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マインドフルネスの前に知っておきたい《レジリエンスゾーン》

昨日、マインドフルネスの前に知っておくべき《意識の向け方の重要性》について記事にしましたが、本日はその続きです。

昨日は意識の向け方のズレに「気づく」ことができるか、という話がメインでしたが、ここでもう一つ「気づく」べきことがあります。

それが本日お話ししたい《レジリエンスゾーン》です。

人間の生産性が著しく下がる2つの領域

社会人の方にとって仕事をしている時、学生であれば部活をしている時、自分のパフォーマンスが著しく下がってしまった経験はないでしょうか?

私を例にすると、仕事であれば気分が優れずミスを連発して凹んでしまった時、部活であれば大事な試合で大きなミスをしてスランプに陥った時、など自分のパフォーマンス、言い換えるなら生産性が著しく下がってしまった苦い記憶があります。

ただ、実は気持ちが沈んでしまっている時ばかりが生産性が下がるときではありません。逆に気持ちが上がりすぎてそこから沈むとき、例えば仕事の山場を超えた翌週や、大事な大会を終えて達成感に溢れた翌週など、どうにも生産性が下がっている気がしてならない...こんな経験ないでしょうか?

無気力で動けなくなる状態と、過覚醒でガス欠になる状態。いずれの状態も危険な状態であり、そういう状態に陥らないよう、しなやかに適応する力を《レジリエンス(Resilience)》と言います。

レジリエンスゾーンとは?

近年ダボス会議でも取り上げられ、ビジネスのシーンでも耳にするようになってきた《レジリエンス》という言葉。以下のサイトではレジリエンスについて丁寧にまとめられています。

こうしたとき、「変化に抵抗し、ダメージを抑え、創造的に飛躍することで、最後は成長につなげられる」という考え方が、現在グローバルで「レジリエンス」を議論されるときのニュアンスにもっとも近いと言えるでしょう。

私もしばらくこの認識でしたが、この「変化」について、苦しい時や沈んでいる時など1通りしか考えていなかったので違和感が残っていました。

先ほど紹介したように危うい「変化」は2種類存在します。無気力でもダメですが過覚醒でもダメであり、二重の抵抗が必要なのでは、とずっと引っかかっていました。

そこで、先日参加した研修講師のジェレミー・ハンター先生が示してくれたのが以下の図です。これを見て、今までの違和感が一気に解消されました。

憂鬱で無気力なブラック・ゾーン(Hypo Arousal)と、過覚醒でガス欠寸前のレッド・ゾーン(Hyper Arousal)。これは別々の事象ではなく、波のように絶えず連続して変化する自分の状態だったのです。

考えてみれば当然のことです。ブラック・ゾーンからレッド・ゾーンへいきなり変化することはありません。予兆があり、徐々に状態が変化し、どこかで臨界点を超えてしまうことで、生産性が著しく下がる。こう考えると、グリーンな状態である《レジリエンスゾーン》の仕組みが少しずつ見えてくる気がします。

もっと詳しく知りたい方は、以下の記事をはじめ、《レジリエンスゾーン》についてまとめられた神経科学の記事がありますので、ぜひチェックし見てみてください(もともとレジリエンスは神経学で用いられている用語で、交換神経系と副交感神経系に関連した話のようですが、私はこのゾーンが波形であることを理解できただけで、今は十分です)

今どこにいるか「気づく」ことができていますか?

さて、話を冒頭に戻します。

昨日は意識のズレに「気づく」かどうかが大切だとお伝えしましたが、今日の本題は、このレジリエンスゾーンのどの位置にいるのか「気づく」ことができるか、です。

繰り返しになりますが、レッド・ゾーンやブラック・ゾーンは突然陥るものではありません。予兆があり、徐々に変化して、いずれかのゾーンに陥るのです。

だとしたら、それを防ぐことだって可能なはず。気分が下がってきていると思ったら、いったん無理に頑張りすぎずに適度な休みを取る。気分が上がりすぎている時も、いったんリラックスして高まる鼓動を落ち着かせる。このようなちょっとした行為で、波形をうまく調整してレジリエンスゾーンから外れることを回避することができるのです。

そのためにも大切なのは「気づく」ことです。調子が悪い時はもちろん、調子が良すぎる時も過覚醒状態になっていないかしっかり見極め、レジリエンスゾーンから逸脱しないような工夫が必要になるのです。

最後に

いかがでしたでしょうか?

なんとなく分かっているようで分からなかった《レジリエンスゾーン》ですが、ジェレミー先生の講義を聞いて、ようやく腑に落ちました。

自分の気持ちはいつも波形状に変化し続けるもので、無意識のうちに過覚醒にも無気力にもなる。そうならないためにまず「気づく」ことが何よりも大切である。

この考えを忘れずに、自分が、そして仲間が、今どんな状態にいるのか、これからしっかり見極めていこうと思います。

良かったら、ぜひご一緒に。

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