着いた。広がる青い海と白い砂浜を見て、リゼリアは感嘆の声を上げた。
「こんなにも美しい場所がまだあるなんて、素晴らしいわ。」
夕方になり、リゼリアはアルスに言った。
「せっかく来たので泳ぎたいのですが、もう3000年近く生きてきた年寄りの私が水着で泳ぐなんて恥ずかしいから、夜の砂浜で泳ぎましょう。」
アルスは心配しつつも、彼女の提案に従った。月明かりが砂浜を照らし、静かな波音が心地よい夜だった。リゼリアが水着姿で現れると、アルスは息を呑んだ。3000年近く生きてきたとは思えない彼女の美しさは言葉にできないほどで、心が熱くなるのを感じた。
「リゼリア様、とても綺麗です。」アルスは思わず言った。
リゼリアは微笑み、アルスを抱き寄せた。
「ありがとう、アルス。でも、今夜はあなたのその熱いエネルギーを解放してみましょう。」
リゼリアはアルスが自分を見る視線に気づいていたのだ。
そして、それが人間の年頃の少年が持つ当たり前の感情であることも。
リゼリアは月光の下、身に着けていた薄い布を取った。そのまま二人は砂浜で抱き合い、互いの存在を確かめるように体を重ねた。
二人がひとつになったその瞬間、アルスはリゼリアへの愛情と感謝が溢れ、彼女を一層愛おしく感じた。
そして、アルスの身体から激情がほとばしり、リゼリアの身体の奥深くへと吐き出された。
彼女もまた、彼を抱きしめながら、自分がどれほど彼を大切に思っているかを実感し、その感情に身を任せて、はしたなく叫びながら、何度もアルスを求めた。
翌朝、二人は身体も心もすっきりとした気分で目を覚ました。アルスはリゼリアに言った。「リゼリア様、僕たちはこれからも一緒にいられますか?」
リゼリアは優しく微笑み、アルスの頬に手を当てた。「もちろんよ、アルス。これからもずっとあなたと一緒よ。もしかしたら、三人になるかもしれませんね」
二人は荷物をまとめ、故郷の森へと帰る準備を整えた。帰り道もまた、新たな冒険の始まりだった。リゼリアはアルスが求めると、その美しい身体を惜しげも無く差し出した。
リゼリアとアルスは、これからも共に歩む未来を思い描きながら、故郷への道を進んでいった。
彼らの旅は終わりを告げたが、その絆は永遠に続くものだった。リゼリアとアルスは、互いに支え合い、愛し合いながら、新たな日々を迎える準備ができていた。
[おしまい]
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