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【障碍者が稼ぐためには?】スキルアップのススメとマルチスキルのススメズ

改めて述べるが、ぼくが掲げる旗印は「障碍者だって稼ぎたい!」である。
稼ぐための方法の内、会社で働く事を考えた場合、より多く稼ぐためにはより多くの価値をぼく達が身に着ける必要がある。つまり、スキルアップだ。
何人かの方はスキルアップという文字列に拒否反応を示すかもしれない。気持ちは分かる。いかにもしんどそうで、意識高そうで、堅苦しそうだ。
そしてその予想は往々にして間違っていない。スキルアップに費やす時間は遊べないし、リラックス出来ないし、親友と駄弁る事も出来ないからだ。
しかし、ここでもう一度ぼく達の置かれている状況とそこから見える未来を整理してみてほしい。
ぼく達は障碍者だ。そんな障碍者に向けて募集をかける求人は、通常300万とされる平均年収を大きく下回る200万以下が相場だ。
それでも障害を持っている自分を雇ってくれたのだから、とぼく達は働くだろう。懸命に働いて、働いて、それでぼく達は何歳まで生きていけるだろうか。
障害年金を組み合わせればある程度はいけるかもしれない。しかし、貰えない人も多くいる。
出費を切り詰めればもっと長生きできるかもしれない。しかし、全て全て切り詰めて、食べて作業して寝るだけの生活に歓びを感じられる人が全てだろうか。
或いは、長生きなどしたくもないという方もいるかもしれない。それはそれで生き方だろう。しかし、それならばより短い生をせめて充実させたいと思うのは変だろうか。
ぼく達の生活が薄氷の上に成り立っている事は明らかだ。病に罹ったら?事故に遭ったら?普通の人が蓄えられるだけの貯金を、今のままのぼく達では蓄えられない。それを成すには、稼ぐしかないとぼくは思う。
そして、肉体や精神あるいは知能にハンデを背負っている事実を自覚してなお稼ぎたいと願う以上は、障害を隠すにせよ表すにせよ、健常者を上回る努力が必ず求められる。
ぼく達が人並以上に稼いで生きていくためには、相応の代価が必要なのだ。
苦しいかもしれないが、まずはここを納得してほしい。
そしてこの重い唾をグッと呑み込めたのなら、後は早い。必要が分かれば意識はそちらを向くように出来ている。
さぁ、クソったれの資本主義ピラミッドをぼく達障碍者の力で踏破しよう!


……と決意したはいいものの、スキルアップとは結局何をすればいいのか?で躓く方がいるかもしれない。
決して難しい事ではない。時間と集中力を費やして、お金になる技術を身に付ければいいだけだ。お金になる技術とは、誰かに求められている技術でもある。
沢山の人に求められる技術を高度に習得すればするほど、ぼく達の価値は上がっていく。構造は極めてシンプルだ。
後は時間とエネルギーとお金をどれだけ効率よく投資できたかの勝負になるが、恐れる事はない。世の中を見渡してみると、結構皆サボりがちである。
家族の事情、友達付き合い、職場の飲み会、仕事で溜まった疲れをリフレッシュ……無論これらも必須ではあるのだが、あまりにも自分の成長に時間を掛けられないのは問題だ。
しかしこれを裏返して見れば、誰であろうとスキルアップのための時間は確保できるという事でもある。
それでも中々体が学習へと進まない……という方のために、なるべくスムーズに生活の中に学習を取り入れる一つの方法を紹介してみよう。


多くの場合、行動は意思によって決定されると言われている。意志力なんて定義の曖昧なワードが跳梁跋扈する世の中だ。
ぼくはこの風潮に疑問を呈したい。仮に意思→行動が真であったとしても、鋼のような意思力を持っている稀な人以外にはあまり役に立ちそうもない仮説だからだ。
ではここでもっと多くの方に役立つよう、行動に繋がる要素を再定義してみる。一考するに、行動を決定する最大の要因は状況ではないだろうか。
例として、目の前に片思いしている人がいる状況を想定してみよう。
一万を超えるゴキブリが蠢いている暗室の中で、あなたは告白したいと思うだろうか。
或いは、七色のイルミネーションが踊る夜の街を一望できるスカイツリーの展望台レストランで二人きり、という状況ならどうだろう。
確かにどちらの状況でも告白は出来るが、その難易度と効率には雲泥の差があるのは明らかだろう。

行動に掛かるコストは状況に大きく左右される。ならばその消費を不確かな意志力で乗り越えるよりも、状況を操作して最小コストに抑える方が論理的な解決策だろう。デートの前に一張羅を着込むのも高いお店の予約を取るのも、目的の行動にかかるコストを最小にするための工夫なのだ。
これと同じ事をスキルアップにも適応すれば、ぼく達はもっと簡単に自分の実力を伸ばせると考えられる。
たとえば、枕元にテキストを置いてみる事も有効だ。朝起きた直後と夜寝る前に、とりあえず開いてみる状況が作れる。勉強机やデスクトップの整理整頓も重要な要素だろう。集中できる状況作りは効率の良い学習を助ける。
このようにそこかしこに勉強しやすい状況作りの布石を打っておくことで、ぼく達はもっと気軽に自分自身を高める事が出来るようになるのである。


しかしここで注意が必要なのは、広い範囲のスキルを一気に習得しようとしない事だ。タイトルにもある通り、マルチスキルアップはオススメしない。
何故ならスキル一つ辺りに割ける時間が減る上に、その減った理由が「だって別の××を勉強していたから」と反論しにくい構成になってしまうからだ。

子供にスポーツを習わせるとして、野球とサッカーとバスケットボールを同時にやらせる親はいないだろう。それと同じ事である。
継続は力なりという古くからのことわざにもある通り、体力であれ学力であれ、物事は継続する事で真に身についていく。
反対に、あれこれと手を出してしまいブツブツと継続が途切れた結果、最後には何も身につきませんでしたというパターンも枚挙に暇がない。
これではあまりにも努力が報われず、非効率だ。特にぼくのような発達障害を持つ方は、とことんシングルタスクに拘る事を勧めたい。
基本は一つ、息抜きにその周辺の知識を齧る。それ以外のスキルは、まず一つを習得してからにする。
逸る気持ちをコントロールしながら、一歩ずつ自分の階段を上っていこう。何度も言うようだが、焦る必要はない。
日本において真摯に自分のスキルアップに取り組む人は数少なく、そしてぼく達は既にその意味と価値に気付いているのだから。

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