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アビガンについて、再び‼️

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上の画像:『アビガン錠を投与する際の事前チェックシート』
 富士フイルム富山化学株式会社
http://fftc.fujifilm.co.jp/med/abigan/pack/pdf/abigan_checksheet_01.pdf

「先日、アビガンの治験が日米で開始されたと報じられたばかりだが、安倍首相は4月7日の記者会見でそのアビガンに触れ、現在の備蓄量の3倍、200万人分を準備すると話す熱の入れようだ。。。
薬は、『何に効くか』『何に使うか』がきちんと定められている。これを『適応』という。
アビガンは既にインフルエンザ薬として承認を受けているが、新型コロナウイルスへの適応はまだ承認されていない。そのため『適応追加』を目的として、第2相もしくは第3相試験の治験から行われる。
 アビガンの新型コロナウイルスに対する治験は、どんなやり方で実施しているかはまだ公表されていない。しかし、既に中国では2本の治験が行われて、その結果、新型コロナウイルスにファビピラビル(アビガンの一般名称)が有効であるとの結果が出ている。
 しかし、この中国での論文は取り下げとなった。理由は現時点では不明であるが、近日中に差し替え版が掲載され、取り下げた理由も記載されるようだ。。。

 アビガンは他のインフルエンザ薬が無効、または効果が不十分な新型もしくは再興型のインフルエンザが発生した場合で、なおかつ国が承認した場合のみ使える、つまり他に対応する手段が無いと判断されたインフルエンザに限定して使われる薬である。
 なぜ、他の薬と違って、アビガンはすぐに医療機関が処方できないのか? アビガンの審査報告書を読むと、アビガンの『催奇形性(さいきけいせい)注:胎児に奇形が生じる』というリスクがその理由の一つと考えられる。」

【アビガンの審査報告書】
 「通常のインフルエンザウイルス感染症に対しても有効性は検証されていないこと、本剤は催奇形性等のリスクを有すること、海外で実施された臨床試験成績を中心に国内では検討されていない用法・用量が設定されていることを踏まえ、通常のインフルエンザウイルス感染症に使用されることのないよう厳格な流通管理及び十分な安全対策を実施することと、本剤の投与が適切と判断される症例のみを対象に、あらかじめ患者又はその家族に有効性及び危険性が文書をもって説明され、文書による同意を得てから初めて投与されるよう、厳格かつ適正な措置を講じること。
 アビガンは、このような危機管理を前提とした承認となっている。」

※審議結果報告書
[販 売 名]アビガン錠200mg [一 般 名]ファビピラビル[申 請 者]富山化学工業株式会社 [申請年月日]平成23年3月30日
平成 26 年 3 月 4 日 (注:厚生労働省)医薬食品局審査管理課
「審議結果]平成 26 年2月3日に開催された医薬品第二部会において、本品目を承認して差 し支えないとされ、薬事・食品衛生審議会薬事分科会に報告することとされた。
本品目の再審査期間は8年、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品又は特定生物由来製品のいずれにも該当しないとされた。
https://www.pmda.go.jp/drugs/2014/P201400047/480297000_22600AMX00533_A100_2.pdf

【アビガン 添付文書】
「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
 本剤は精液中へ移行することから、男性患者に投与する際は、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)するよう指導すること。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと。
本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。
 さらに、アビガン添付文書には、他の大部分の薬にはない『特殊記載項目』という項目がある。
〔特殊記載事項〕
「本剤(注:アビガン錠200mg)は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること。」https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/625004XF1022_2_02/

引用:『期待のアビガンが簡単に処方できない理由』(松本華哉 薬剤師)ITmedia ビジネスオンライン2020年04月21日10時00分
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/itmedia_business/trend/itmedia_business-20200421_030

【アビガン®️錠の催奇形性の可能性について 】
「本剤(注:アビガン錠)は、動物実験で、ラットで初期胚の致死が、マウス、ラット、ウサギ及びサルで催奇形性が認められ ています。ヒトにおいても、これらの作用の可能性が否定できないため、妊婦又は妊娠している可能性のあ る婦人に投与することは禁忌となっております。その根拠となりました動物実験の結果を以下にまとめまし たので、ご参照くださいますようお願い申し上げます。
なお、本剤のヒトの初期胚及び胎児への影響に関するデータはなく、妊婦及び胎児にどのような影響があらわれるか不明であるため、妊娠期間における本剤の投与を禁止しています。」
富士フイルム富山化学株式会社 2018年3月作成
引用:http://fftc.fujifilm.co.jp/med/abigan/pack/pdf/abigan_description_01.pdf

タイトル画像:『アビガン原料、中国頼み』
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58155130W0A410C2EA1000/


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