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“ウニッコ”柄のスケール感/心地よく安らぎを感じるさくらんぼ柄(シリーズ最終話)

布・生地の通販サイトnunocotofabricさんより発売中のテキスタイル「key to the cherry「blooming」(総称:cherry comes true)
どちらもさくらんぼをモチーフとした大柄のデザインは「思い描いた未来と一体化したような、心地良く安らぎを感じるさくらんぼのテキスタイル」がコンセプトです。

key to the cherry(グレージュ)

今回はさくらんぼシリーズ3部作のラスト、大柄のデザインを制作することが自身のテーマとなりました。
そのお手本に選んだのは北欧デザインブランド「マリメッコ」の代名詞とも言える「ウニッコ」。誰もが目にしたことがある、ケシの花をモチーフにした生命力のあるデザイン。こちらはマリメッコの伝説的デザイナーで、画家としても活躍したマイヤ・イソラ(1927-2001)によって1964年に生み出されました。世界中で長く愛されている定番の柄です。
60周年を迎える今年2024年は、日本でも限定アイテムを販売するポップアップや、新作ウェアを紹介するイベントなどの開催が予定されているそうです。

ウニッコの魅力に学ぶべく、当の私はユザワヤの店舗にてウニッコのカットクロスを2種類購入します。通常のウニッコとミニウニッコ、室内インテリアを意識し、リラックス感のある配色を選びました。
自宅に戻って実寸を定規で測り、サイズの目安としました。

ウニッコ計測中

カットクロスで得た情報から2種類のさくらんぼ柄ができあがりました。
まずは1つめ「key to the cherry」です。

「key to the cherry」

こちらは幸福を呼び込むシンボル「鍵」を加え、さくらんぼには永遠性を表す天球のように「ごろん」とした動きを与えています。

こういった装飾の意味については鶴岡真弓さんの編著「すぐわかるヨーロッパの装飾文様」(東京美術)を参照しました。厚すぎないページ数に、装飾美術の起源や由来、現代にどう活かされているかといった事例など、豊富な内容が写真と共に分かりやすく解説されています。A5サイズで携帯しやすく、世界中を旅しているかのような気持ちになる。非常に充実した一冊です。

「すぐわかるヨーロッパの装飾文様 美と象徴の世界を旅する」鶴岡真弓編著(東京美術)

続いて2つめのデザイン。
モチーフのサイズはミニウニッコに倣いつつも、余白を意識的に取った「blooming」です。 

「blooming」

こちらは装飾モチーフを抜き、さくらんぼだけでシンプルにまとめました。

blooming(ノスタルジックピンク)
素敵なお写真はnunocotofabricさん。いつもありがとうございます。

こうしてさくらんぼ3部作が揃いました。(大柄はさらに2種類)

全てのデザインはコチラからご覧いただけます

ウニッコを手掛けたマイヤ・イソラは500以上ものデザインをマリメッコに提供されたそうです。現在、私は約40柄。まだまだデザインできるんだと思うとワクワクします。
先人たちのデザインを紐解きながら、現代で生活をする人々の暮らしを彩り、心の幸せに貢献できるようなデザインを制作していきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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