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16. あなたの1番大切な人

中学時代、文芸部に入っていました。

1年生のときから卒業まで、毎日詩や散文をノートに書いて、顧問の先生のところに持っていっていました。

小学校までは地元の公立、中学受験をして私立に入りました。

お金持ちの多い学校だったので華やかな同級生たちに馴染めず、2時間弱かかる通学に疲れ果ててしまいました。

「あー、失敗したなあ」

唯一の気晴らしが、先生へのノートでした。
義務でも課題でもなく、淡々と書きたいことを書いていました。

友だちが多いわけでもなく、後輩に慕われるでもなく、特に何も成し遂げず卒業するんだろうなと思っていました。

ある時、先生がノートに

「大器はゆっくりと根を張り晩成する
根の部分は目に見えない
目に見えない部分を豊かにすることこそ
いつか大輪の花を咲かせることになる
自信を持っていいよ 君はね もっと」

と書いて下さいました。

何者にもなれそうにないことに鬱屈した思いを感じながら、何をどうしたらいいか分からなかったわたしを励ましてくれた言葉でした。

文芸部顧問のキクチ先生は、30年近く経った今も、わたしを支えてくれる言葉をくれた、わたしにとって1番大切な人です。

実は今日、5月7日は誕生日&結婚記念日なので「大切な人=夫」にしようかと思ったのですが、どうしようもない文章しか書けず…。
「親」にするのもウソっぽく…。

大切な人というよりは「大切なできごと」になってしまいました。
まあいいか。

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